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flake50.白濁星

2019年05月14日 | 星玉帳-Star Flakes-
【白濁星】


明け方の霧は音もなく過ぎた夜を沈めてゆく。


ただ霧の底を見つめれば


一夜の幻も容易く水の一粒になるでしょう、


と霧の森に棲む白栗鼠は言う。


そうして標ない、霧かかる道の果てを、


彼は示す。


音のないこの森に深く身を任せることは


永遠の白濁なのですよ、


と飛び交う霧の粒を体に浴びながら。




flake50『白濁星』





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