白い顔
砂まみれになる海水浴場はもとより、古ぼけた市営プールで泳ぐくらいなら、図書館で本...
翼の王国
定期購読をしては止め、しては止め。ぼくはいつも、きみが短期連載している間だけの定...
待ち人近くにあり
夏祭。 おみくじを引く ----- 中吉。 「『待ち人近くにあり』だって」とイチ子が嬉...
日本語では書けないほど気恥ずかしいこと
いつだったかの梅雨明け頃のことだ。 神社のおみくじほどの大きさの細長いの版木をどこからか工面してくると、イチ子は、彫刻刀でそれに何やら彫り始めたようだった。 年賀...
夏休みは秒読み
六月最終週。定期考査。学校は午前中だけ。 「早く帰れるから嬉しい」とイチ子。 ...
四十三年前に観た映画の半券
結構、整理上手のつもりでいるからゴミみたいなものをコレクションすることはないのだ...
知らなかった
きのうのパーティーは、きみのママも楽しんでくれたみたいで安心したよ ----- ママも奇...
レア・チーズケーキとかヨーグルトに載せて食べると美味しそう
梅雨明け十日 ----- 日曜の昼下がりのことだ。 イチ子が派手な彩色の洋陶器のボウル...
フランクフルトまで
イチ子のフライト業務 ----- 昨日はフランクフルトまで。 「フランクフルトって、どこ...
夏の制服
梅雨明け十日の飾り立てた陽射しが、突然、午後の校庭で立ち止まる。 夏の制服が、いよいよ眩しい。 日向と日陰の狭間で、焼けたセメントの臭いの風がわずかに動く。 イチ...