8月20日
父が亡くなったあと、母は世田谷の家を手放し、鎌倉の稲村ヶ崎を見下ろす高台に引っ越...
丹波栗
丹波から栗が届いたとイチ子さんが笊にあけて見せた。 「今年も大きいね(ぼくのこの...
無花果
秋の夕暮れ。 イチ子さんが、庭の無花果の、まだ小さな実を摘まんで間引いていた。 ...
避けて通れないこと
さて、晩秋のいち日、ぼくとイチ子は喧嘩をしながら街を歩いていた ----- インディアン...
卵焼きは好きだけど
「でも、筆記具は右、お箸は左なんだ」ときみ。大体のことは、左右どちらでも出来ると言...
オリーブの午后
ぼくの部屋の本棚の一隅が、時折遊びに来る水口イチ子のために空けてある。 今、近寄...
なぜ、それっきりになっちゃったの?
「あなたって、それほど野球が好きってわけじゃないわよね」とイチ子。 「子供の頃はそん...
あるいは夏のココア・ビーチ
冬のドービル、あるいは夏のココア・ビーチ。 「シュナップスって、飲んだことある?...
日向のグラス越しに...
水口イチ子が、おやつ代わりにしようと、ポートサイドの市場で小さなフルーツトマトを買った。ミネラルは豊富だが、痩せた島の土壌が理由で大きくなれないのだとか。それと引き換えに...
値段は聞かないでおこう
横浜みなとみらいクイーンズタワー / ハード ロックカフェ。 大きな観覧車がそびえ...