きみの靴の中の砂

昨日の雨のいち日





 暖かい夜だ。南風が吹いているのだろう。

 『熱い紅茶を飲んで、フルーツを少し食べて、筆が二、三行進めば多少の嫌な気分は消え失せる』なんてエリック・ホッファーが日記に書いていたのを思い出したから、昨日の雨のいち日は家にこもって、そんな生活を模倣していた。もっとも、二、三行書けそうな気がしてきたのは、夜もだいぶ深まってのことだから、昼間の書けず仕舞いのモヤモヤした気分が大分尾を引いていたことになる。

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 明日は『パタゴニア』を読もう ----- 水銀柱が上昇しはじめる頃になると、毎年そう思わせる一冊ではあるのだが...。




伊豆田洋之 / ALGO


 

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