きみの靴の中の砂

この秋は、ちょっと違ったものになっていたかもしれない

 

 

 同じバイト先の年上の大学生だった。

 連絡先も聞けないままサヨナラしたのは、腰越のビーチハウスでのアルバイト最後の日。

 わたしに少しだけ特別な言葉の用意があったら、この秋は、ちょっと違ったものになっていたかもしれない。

 夏の夕暮れ、恋する気持ちは夢見るような想いの中で、今日もまだ、寂しげにときめくのだった。

 

 

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