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「労働契約法制」の衝撃

2005-10-14 | 経営
ビジネスマン諸氏。
再びのM&A劇場にうつつを抜かすのも良いけど、
その背後で気になる法律制定の動きがあることにも注意して下さい。

またまた「衝撃」シリーズ。
語彙の少なさを実感してます。


以前、「ホワイトカラー・エグゼンプション」という記事を投稿しました。
これは名前の通り、ホワイトカラーの労働者を、残業の規制から外す
(エグゼンプト)制度でして、日本経団連がこの制度導入を求める提言を
出しております。
去る13日にも新たな提言を出しているのでご参照ください。


今回のネタは、この提言にも出てくる「労働契約法制」です。
これも強烈ですよ。

早くても2007年通常国会に法案提出、最短で2008年施行なので、
すぐにどうこう、というわけではありませんが、
現在検討されている中身を挙げてみましょう。
特に次の①と②がスゴイ。


①解雇の金銭解決制度
 従来別々だった解雇無効の訴えと、解決金の支払いを求める
 裁判を実質一本化。金銭を払って労働者を追い出す制度との
 批判もすでにあるようです。

②雇用継続型契約変更制度
 使用者が労働者に契約内容の変更を求め、合意できない場合
 には、原則解雇。しかし労働者は、雇用を維持しながら、その
 是非を法廷で争える(但し、裁判費用は労働者が負担)。

③常設の労使委員会を設置
 労働組合が組織化されていない企業では、労働者側の使用者
 への交渉力が増す、と見られています。

④試用雇用契約制度
 試用を目的に、期間を区切って結ぶ雇用契約。でも人の使い捨て
 につながる恐れもあり。
              (参考文献:2005.10.1週刊東洋経済) 

最終どうなるかは、まだ紆余曲折が予想されますので不透明ですけど、
まぁ厳しい方向に向かうと思っていた方がいいのでしょうね。


だからこそ、今のうちから「自分の身を守る」準備を進めなくては、
と思っております(思っているだけですけど)。  



<参考資料>

労働契約法制に対する使用者側の基本的考え方
2005年10月13日
(社)日本経済団体連合会
労働法規委員会労働法専門部会

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1.あるべき労働契約法制について

労働契約法制は、
(1)雇用の多様化などによる個別的労働紛争の増加を防止するべく、
  労働条件を労使に明確に示すようなものであること(労働条件の明確化)、
(2)紛争が起きたときにどのように解決するかという解決基準のルールを
  定めたものであること、
(3)以上のルールは労使自治を基本とすることから補充規定、任意規定であること、
(4)中小零細企業を含めた日本の企業の多くが円滑に遵守できるようなものである
  こと(複雑な手続規定等は設けないこと)が必要である。

以上のような一般民事法としての労働契約法制は、これを否定するものではない。

2.「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」報告について

9月15日、厚生労働省の「今後の労働契約法制の在り方に関する研究会」
は報告をとりまとめた。

しかしながら、同報告は、雇用の入り口から出口に至るまで、すなわち
採用、試用、配転等から退職、解雇に至るあらゆる場面において起こり得る問題
を想定し、強行規定、指針を背景に企業を規制する内容となっており、
容認できない。

もとより、同報告は学識経験者のひとつの意見であって、
同報告の方向性にとらわれることなく、労働契約法制については、
厚生労働省の労働政策審議会(労働条件分科会)において、
今後労使で検討されるものと理解している。

日本経団連としては、かねてより主張している、
解雇の金銭解決制度、ホワイトカラーエグゼンプションについて
早期導入を要求するとともに、労働契約法制の内容が、
強行規定や指針によって企業に規制や負担を課するものになることを
阻止すべく求めていく。

以上
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1 コメント

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強烈ですね (温故知新)
2006-01-05 08:11:43
 他のところのコメントで「容易に解雇をすることはできないように労働三法はなっている」と申し上げましたが、ここで書かれている改正は強烈というか衝撃的ですね。

 仰るとおり、「カネを払えばやめさせられる」「契約内容の変更に合意できないときは労働者を解雇」とはあまりにも凄い変更です。これでは労働者はまさしく働く部品でしかなくなってしまいます。

 本当に恐ろしくなってきました。

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