◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

資本は●●で動く

2023-10-26 | 会計・株式・財務
本日の日経16面の全面広告で日経サスティナブルフォーラム「世界の機関投資家の潮流~資本は対話で動く」というセミナー開催報告がありました。
ご興味ある方は当日の議論を録画した動画(リンク先)もご覧ください。

確かに、上場企業にとって企業価値を高めるためには、世界の機関投資家との建設的な対話を通じて、投資家が期待するところをしっかり把握して、企業経営に生かしていくことが重要な方策の1つだと思う。

しかし、ひねくれ者の私は、「資本は対話で動く」のも一理あるが、短期的な注目ポイントとして次の言葉で返したい。

「資本は新紙幣で動く」

2024年7月前半を目途に、20年ぶりに新紙幣が発行される。
しかも1万円札のデザインが1984年の福沢諭吉先生に代わって以来、40年ぶりに渋沢栄一に交代する。
(すいません慶應OBなもんで「先生」とつけさせて頂きます)

そこで、何が起きるか?
日本は、海外に比べて現金志向が強い。
日本銀行の資金循環統計によれば、コロナの影響もあってか、家計が保有する現金は106兆円と、4年前から10兆円ほど増えている。その多くはタンス預金とみられる。
 新札に交換する動きが出てくれば、家計に積み上がったタンス預金が「生きたお金」として投資などに回り、株式相場や経済の活性化につながる可能性があるとみている。

事実、1984年11月に福沢先生の1万円札が発行された後に何が起きたか?
あの「バブル経済」だ。

確かに、発端となったのは、1985年9月の「プラザ合意」であり、新紙幣そのものが原因ではない。
ついでに当時の流れを見てみると・・・・。
先進5ヶ国(日米英独仏)の蔵相と中央銀行総裁によるドル高是正への合意であり、要するに、各国で協力してドル下げを目指そう!と。
しかしプラザ合意後、政府や日銀の予想を超えるスピードで円高が進行し、円高不況に直面。
そこで、日銀が低金利政策を実施したため、各企業が融資を受けやすくなり、土地や株式の購入にも資金流入。地価・株価が高騰。
こうしたバブルの流れに乗じて、タンス預金からも膨大な資金が投機に回り、バブルを加速させた可能性は十分あるだろう。

最近の記事からお分かりの通り、金利先高観が強まりつつある中で、私は基本的に株式相場に対しては悲観的ではある。
しかし、来年夏の新紙幣発行後、株式相場の状況如何では、相場の下支え要因となるかもしれない。

または、円安水準が定着する中、タンス預金からドルへの逃避が加速して、一段の円安となるリスクも考えなくてはいけないかも。

いずれにせよ、来年7月の新紙幣発行の影響には要注目だ!

またいきます。


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