由比ヶ浜にあるこの古い家はエアコンがない時代の作りなので、夏の日中は家中の窓を開け放てば対流で自然に風が通る工夫が随所に施されている。大昔の木造小学校などと同じく各部屋、廊下の上下に小窓があり、冷たい空気が下の窓から入り、熱い空気は上の窓から屋外へ逃げて行く。日陰に水を打っておけば日向側に生じる上昇気流で風は殊更よく抜ける。
深夜1時を回ると、乾いた、実に快適な陸風が家の中を吹き抜けていく。
日中の海風、夜の陸風と、常に風が吹く立地だから、風の強い日は暴風・防砂を兼ねた生け垣の間を縫って砂は家の中に入り込む。これは宿命としてあきらめないとならない。
そんな自然現象は仕方ないとして、家の出入りの際の素足に付いた砂は、工夫で減らすことが出来る。上がり框と地面の二段にスノコを敷き、砂落としの厚手のマットを置いておくのが一般的だ。
ぞんざいな脱ぎ方をしたビーサンなどが散らかる玄関や縁先など、家の出入りによく使うところは、突然の来客があると赤面する。
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今朝は台所で、イチ子が古いポップスを聴いている。GO! GO! NIAGARAの中の一曲にメロディが似ているが、両方とも曲名が思い出せない。