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さて、本日、総合小売のイオンが決算と同時にリストラ計画を発表しました。
まずは、産経新聞の記事より。
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◆イオン、総合スーパー100店舗リストラへ 2008.4.7 20:26
流通大手のイオンの岡田元也社長は7日、3カ年の中期経営計画の最終年度
となる平成22年度までに、「ジャスコ」「マイカル」など総合スーパー約100店を
閉鎖する方針を明らかにした。売却や食品スーパーなどへの転換を検討する。
積極出店やM&A(企業の合併・買収)を重ねた同社の総合スーパー店舗は約600に
膨れあがり、見直しが迫られていた。
岡田社長は決算発表の席上、「これからやらないといけないのは、
本体の総合スーパーの改革だ。難度はあるが、触らなければならない」との
決意を述べた。
20年2月期決算で、総合スーパー事業は主に地方の消費環境の悪化で、
既存店売上高が前年比0・4%減。衣料品在庫処分などで粗利益率も低下、
単体営業利益は5・5%減の317億円と不振が際立った。
自主企画商品を生産する機能会社の設立など、グループでの相乗効果を
追求してきた。だが、不採算店のリストラにいよいよ踏み込むことで、
規模拡大の追求から利益拡大の追求へと経営の転換を鮮明にする。
同社はまた、10年度の連結売上高目標を5兆8500億円超、営業利益目標を
2500億円とする中期経営計画を発表した。「保守的な数字」(岡田社長)とし、
米衣料品子会社タルボットの建て直しなどにより達成可能としている。
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(コメント)
●決算情報はこちらからどうぞ。
http://www.aeon.info/company/ir/kessan/index.html
●当社が上記のように判断した背景ですが、
GMS新店の創業赤字の金額が想定より大きく、
これを抑制するためにまずは出店を従来の半分程度にする。
既存店の平均年齢は10歳と比較的若いが、今後出店数を減らしていくと、
著名な小売企業がそうなったように既存店が急速に毀損するという「陥穽」に
落ちるおそれがある。
そこで今回、店舗リストラをして、既存店のブラッシュアップを図るという算段。
●GMS店舗数が純減すると言っていましたので、私はこれを「マイナス・イオン」戦略と名づけます。
安直ですけど。
この「マイナス・イオン」は当社の財務体質にとっては良いことではないでしょうか。
リストラと並行して、営業キャッシュフローの範囲に投資を抑えて、有利子負債を
むやみに増やさないですし。
一方、この「マイナス・イオン」、地元の競合相手にとっても、競合緩和という意味で福音を
もたらす可能性もあるのでしょう。
しかし、気をつけなくてはいけないことは、GMSの店舗は減らしますが、連結営業収益は
5.1兆円から5.8兆円へとまだまだ増やす、ということです。
海外展開によって需要を取り込むこともあるんでしょうが、記事にもあるように
「国内食品スーパーなどははまだまだ出すぞ!」という隠れた決意表明を
読み落としてはいけません。
●普通、我々がよく使う「マイナスイオン」。
マイナスのイオンはたしかに存在しますが、それが身体に良い、ということは
実は科学的・医学的に検証されていないということです。
コレと同じように、今回の「マイナス・イオン」戦略も実際に実行されないと
その本当の効能が関係者とって良いんだか悪いんだかよく判らないような気がしてきました。
・・・・・ていうか、中期経営計画の全体像が分かりずらい!
HPにも開示がされていないし(4/7 22:30現在)
もっと詳細な前提を開示して欲しいものです。