昨年の暮れ、書店でこの本を見つけた時、心の中で「とうとう時代が追いついてきたか・・・・・」とつぶやいた。
「ラーメン二郎」・・・・・細かい説明は省くが、27年前、この魔性の食べ物に出会わなかったら、大学の講義の出席率が上がり成績が良くなって別の会社に就職できたかも知れないし、メタボになることもなかったであろう。そう思うと人生を変えたラーメンと言って過言ではない。
私以外にも熱狂的な信者が増え、店舗数も拡大、ついにはビジネス書の研究対象となるまでメジャーな存在になったということか。
なぜ二郎が凄いのか?それはもう体験するしかない。この本を読みながら店の前にできる長~い行例に加わっていればおおよそ理解できるのではないだろうか。初めての方は「小ブタ」が無難であろう。
さて、参入障壁低く、競争の激しいラーメン業界。
二郎のように1つのジャンルを確立するようなブランドが育っている中、老舗ブランド「どさん子」に関してとんでもないニュースが飛び込んできた。.
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1月26日 読売新聞
「どさん子」ホッコク前社長ら、詐欺容疑で逮捕
みずほ銀行元行員らによる詐欺事件で、東京地検特捜部は26日、ラーメン店「どさん子」などを全国展開するジャスダック上場の「ホッコク」前社長ら3人を詐欺容疑で新たに逮捕した。
発表によると、2009年6月、実態のない大阪市内のコンサルタント会社について、「中央省庁や大手企業などが顧客」と同行築地支店長にウソをつき、年間の売上高が約50億円とする虚偽の決算報告書を同支店に提出し、融資金として約5億円を詐取した疑い。
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被害者・関係者からすれば、まさに「一杯食わされた」、というべきか。
前社長のいたホッコクの経営状況は厳しい。
後発ブランドに押され、店舗数はピークの3分の1まで減り、「時代に追い抜かれた」感あり。HPによれば当社の従来のFCモデルは、ロイヤリティを一切取らずに食材の販売のみを実施。この結果、全国に展開するFC店舗の考えで顧客に提供するらーめんの味覚やサービスに地域差が生じ、全国展開の強みがブランドの構築に連鎖していなかったとのこと。そこでビジネスドメイン(FC事業部から食材販売会社へ)を見直し。
前期で事業構造改善費用等の計上により、▲9億円超の純損失を計上し、当第2四半期もリストラ損失等の計上により▲10億円超とこれまた多額の損失を計上。
その結果、当第2四半期で、 「継続企業の前提に関する重要な事象等」が有価証券報告書に記載されている。
<有報より>
当社グループは、前連結会計年度において事業構造改善費用等の計上により、942,653千円の当期純損失を計上し、当第2四半期連結会計期間においてもリストラクチャリング損失等の計上により1,016,308千円の四半期純損失を計上しました。その結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該状況を解消すべく、対応策として
①赤字事業部門の廃止等の組織再編
②賃貸用不動産の売却
③債権の流動化
④収益力のさらなる強化を進めてまいります。
以上の対応策は実現可能性が十分にあるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は本四半期報告書提出日において当社グループが判断したものであります。
しかし、事業セグメント情報をよく見ると、一定の利益を上げているのは不動産事業くらいしかない。したがって、賃貸不動産を売却してしまったら元も子もないではないのか。また、「収益力のさらなる強化」にも具体策は記載されておらず心もとない。本気で経営を立て直す気があるのだろうか。
そんな中で飛び出した前社長の不祥事。前社長は昨年12月に健康上の理由で退任しているが、報道されている内容が事実であれば、①自社の経営そっちのけで、②私利私欲のために詐欺をはたらかせる・・・・・・ラーメン二郎的に言えば「大ダブル」級の大馬鹿者(分らない方には申し訳ない)。
↓ ↓
これが「大ダブル」ラーメン(大盛かつチャーシューが2倍)
組織ぐるみではないとのことであるが、ブランドイメージにも影響が出てくるであろうし、何よりも、加盟店と本部の信頼関係がゆらぐおそれもある。「こんな大変な時に、社長は一体何やってたんだ!」てね。
幸い財務体力は残っているのですぐにどうこうはないのであろうが、ホッコクも早い、…じゃなくて一刻も早い対応が求められる。
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ラーメン二郎にまなぶ経営学 ―大行列をつくる26(ジロー)の秘訣 | |
牧田 幸裕 | |
東洋経済新報社 |
「ラーメン二郎」・・・・・細かい説明は省くが、27年前、この魔性の食べ物に出会わなかったら、大学の講義の出席率が上がり成績が良くなって別の会社に就職できたかも知れないし、メタボになることもなかったであろう。そう思うと人生を変えたラーメンと言って過言ではない。
私以外にも熱狂的な信者が増え、店舗数も拡大、ついにはビジネス書の研究対象となるまでメジャーな存在になったということか。
なぜ二郎が凄いのか?それはもう体験するしかない。この本を読みながら店の前にできる長~い行例に加わっていればおおよそ理解できるのではないだろうか。初めての方は「小ブタ」が無難であろう。
さて、参入障壁低く、競争の激しいラーメン業界。
二郎のように1つのジャンルを確立するようなブランドが育っている中、老舗ブランド「どさん子」に関してとんでもないニュースが飛び込んできた。.
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1月26日 読売新聞
「どさん子」ホッコク前社長ら、詐欺容疑で逮捕
みずほ銀行元行員らによる詐欺事件で、東京地検特捜部は26日、ラーメン店「どさん子」などを全国展開するジャスダック上場の「ホッコク」前社長ら3人を詐欺容疑で新たに逮捕した。
発表によると、2009年6月、実態のない大阪市内のコンサルタント会社について、「中央省庁や大手企業などが顧客」と同行築地支店長にウソをつき、年間の売上高が約50億円とする虚偽の決算報告書を同支店に提出し、融資金として約5億円を詐取した疑い。
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被害者・関係者からすれば、まさに「一杯食わされた」、というべきか。
前社長のいたホッコクの経営状況は厳しい。
後発ブランドに押され、店舗数はピークの3分の1まで減り、「時代に追い抜かれた」感あり。HPによれば当社の従来のFCモデルは、ロイヤリティを一切取らずに食材の販売のみを実施。この結果、全国に展開するFC店舗の考えで顧客に提供するらーめんの味覚やサービスに地域差が生じ、全国展開の強みがブランドの構築に連鎖していなかったとのこと。そこでビジネスドメイン(FC事業部から食材販売会社へ)を見直し。
前期で事業構造改善費用等の計上により、▲9億円超の純損失を計上し、当第2四半期もリストラ損失等の計上により▲10億円超とこれまた多額の損失を計上。
その結果、当第2四半期で、 「継続企業の前提に関する重要な事象等」が有価証券報告書に記載されている。
<有報より>
当社グループは、前連結会計年度において事業構造改善費用等の計上により、942,653千円の当期純損失を計上し、当第2四半期連結会計期間においてもリストラクチャリング損失等の計上により1,016,308千円の四半期純損失を計上しました。その結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当該状況を解消すべく、対応策として
①赤字事業部門の廃止等の組織再編
②賃貸用不動産の売却
③債権の流動化
④収益力のさらなる強化を進めてまいります。
以上の対応策は実現可能性が十分にあるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は本四半期報告書提出日において当社グループが判断したものであります。
しかし、事業セグメント情報をよく見ると、一定の利益を上げているのは不動産事業くらいしかない。したがって、賃貸不動産を売却してしまったら元も子もないではないのか。また、「収益力のさらなる強化」にも具体策は記載されておらず心もとない。本気で経営を立て直す気があるのだろうか。
そんな中で飛び出した前社長の不祥事。前社長は昨年12月に健康上の理由で退任しているが、報道されている内容が事実であれば、①自社の経営そっちのけで、②私利私欲のために詐欺をはたらかせる・・・・・・ラーメン二郎的に言えば「大ダブル」級の大馬鹿者(分らない方には申し訳ない)。
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これが「大ダブル」ラーメン(大盛かつチャーシューが2倍)
組織ぐるみではないとのことであるが、ブランドイメージにも影響が出てくるであろうし、何よりも、加盟店と本部の信頼関係がゆらぐおそれもある。「こんな大変な時に、社長は一体何やってたんだ!」てね。
幸い財務体力は残っているのですぐにどうこうはないのであろうが、ホッコクも早い、…じゃなくて一刻も早い対応が求められる。
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