今月から始まったTBSドラマ「冬のサクラ」に嫁がハマっている。タイトルからしてあの「冬のソナタ」を彷彿させ、それを裏付けるかのように第二話には何の脈絡もなくチェ・ジウがチョイ役で特別出演しており、中高年ウケを狙っていることは明白である。
TBSは2011年3月期の中間決算で、放送セグメントは引き続き赤字(短信p.13)となっており、よくそんな予算が取れたものだと感心することしきりである。(注:その後「ノーギャラ」であることが判明。TBSの経営の厳しさは韓国まで伝わっているのか??)
しかし、よくよく見るとこのドラマ、冬ソナだけでなく、過去のTBS名作ドラマの要素をふんだんに盛り込もうとしているものと思われる。
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脳外科医・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「JIN -仁-」
不倫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「金曜日の妻たちへ」
第3話以降には「ふぞろいの林檎たち」 「金八先生」 「渡鬼」 「水戸黄門」などのエッセンスも総動員するのだろうか。ドラマの展開そっちのけで、大いに楽しみである。
要するに、視聴率が欲しいから、なりふり構わず過去の勝ちパターンの「いいとこどり」をしようとしているのではないだろうか。思惑通りにいけばいいが私は苦笑を禁じ得ない。
ところで全く話が変わるが、会計・株式の世界で「いいとこどり」というと私は「親子上場」を連想する。
どういうことかというと、親会社が議決権の過半数を保有したまま子会社を上場させる。子会社株式を売却した場合に売却益をP/Lに計上もでき、言葉は悪いがイザという場合の利益の調整弁になる。親会社にとって、経営権を掌握したまま、子会社株の売却益を計上できる意味で「いいとこどり」なのである。
しかし、親子上場はいろいろと問題がある。親会社が子会社から利益を吸い上げて株主に配分すると、親会社株主には有利でも子会社株主には不利になる利益相反のおそれがある。あるいは、親会社が自らの利益だけのために子会社の資産を売却すれば、子会社株主の保護が十分でなくなる恐れがある。
しかもIFRS(国際会計基準)が導入されると、親子上場の「うまみ」が大きく減少する見通しにある
親会社が上場子会社の株式を売却しても、保有株比率が50%以上で支配権を失わない場合は、損益を計上出来ないこととした。売却に伴う「利益」相当分は、資本取引として財政状態計算書の資本に直接計上するだけとなっている。
(出所:日経ビジネスオンライン「IFRS 財務諸表が一変する ~親子上場が変わる」)
そういうこともあってか、最近は親子上場の見直し(つまり上場子会社の非上場化など)が相次いでいるようだ。海外投資家を中心に物言う株主が増えたため、親会社での事業の選択・集中のなかで、主要子会社を100%子会社化してリストラ効果を高めるというケースも散見される。
なお、モーニングスターによると、親子上場している子会社株には低PBR(株価純資産倍率)銘柄が多く、一方、TOB(株式公開買い付け)またはMBO(経営陣による自社株買収)が実施される場合、時価に対し大幅なプレミアムがつくケースが多いとしている。確かに、株式投資テーマとして見ても面白いと思う。
今後IFRS適用により親子上場のうまみが乏しくなる中、希薄化していた「子供」との関係が再び濃密なものになっていく可能性は高いと思われる。日本にはまだ400社程度の上場子会社株があるので、そういう”家族再生のホームドラマ”が、株式市場のあちこちで見られるのではないだろうか。
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TBSは2011年3月期の中間決算で、放送セグメントは引き続き赤字(短信p.13)となっており、よくそんな予算が取れたものだと感心することしきりである。(注:その後「ノーギャラ」であることが判明。TBSの経営の厳しさは韓国まで伝わっているのか??)
しかし、よくよく見るとこのドラマ、冬ソナだけでなく、過去のTBS名作ドラマの要素をふんだんに盛り込もうとしているものと思われる。
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第3話以降には「ふぞろいの林檎たち」 「金八先生」 「渡鬼」 「水戸黄門」などのエッセンスも総動員するのだろうか。ドラマの展開そっちのけで、大いに楽しみである。
要するに、視聴率が欲しいから、なりふり構わず過去の勝ちパターンの「いいとこどり」をしようとしているのではないだろうか。思惑通りにいけばいいが私は苦笑を禁じ得ない。
ところで全く話が変わるが、会計・株式の世界で「いいとこどり」というと私は「親子上場」を連想する。
どういうことかというと、親会社が議決権の過半数を保有したまま子会社を上場させる。子会社株式を売却した場合に売却益をP/Lに計上もでき、言葉は悪いがイザという場合の利益の調整弁になる。親会社にとって、経営権を掌握したまま、子会社株の売却益を計上できる意味で「いいとこどり」なのである。
しかし、親子上場はいろいろと問題がある。親会社が子会社から利益を吸い上げて株主に配分すると、親会社株主には有利でも子会社株主には不利になる利益相反のおそれがある。あるいは、親会社が自らの利益だけのために子会社の資産を売却すれば、子会社株主の保護が十分でなくなる恐れがある。
しかもIFRS(国際会計基準)が導入されると、親子上場の「うまみ」が大きく減少する見通しにある
親会社が上場子会社の株式を売却しても、保有株比率が50%以上で支配権を失わない場合は、損益を計上出来ないこととした。売却に伴う「利益」相当分は、資本取引として財政状態計算書の資本に直接計上するだけとなっている。
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そういうこともあってか、最近は親子上場の見直し(つまり上場子会社の非上場化など)が相次いでいるようだ。海外投資家を中心に物言う株主が増えたため、親会社での事業の選択・集中のなかで、主要子会社を100%子会社化してリストラ効果を高めるというケースも散見される。
なお、モーニングスターによると、親子上場している子会社株には低PBR(株価純資産倍率)銘柄が多く、一方、TOB(株式公開買い付け)またはMBO(経営陣による自社株買収)が実施される場合、時価に対し大幅なプレミアムがつくケースが多いとしている。確かに、株式投資テーマとして見ても面白いと思う。
今後IFRS適用により親子上場のうまみが乏しくなる中、希薄化していた「子供」との関係が再び濃密なものになっていく可能性は高いと思われる。日本にはまだ400社程度の上場子会社株があるので、そういう”家族再生のホームドラマ”が、株式市場のあちこちで見られるのではないだろうか。
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爽やかな男性を草薙剛が演じています。
なんか、中学生が、セックスしてしまって「はやくすませたかった」なんて言ってるような時代が、このドラマを見ていると本当にばかばかしいと私は思ったりします。
冬のサクラに出てくる草薙演じる祐のような男の人が、究極なのかもしれませんね。
キムタクでは演じることはできないですね。
親子上場の話、おもしろかったです。
ありがとうございました。
ノーギャラだとプロデューサーのブログに
ありました。
http://www.tbs.co.jp/fuyuno-sakura/blog/blog03.html
深夜のコメント連発、誠にありがとうございました。
韓国までTBSの経営の厳しさが伝わっていたのでしょうか・・・・・・??
ありがとうございました。
こちらのブログは、冬のサクラでたどりついたのですが、ものすごく勉強になるので
ラッキーな冬のサクラ効果でした。
今、剛がやってる地上デジタルの宣伝も
あれだけ頑張ってるのに
「裸になって何が悪い」事件があったため
ジャニーズが2年間、ノーギャラでいいといって
やっている仕事です。
多分奥様は、私と同じ世代だと思いますが、
剛が私たち世代をストライクゾーンとして恋愛ものの相手役というところが
まずいいのだと思います。
ドラスティックなことをするので株主に迷惑かかるって言うなら、まずは具体的に何をするのかを説明して、株主からの理解を得る努力をするべきだと思います。
一方で、このごろのMBOの増加はおそらく、買収者たる経営者の市場に対する見方が強き(株価上昇を想定)になったことにあるのでしょう。
「わわ、株価上がっちゃうね。今のうちにやらなきゃ」的な。
そもそもMBOが可能な企業は何年も前からその要件を満たしていますしね。
規制が加重されて、上場維持コストが上昇しているは確かですが、本来資金調達コストを下げるため(投資家が投資しやすいようにするために)に制度が加重されているはずです。
その意味では、上場維持コストがあがったってことをMBOの理由にすることは、ある側面からみると、「成長可能な投資分野を見つけられませんから、資金が要らないんです。なんで上場必要ないのに、上場維持コストだけあがるんですよ」と、経営者自身の(株主の資金を運用するという意味での)ファンドマネジャー的能力における無能さを露呈しているに過ぎない印象です。
それに加えて、株主は相当程度流動性が低く、株価もがんばり足らずな価格で抑えられている状況下で、MBOを「千載一遇」のイグジットチャンスと捕らえざるを得ない部分があり、それまでの経営者努力不足を論じる余裕もなく判断しているように感じます。
今一度個人株主は、売却という行為が、財務的にどういう意思決定を意味していたのかを整理できると良いかもしれないですね。