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総合商社業界を揺るがすもう1つの「SMAP」

2016-01-13 | 会計・株式・財務
数年前、芸能界を代表するセレブなユニットの解散観測に接して、爆笑したことがあります。


「叶姉妹」。

(するかよ、そんなの!)


でもまぁ、驚きましたね。国民的アイドル・SMAPの解散報道。まさに芸能界に大激震。


しかし、その背景には何やらマネジャー同士の権力闘争があるようでして、
ファン不在の構図。釈然としませんけどね。
でも何だかんだいっても芸能人はファンに夢を与える職業。なんとか元のサヤに収まって欲しいものです。




さて実はこの日、総合商社業界で予てから注目されていたある巨大プロジェクトに大きな動きが見られました。


住友商事SUMITOMO)アンバドビー・プロジェクト(Ambatovy Project) 。
強引な略称ですが、これもSMAPでしょ?。
採掘するニッケルの価格が低迷しており、2016年3月期で減損770億円を計上すると発表したのです。



ニッケル市況を見てみますと、確かに足元絶不調で推移しておりまして、昨年12月時点で3.94/Lbと、プロジェクトに参入した2007年での高値からは実に6分の1。これでは周囲の注目を浴びるワケだ。

でも、損失処理はいいとして、損失額はこれで十分なのでしょうか?
損失計上の対象となった資産の規模がリリースに書いてありませんが、2Q決算での質疑応答等でエクスポージャーは約24億ドルと記載されております。
 
ですので、1ドル120円としてざっと2,900億円。
しかし、このうち減損損失770億円がどのように計上されたのか、そしてこれが保守的な処理なのか、これで本当に打ち止めなのかさっぱりわかりません。
これは何も住友商事に限った話ではありませんが、巨大プロジェクトでの巨額の減損損失というのは、開示される情報が乏しく、外部からの検証がかなり困難で、一種のブラックボックス化しておりまして、投資家不在の構図。
これも釈然としませんけどね。


会計士先生の皆さん!この1年は資源バブルの崩壊が進み減損の兆候はてんこ盛り。
のれんなど減損チェック、厳しくお願いしますよ!
東芝の二の舞にならないようにね。

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