昔、上から読んでも「山本山」という海苔のCMがありました。
これも上から読んでも「らくてん てんらく」・・・ちょっと違いますかねぇ?
さて本題。
週刊エコノミストで「楽天の焦り」という特集がありました。
まずは、この内容をポイントだけご紹介。
一部、私の意見も入れてグチャグチャになってますけど、お許しを。
-------------------------------------------------------------------
◆結論:新会計基準の施行により「のれんの一括償却」による
高株価演出ができなくなり、窮地に追い込まれている。
◆内容
・楽天は、05/12期に初めて最終黒字となる(これまで5期連続赤字)。
理由は、企業買収の際に生じる「のれん」を特別損失として一括償却することが
できなくなったため。
(これまで5期累計で833億円も一括償却処理をしていた)。
・では、何故、一括償却できなくなったのか?
①来年4月より適用される新会計基準「企業結合会計基準」では
「のれんの一括償却」を禁止している。
②何故、一括処理がダメかというと、一括処理した次の期以降は、
本来計上すべきのれんの償却費が無い分だけ、
利益を増やすことができる。いわば一種の「利益操作」となるため。
また、のれん=買収先企業の超過収益力であるから、
買収直後にその価値が無くなったとして一括処理するのは理屈に合わない。
③施行は来年4月より始まる事業年度からであるが、
会計基準が公表された以上、
監査法人も先取りして対応せざるを得なくなる。
楽天の監査法人である新日本監査法人は今期(05/12期)の一括処理
を禁止した。
実はこれが大きな誤算となっている。
・楽天は、新基準が施行される前であれば、TBSを買収して、
それに伴って生ずる「のれん」も一括償却できると思っていた節が
あったとのこと。
それが新日本監査法人により脆くも崩れてしまった。
・楽天はなお、のれんの会計処理にこだわりを見せており、
米国会計基準への移行を含めた検討に入った模様
---------------------------------------------------------------------
(コメント)
・先日、本屋で「教祖降臨」といった三木谷社長を礼賛する本を見かけました。
こういう本が出る頃が会社のピークかもしれませんね。
(でも意外とこういう見方って当たるんですよ。
書かれた本人に、慢心や傲慢さが芽生えてくるでしょうし・・・・・
企業を見る時に参考にして下さい。)
「教祖、降参」あるいは「教祖、降板」の日は近いかも。
・新日本監査法人に、会計士の矜持たるものを見ました。
・財務内容でライブドアと比較しますと、ライブドアの圧勝。
楽天の連結自己資本比率4.4%はレバレッジ掛けすぎ。
ライブドア経緯と手法はともかく、連結自己資本比率50%超ですから。
まず増資して買収を仕掛けるか、買収を仕掛けてから増資するか、の
順番の違いですけど、楽天はここでも誤算。
ゴールドマンによる2,000億円とかの増資がリークされて
白紙になってしまったこと。これがトドメになりそうです。
一方、ライブドアの手法は手荒いものの、なんだかんだ言って
1,900億円もの連結自己資本を確保していますから、
手堅いですよ。少し見直しました。
(ただ、これがゆえに、「堀江ファンド」と呼んでいるんですけどね。)
これも上から読んでも「らくてん てんらく」・・・ちょっと違いますかねぇ?
さて本題。
週刊エコノミストで「楽天の焦り」という特集がありました。
まずは、この内容をポイントだけご紹介。
一部、私の意見も入れてグチャグチャになってますけど、お許しを。
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◆結論:新会計基準の施行により「のれんの一括償却」による
高株価演出ができなくなり、窮地に追い込まれている。
◆内容
・楽天は、05/12期に初めて最終黒字となる(これまで5期連続赤字)。
理由は、企業買収の際に生じる「のれん」を特別損失として一括償却することが
できなくなったため。
(これまで5期累計で833億円も一括償却処理をしていた)。
・では、何故、一括償却できなくなったのか?
①来年4月より適用される新会計基準「企業結合会計基準」では
「のれんの一括償却」を禁止している。
②何故、一括処理がダメかというと、一括処理した次の期以降は、
本来計上すべきのれんの償却費が無い分だけ、
利益を増やすことができる。いわば一種の「利益操作」となるため。
また、のれん=買収先企業の超過収益力であるから、
買収直後にその価値が無くなったとして一括処理するのは理屈に合わない。
③施行は来年4月より始まる事業年度からであるが、
会計基準が公表された以上、
監査法人も先取りして対応せざるを得なくなる。
楽天の監査法人である新日本監査法人は今期(05/12期)の一括処理
を禁止した。
実はこれが大きな誤算となっている。
・楽天は、新基準が施行される前であれば、TBSを買収して、
それに伴って生ずる「のれん」も一括償却できると思っていた節が
あったとのこと。
それが新日本監査法人により脆くも崩れてしまった。
・楽天はなお、のれんの会計処理にこだわりを見せており、
米国会計基準への移行を含めた検討に入った模様
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(コメント)
・先日、本屋で「教祖降臨」といった三木谷社長を礼賛する本を見かけました。
こういう本が出る頃が会社のピークかもしれませんね。
(でも意外とこういう見方って当たるんですよ。
書かれた本人に、慢心や傲慢さが芽生えてくるでしょうし・・・・・
企業を見る時に参考にして下さい。)
「教祖、降参」あるいは「教祖、降板」の日は近いかも。
・新日本監査法人に、会計士の矜持たるものを見ました。
・財務内容でライブドアと比較しますと、ライブドアの圧勝。
楽天の連結自己資本比率4.4%はレバレッジ掛けすぎ。
ライブドア経緯と手法はともかく、連結自己資本比率50%超ですから。
まず増資して買収を仕掛けるか、買収を仕掛けてから増資するか、の
順番の違いですけど、楽天はここでも誤算。
ゴールドマンによる2,000億円とかの増資がリークされて
白紙になってしまったこと。これがトドメになりそうです。
一方、ライブドアの手法は手荒いものの、なんだかんだ言って
1,900億円もの連結自己資本を確保していますから、
手堅いですよ。少し見直しました。
(ただ、これがゆえに、「堀江ファンド」と呼んでいるんですけどね。)
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のれんの償却なのですが、のれんを
一括償却してしまう、というのは
A:"その企業買収は失敗であったので、今後は
この買収からのシナジー効果等は見込めません
ので、当社の株式は買いではないですよ"
B:"とりあえず費用は早めに落としているので、
今後の会計上の利益は改善しますから当社の
株式は買いですよ"
という二つの相反する内容をアナウンスしている
ような気がします。
財務アナリスト様が企業評価をする際には、
どちらの意味で企業を評価するのでしょうか?
また、他の一般的なアナリストの先生方は
通常どのようにのれん一括償却を評価するのが
定番なのでしょうか?
楽天としては、Bのアナウンスをできると考えて
いるので、一括償却にこだわっているのだと
思いますが、会計処理の方法を変えたからと
いって、プロの方が分析すれば、その辺は修正
して企業評価を行うので意味ない、等あります
でしょうか?
個人的には、会計的に素直に考えると、のれんの
一括償却はAの意味だと思うので、ここで大きな
損がでてくれば、経営の失敗→経営責任を何らか
の形で問われる場合もある、というような気も
するのですが・・・。
のれんの一括償却を株式投資の判断上、どう見るかなのですが、
①株式価値=企業が生み出す
将来キャッシュフローの総和
②のれん償却費=キャッシュフローを
伴わない費用
(現金支出はありません。
固定資産の減価償却費と
同じようなものです。)
①と②を組み合わせていただければ
お分かりのように、理論上は
のれんを一括であろうが、定額償却
しようが将来キャッシュフローには
影響を与えません。
したがって、「売り」でも「買い」でも
ない、というのが私の基本的な見方です。
ほとんどの証券アナリストの方々も
同様な見解だと思われます。
しかし、市場がどう見るかを考えることも
大事です。
実際に株式投資されている方は、
足元の企業業績にご関心があるでしょうし、
のれんの一括償却によって、
来期以降の増益の確率が高まるわけでし、
株主資本が減少した上で、利益が増えるわけ
ですからROE(株主資本利益率)も上昇するので見た目は良くなります。
このため、私自身は「こんなの欺瞞だ」と思っても、他人がどう思うか?って考えますと、
おそらく「短期的には買い」に動いて
しまうと思います。
のれんの償却ではありませんでしたが、
セントラルファイナンスも費用の前倒し計上
という単純な手法でストップ高を連発させましたしね。
また、ご質問にあった
「会計処理の方法を変えたからと
いって、プロの方が分析すれば、
その辺は修正して企業評価を行うので
意味ない、等ありますでしょうか?」
⇒その通りです。意味はないです。
「会計的に素直に考えると、のれんの
一括償却はAの意味だと思うので、
ここで大きな損がでてくれば、経営の失敗→経営責任を何らかの形で問われる場合もある、というような気もするのですが・・・。」
⇒お気持ちも分かりますが、
シナジー発現には時間がかかる話でもあり
さすがに買収した期にそこまで考えて
処理する経営者はいないでしょうし、
市場もそのように考えていると思います。
ですから、経営責任を問われる云々の
可能性は低いと思います。
以上、取り急ぎ、ご参考まで。
逆のれんという点ではヤマダ電機のダイクマ買収やイオンのマイカル連結化などが代表的ですよね。
変な話ですがPLってPERで、キャッシュフローってEV/EBITDA倍率かなって。要するにさっくりと見ただけでわかるものと、一回プロセス踏んで計算しないとわからないものと。理屈上はEV/EBITDAで見るべきとはわかっていても、市場は結局PERを見るんですよね。