世界をひとりで旅していると、いろんな国からの、やはり同じような旅人に出会います。
そんな時の会話といえば、概ね難しい話はせずに何とはなしの在り来たりの会話に終始するのが普通です。
日本で手近な外国語は英語ですが、欧州では大概、役に立つ近隣国の言葉を履修するので、むしろ英語を話す人が少ないのには驚かされます。そんなわけで、外国人同士、難しい話など出来ようもありません。
別れ際に『さようなら、お元気で』とは言っても『また会いましょう』とは言いません。別れたらその先、もう二度と会うことがないのをお互い知っているからに他なりません。
いつか切っ掛けでもあれば、彼の面影を、思い出に久しく求めるのかも知れませんが...。