今回は、医療ミステリー。まぁ、「雑感ブログ」で何でもアリなので大目に見て欲しい。
週刊東洋経済の最新号は「まだ間に合う!糖尿病」という特集記事。
今や40代以上の男性3人に1人、女性4人に1人が糖尿病かその予備群。初期の自覚症状がない病気に、忙しいビジネスパーソンはどう取り組むべきか。患者の実例などから生活習慣を見直すヒントを考える。
……ということで医療編、予防編、治療・管理編と分厚い構成。
しかし一通り読んだ私に、ある疑問が湧いた。
「アレッ?なぜ、あの食事療法を取り上げていないんだろう?」
あの食事療法とはズバリ、「糖質制限食」である。
数年前から関連書籍が出版されている。
しかもレシピ本まで出ている。出版社はいずれも「東洋経済新報社」。自社の本を売り込むには絶好の機会だったのに、なぜなんだろう?
その謎を解く前に、まず糖質制限食とは何か。
これを提唱されている京都高雄病院・江部医師のブログから紹介しよう。
糖質制限食の理論的根拠
1、血糖値を上昇させるのは糖質である。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、糖質制限食を実践すれば血糖値は上昇せず糖尿病は改善する。
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
非常にシンプルな発想。要するに血糖値を上げる糖質の摂取を抑えれば良くて、「ごはんの代わりにステーキをたべろ」という議論はまさにこれにあてはまる。実は江部先生ご自身も糖尿病であり、この食事療法で血糖値を改善・安定させている、という事実が説得力を高めている。
かくいう私も、長年の不摂生がたたり、昨年8月に血糖値が大ブレイクしていたことが判明。ネットで江部先生のブログを知り、著書も数冊読んでかかりつけの医師とも相談して早速、糖質制限食を実施。この半年、ごはん(白米)・パン・麺類といった糖質を多く含んだ食べ物は一切シャットアウトし、その代わりに野菜・肉・魚などおかずはたっぷり摂取。この結果、血糖値は劇的に改善、体重もあっという間に減少。もちろんこの間、治療薬は一切飲んでいない。半年も続きすっかり体も慣れ、新たな生活習慣として定着してきた。
(江部先生にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。)
廉価な主食が食べられないため食費は嵩んでしまうのがやや難点であるが、体験者の1人として、版元でもある東洋経済が何故この手法を取り上げていないのか違和感が残るのである。
(注)糖質制限食をお考えの方は、かかりつけの医師とよくご相談下さい。
そこで以下、お約束の邪推ではあるが、「糖質制限食」が取り上げられなかった理由を考える。
①医療・医薬品業界への配慮
「がん」「うつ」「介護」といった病気ネタはビジネス誌の定番テーマ。東洋経済にとって有力な取材先さらには広告主にもなる。そんな医療・医薬品業界にとって「糖質制限食」は薬の出番は少なく、儲けの少ない手法となる。しかしTPCレポートによれば、世界の糖尿病薬の市場は毎年拡大し、2009年度の日米欧3極の市場規模は2兆2,838億円となったとのこと。「みすみす巨大市場を見逃すわけにはいかない。儲かる薬の長期服用で固定客をつかみたい」というのが本音であろう。東洋経済としても今後の取引関係を睨み、彼らを徒に刺激することを避けたのではないか。
②米作農家等への配慮
極論すると「(糖質の多い)コメを食べるな!」いうことになるので、これを大々的に取り上げてしまうと農家等からの反発が十分予想される。また一般読者からも日本人の心情として「そこまで言うのか?」と反発を食らうおそれもある。
③東洋経済編集部がうっかり忘れていた。
(・・・・・んなことぁ無いか。)
まぁいずれにしろ「本当に使える重要な情報」というのは、なかなか簡単には手に入らない、ってことが今回の教訓なのかも知れない。
週刊東洋経済の最新号は「まだ間に合う!糖尿病」という特集記事。
今や40代以上の男性3人に1人、女性4人に1人が糖尿病かその予備群。初期の自覚症状がない病気に、忙しいビジネスパーソンはどう取り組むべきか。患者の実例などから生活習慣を見直すヒントを考える。
……ということで医療編、予防編、治療・管理編と分厚い構成。
週刊 東洋経済 2011年 2/5号 [雑誌] | |
東洋経済新報社 |
しかし一通り読んだ私に、ある疑問が湧いた。
「アレッ?なぜ、あの食事療法を取り上げていないんだろう?」
あの食事療法とはズバリ、「糖質制限食」である。
数年前から関連書籍が出版されている。
主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ | |
江部 康二 | |
東洋経済新報社 |
主食を抜けば糖尿病は良くなる! 実践編 | |
江部 康二 | |
東洋経済新報社 |
しかもレシピ本まで出ている。出版社はいずれも「東洋経済新報社」。自社の本を売り込むには絶好の機会だったのに、なぜなんだろう?
その謎を解く前に、まず糖質制限食とは何か。
これを提唱されている京都高雄病院・江部医師のブログから紹介しよう。
糖質制限食の理論的根拠
1、血糖値を上昇させるのは糖質である。
2、糖質を摂取しなければ血糖値は上昇しない。
3、糖質制限食を実践すれば血糖値は上昇せず糖尿病は改善する。
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、主食を摂るときは未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
四、飲料は牛乳・果汁は飲まず、成分未調整豆乳はOK。水、番茶、麦茶、ほうじ茶もOK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。
非常にシンプルな発想。要するに血糖値を上げる糖質の摂取を抑えれば良くて、「ごはんの代わりにステーキをたべろ」という議論はまさにこれにあてはまる。実は江部先生ご自身も糖尿病であり、この食事療法で血糖値を改善・安定させている、という事実が説得力を高めている。
かくいう私も、長年の不摂生がたたり、昨年8月に血糖値が大ブレイクしていたことが判明。ネットで江部先生のブログを知り、著書も数冊読んでかかりつけの医師とも相談して早速、糖質制限食を実施。この半年、ごはん(白米)・パン・麺類といった糖質を多く含んだ食べ物は一切シャットアウトし、その代わりに野菜・肉・魚などおかずはたっぷり摂取。この結果、血糖値は劇的に改善、体重もあっという間に減少。もちろんこの間、治療薬は一切飲んでいない。半年も続きすっかり体も慣れ、新たな生活習慣として定着してきた。
(江部先生にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。)
廉価な主食が食べられないため食費は嵩んでしまうのがやや難点であるが、体験者の1人として、版元でもある東洋経済が何故この手法を取り上げていないのか違和感が残るのである。
(注)糖質制限食をお考えの方は、かかりつけの医師とよくご相談下さい。
そこで以下、お約束の邪推ではあるが、「糖質制限食」が取り上げられなかった理由を考える。
①医療・医薬品業界への配慮
「がん」「うつ」「介護」といった病気ネタはビジネス誌の定番テーマ。東洋経済にとって有力な取材先さらには広告主にもなる。そんな医療・医薬品業界にとって「糖質制限食」は薬の出番は少なく、儲けの少ない手法となる。しかしTPCレポートによれば、世界の糖尿病薬の市場は毎年拡大し、2009年度の日米欧3極の市場規模は2兆2,838億円となったとのこと。「みすみす巨大市場を見逃すわけにはいかない。儲かる薬の長期服用で固定客をつかみたい」というのが本音であろう。東洋経済としても今後の取引関係を睨み、彼らを徒に刺激することを避けたのではないか。
②米作農家等への配慮
極論すると「(糖質の多い)コメを食べるな!」いうことになるので、これを大々的に取り上げてしまうと農家等からの反発が十分予想される。また一般読者からも日本人の心情として「そこまで言うのか?」と反発を食らうおそれもある。
③東洋経済編集部がうっかり忘れていた。
(・・・・・んなことぁ無いか。)
まぁいずれにしろ「本当に使える重要な情報」というのは、なかなか簡単には手に入らない、ってことが今回の教訓なのかも知れない。
まったくお薬を使わないのですね。わたくしは不安で「ビクトーザ」つずけています。
止めたほうがよいか迷っています。
もう主食抜きには、なれました。私も江部先生には本当に感謝ています。