いつもご覧頂き誠に有難うございます。
毎月初、私は複数の総合経済誌に目を通しておりますが、
今回はその中でも面白いと思った「月刊ベルダ06年1月号」の記事、
『「鉱物資源」なぜ高騰しているのか』をご紹介(要約)。
それに続いて補足コメントを。
結構、奥が深くて面白い論点だと思います。
------------------------------------------------------------------
(要約)鉱物資源が高騰している理由
■銅・・・・・・中国のトレーダーがロンドンのLME(金属取引所)で空売りを
したが失敗。そのトレーダーは失踪。
中国政府が買い戻すだろうという思惑で急騰。
■金・ダイヤモンド・白金
・・・・・・大産地である南アフリカがルールを大転換=「資源ナショナリズム」。
(1)2002年10月 鉱山憲章発表
①鉱山会社は26%の割合で黒人を経営参加させること、
②新規設立の鉱山会社は51%の経営権を黒人に渡すこと、
③鉱山会社に鉱区税を課す
(2)2005年10月 「貴金属法」「ダイヤモンド改正法」発表
①貴金属とダイヤモンドの採掘・精錬・加工・輸出業務を
それぞれ10年間のライセンス制にする、
②その上で、採掘・精錬・加工の各段階で付加価値税、
輸出には輸出税を課す
↓
これにより貴金属市場が騒然!!
↓
・金は南アフリカ以外でも採掘可能であるため、
豪州やカナダの金鉱山の買収合戦が勃発。
・問題なのは、産出国が南アフリカとロシアしかない、
ダイヤモンドと白金。
とりわけ白金は産業向けが半分を占めており、
中でも特に重要なのが、「自動車の排ガス浄化の触媒」。
白金と代替可能な触媒材料パラジウムもつられて急騰。
さらにつられて貴金属やアルミ等の資源まで高騰。
・無公害の「燃料電池車」は電極に白金しか使えないうえ、
量も触媒の10倍必要。
白金の高騰により燃料電池車の実用化は10年は遅れる、との見方も。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(補足コメント)
①この記事の中でも触れているのですが、
「ダイヤモンド市場にも構造変化が起きるかも知れない」ですね。
というのも、ダイヤモンドは皆様ご存知、「デビアス社」が生産から貿易
・販売まで牛耳っているのですが、鉱山憲章を受けて、黒人が経営に参加
するようになると、デビアス社の儲けの仕組みや資産内容が南アに筒抜けに
なり、同社の支配構造が崩れかねない。
そうなれば、ダイヤモンド価格がより適正な水準に修正(=価格低下or
市場暴落)されるかも知れない、ということです。
もちろん、直ちにデビアス社の支配構造が崩れるわけではないですし、
当面は付加価値税やら輸出税が賦課されますので、割高な価格は当面
続くのでしょうけど。
中長期的な注目材料ってところでしょうか。
②自動車業界からの「白金が無いよー!!」という悲鳴。
現代風に翻訳するとやっぱり
「シロガネーゼ!」になるのでしょうか?
(まぁ、たしかにどちらも白金って書くけど・・・。
寒くなったと思いますので、室温、上げて下さい)
毎月初、私は複数の総合経済誌に目を通しておりますが、
今回はその中でも面白いと思った「月刊ベルダ06年1月号」の記事、
『「鉱物資源」なぜ高騰しているのか』をご紹介(要約)。
それに続いて補足コメントを。
結構、奥が深くて面白い論点だと思います。
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(要約)鉱物資源が高騰している理由
■銅・・・・・・中国のトレーダーがロンドンのLME(金属取引所)で空売りを
したが失敗。そのトレーダーは失踪。
中国政府が買い戻すだろうという思惑で急騰。
■金・ダイヤモンド・白金
・・・・・・大産地である南アフリカがルールを大転換=「資源ナショナリズム」。
(1)2002年10月 鉱山憲章発表
①鉱山会社は26%の割合で黒人を経営参加させること、
②新規設立の鉱山会社は51%の経営権を黒人に渡すこと、
③鉱山会社に鉱区税を課す
(2)2005年10月 「貴金属法」「ダイヤモンド改正法」発表
①貴金属とダイヤモンドの採掘・精錬・加工・輸出業務を
それぞれ10年間のライセンス制にする、
②その上で、採掘・精錬・加工の各段階で付加価値税、
輸出には輸出税を課す
↓
これにより貴金属市場が騒然!!
↓
・金は南アフリカ以外でも採掘可能であるため、
豪州やカナダの金鉱山の買収合戦が勃発。
・問題なのは、産出国が南アフリカとロシアしかない、
ダイヤモンドと白金。
とりわけ白金は産業向けが半分を占めており、
中でも特に重要なのが、「自動車の排ガス浄化の触媒」。
白金と代替可能な触媒材料パラジウムもつられて急騰。
さらにつられて貴金属やアルミ等の資源まで高騰。
・無公害の「燃料電池車」は電極に白金しか使えないうえ、
量も触媒の10倍必要。
白金の高騰により燃料電池車の実用化は10年は遅れる、との見方も。
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(補足コメント)
①この記事の中でも触れているのですが、
「ダイヤモンド市場にも構造変化が起きるかも知れない」ですね。
というのも、ダイヤモンドは皆様ご存知、「デビアス社」が生産から貿易
・販売まで牛耳っているのですが、鉱山憲章を受けて、黒人が経営に参加
するようになると、デビアス社の儲けの仕組みや資産内容が南アに筒抜けに
なり、同社の支配構造が崩れかねない。
そうなれば、ダイヤモンド価格がより適正な水準に修正(=価格低下or
市場暴落)されるかも知れない、ということです。
もちろん、直ちにデビアス社の支配構造が崩れるわけではないですし、
当面は付加価値税やら輸出税が賦課されますので、割高な価格は当面
続くのでしょうけど。
中長期的な注目材料ってところでしょうか。
②自動車業界からの「白金が無いよー!!」という悲鳴。
現代風に翻訳するとやっぱり
「シロガネーゼ!」になるのでしょうか?
(まぁ、たしかにどちらも白金って書くけど・・・。
寒くなったと思いますので、室温、上げて下さい)