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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

金・銅・ダイヤモンド・白金が高騰している理由とは?

2006-01-06 | 会計・株式・財務
いつもご覧頂き誠に有難うございます。

毎月初、私は複数の総合経済誌に目を通しておりますが、
今回はその中でも面白いと思った「月刊ベルダ06年1月号」の記事、
『「鉱物資源」なぜ高騰しているのか』をご紹介(要約)。
それに続いて補足コメントを。

結構、奥が深くて面白い論点だと思います。

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(要約)鉱物資源が高騰している理由 

■銅・・・・・・中国のトレーダーがロンドンのLME(金属取引所)で空売りを
     したが失敗。そのトレーダーは失踪。
     中国政府が買い戻すだろうという思惑で急騰。

■金・ダイヤモンド・白金
  ・・・・・・大産地である南アフリカがルールを大転換=「資源ナショナリズム」。

     (1)2002年10月 鉱山憲章発表 
         ①鉱山会社は26%の割合で黒人を経営参加させること、
         ②新規設立の鉱山会社は51%の経営権を黒人に渡すこと、
         ③鉱山会社に鉱区税を課す
 
     (2)2005年10月 「貴金属法」「ダイヤモンド改正法」発表
         ①貴金属とダイヤモンドの採掘・精錬・加工・輸出業務を
          それぞれ10年間のライセンス制にする、
         ②その上で、採掘・精錬・加工の各段階で付加価値税、
          輸出には輸出税を課す
                ↓
          これにより貴金属市場が騒然!!
                ↓
   ・金は南アフリカ以外でも採掘可能であるため、
    豪州やカナダの金鉱山の買収合戦が勃発。

   ・問題なのは、産出国が南アフリカとロシアしかない、
    ダイヤモンドと白金。

    とりわけ白金は産業向けが半分を占めており、
    中でも特に重要なのが、「自動車の排ガス浄化の触媒」。 

    白金と代替可能な触媒材料パラジウムもつられて急騰。
    さらにつられて貴金属やアルミ等の資源まで高騰。
        
   ・無公害の「燃料電池車」は電極に白金しか使えないうえ、
    量も触媒の10倍必要。
    白金の高騰により燃料電池車の実用化は10年は遅れる、との見方も。

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(補足コメント)

①この記事の中でも触れているのですが、
 「ダイヤモンド市場にも構造変化が起きるかも知れない」ですね。

 というのも、ダイヤモンドは皆様ご存知、「デビアス社」が生産から貿易
 ・販売まで牛耳っているのですが、鉱山憲章を受けて、黒人が経営に参加
 するようになると、デビアス社の儲けの仕組みや資産内容が南アに筒抜けに
 なり、同社の支配構造が崩れかねない。

 そうなれば、ダイヤモンド価格がより適正な水準に修正(=価格低下or
 市場暴落)されるかも知れない、ということです。

 もちろん、直ちにデビアス社の支配構造が崩れるわけではないですし、
 当面は付加価値税やら輸出税が賦課されますので、割高な価格は当面
 続くのでしょうけど。
 中長期的な注目材料ってところでしょうか。


②自動車業界からの「白金が無いよー!!」という悲鳴。


 現代風に翻訳するとやっぱり


 「シロガネーゼ!」になるのでしょうか?

   
  

  (まぁ、たしかにどちらも白金って書くけど・・・。   
   寒くなったと思いますので、室温、上げて下さい
  

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