【記憶】
土星の人が
21惑星の扉の向こうで
放った言葉を思い出そうとするたび、
あれは言葉ではなく歌だったのかもしれない、
歌ではなく視線だったのかもしれない、
視線ではなく沈黙だったのかもしれない、
と、
気憶の雨粒は
小さく細かく
霧になり
霞になり
蒸気になり
細胞になり
海になり
波になっては
岸を打つ。
土星の人が
21惑星の扉の向こうで
放った言葉を思い出そうとするたび、
あれは言葉ではなく歌だったのかもしれない、
歌ではなく視線だったのかもしれない、
視線ではなく沈黙だったのかもしれない、
と、
気憶の雨粒は
小さく細かく
霧になり
霞になり
蒸気になり
細胞になり
海になり
波になっては
岸を打つ。