今朝の新聞各紙ともUSENによるライブドア支援の観測記事を出しておりました。
もちろん会社側は正式発表しておりませんが、関心はあるようですね。
で、このUSEN。Gyaoなど意欲的にいろいろやっているようですが、
財務面からどういう会社なのか、ライブドアを欲しがっている会社なのか、を
ざっと分析して見てみました。
この会社の事業内容とか戦略とかはプロに論じていただくとして、毎度のように、
・ 06年8月期第一四半期決算短信http://www.usen.com/corporate/ir/pdf/051221_01.pdf
・ 有価証券報告書
http://www.usen.com/corporate/ir/pdf/051126.pdf
だけから何か言えるのか、言えないのか、やってみました。
① 05年8月期の連結特別損失に注目してください。
M&Aなどにより順調に売上、総資産が拡大。
05年8月期は連結経常利益63億円と前期比+17億円と高成長。
しかし、特別損失として減損損失134億円を筆頭になんと357億円の特別損失を
計上して最終赤字▲277億円。
まぁ、一過性なら仕方ないか・・・と思ったのですが、その前の期も▲287億円の
特別損失を計上しています。
しかも中身を見ると(数値は05年8月期)
・棚卸資産評価損 ▲23億円
・退職給付会計基準変更時差異償却 ▲14億円
・貸倒損失+貸倒引当金繰入額 ▲27億円
・連結調整勘定償却 ▲ 2億円
と、むしろ販管費か営業外費用に計上すべき費目が含まれています。
(しかもこれらの損失は前期も計上しています。)
これら4項目で▲66億円。
ってことは、もしかしたら、実は連結経常利益もマイナスだったかも知れません。
投資家の大半は結構、特別損失に寛容です。
「まぁ、一過性なら仕方ないか・・・」という感覚で。
しかし、その中身は見ておいたほうが良いという好例かもしれません。
そもそも、特別損失の項目が20もあるっていうのは久々に見ました。
② 財務体力も、正直厳しいのかなぁ・・。
続いて05年11月末の連結財務諸表をご覧下さい(1Q短信)。
連結株主資本は285億円です。
一方、資産の部。
繰延税金資産が流動と固定の合計 87億円。
(将来節約できるであろう税金です。)
連結調整勘定 223億円
(ご存知、のれん。いずれ全額償却されることとなる。)
ですので、意地悪な見方をすれば、「資本の質が低い」。
つまり連結株主資本285億円から繰延税金資産と連結調整勘定を差し引くと
▲25億円のマイナスとなります。
繰延税金と連結調整勘定を資産サイドに計上していることで、
一定の連結株主資本が保たれているわけです。
ですが、将来の収益見通しが悪化した場合は、繰延税金の取り崩しもある
でしょうし、連結調整勘定も毎期定額償却されたり、この会社が05年8月期に
行ったように収益見通しが当初から悪化したので減損損失を計上、ってことも
ありえます。
ということでちょっと気になりますね。
ですから、USENの財務担当者の立場からすれば、
安定的に収益の上がる事業を何とか格安で(これが大事)手に入れたいと
思うんでしょうね。
連結PBR1倍割れのライブドア株を過半数取得できれば、
多額の「負ののれん」をゲットできます。
定額償却すれば連結経常利益の下支え要因となりますし、
いずれ連結株主資本に還流しますし。
・・・・シナジー効果とかは良く分かりませんが、財務面から見ると確かにライブドア
に関心を持っていることは言えると思います。
あとはどう買収資金をファイナンスしていくか・・・・・ですかね。
P.S.本日もご覧頂き有難うございました。
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何卒よろしくお願いします。
無理しない程度に事業展開して、LDのようにはなって欲しくない会社です。
創業した会社であるインテリジェンスを関連会社
化する方向のようですよ。
インテリと合併する学生援護会の株式取得や宇野
社長の持っているインテリ株買取りなどで、(イ
ンテリの株価が急落しなければ)600億円近い投資
になるはずです。