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ダイエー06年2月期決算に思う

2006-04-12 | 事業再生・M&A
本日11日は、コンビニなど小売業の決算発表が多かったですが、
この1年で多数の著書を出した林会長がいるダイエーも、本日決算を発表。

連結ではOMCカードの利益でごまかされるので、
注目の単体決算をチェックしてみました。 http://www.daiei.jp/corporate/ir/kessan_tanshin/pdf/h18tantai0412.pdf

売上高  11,755億円  (期初計画11,700億円)
営業損失 ▲62億円  
経常損失 ▲30億円   (期初計画  20億円)
当期利益 3,699億円   (期初計画4,000億円)


①昨年、期初計画を見たとき、私は、
 「1兆円売って、経常利益がたったの20億円?」と驚いたものです。
 だって、OMCなどからの受取配当金を除くと、本業は赤字。
 
 リストラ終盤のはずだし、もっと利益が持ち上がると思いました。
 何よりも、なんでもかんでも特別損失に回して営業利益や経常利益をもっと
 よく見せることが可能と考えていたからです。


②しかし、ふたを開けてみれば、計画を下回る赤字。
 期中、追加リストラのニュースが絶えなかったので、薄々予感しておりましたが・・・。
 しかし、この会社はどこまでリストラをすればいいのでしょうか?
 何度も指摘していることだが、特に林会長、執筆・講演活動はもうご法度!


③私が、さらに気になったのは、当期利益の未達幅。期初計画比▲300億円。
 メイン行からの債務免除益はいいとして、追加のリストラ損が▲250億円ほど
 あった計算。
 特別損失の項目を見ますと、前期に続き減損損失▲257億円、
 事業再構築引当金繰入▲159億円と、この中に想定外のものがあったって
 ことでしょうか。
 
  で、これだけ特損積めば、07年2月期はもう少し利益が持ち上がるのかなぁ?
 って今期の計画を見ますと、

売上高  8,900億円
経常利益  40億円
当期利益  20億円 

と、今期も、営業赤字を想定しているかのような計画。
リストラが峠を越してもこの程度の収益率(経常利益率0.44%)であるのなら、
この会社の存在意義って何なんでしょうか?

14日の決算説明会、荒れそうだなぁ・・・。

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