涙ぼろり

町で友達に会うと手を振って「元気？？どうしてる？？」とザッと近況を教えあう。
とにかく忙しい。

さっきずっと気にかけていた友達と車ですれ違った。
彼女の家は全壊。私がこの町に嫁にきてまだ友達もいなかったころ
「ちょっと家にあがってお茶でも飲まない？」と声をかけてくれた優しい人だ。
私に気づいて笑顔で手を振ってくれたが、車を運転していると涙が出てきた。
ジャスコの近くにある車両センターと小千谷中学校で、余剰支援物資を安く分けてくれるという。
彼女もその会場の駐車場に入るところだった。
船岡の下の避難勧告が出たあたりは、重機が何台もいて補修だか片付けだかに追われている。
半壊の家屋に雪が積もっているのを見たらまた涙が出てきた。
桜坂がちょうどかかっていた。
船岡公園の桜が満開の景色を今の雪景色に心の中でオーバーラップさせた。

お昼前、ボランティアさんが大勢でもちつきにきてくれた。
ハッとしたことがある。
住民のみんなの顔がすごく穏やかになったってこと。
地震の翌日と同じ光景なのに、みんなニコニコしながら
「あったかいね～」「こういうの　うれしいよね～」と談笑しながら食べていて嬉しくなってきた。

こどもたちはおもちをつかせてもらって楽しそうだった。
年配のボランティアさんがはたちくらいのボランティアさんに向かって
「そうじゃねーーって！もちつきっていうのはな・・」とウンチクをたれているのがまたほほえましかった。

20代くらいのお姉さんたちが子供たちのためにトトロの手作りのバッヂを作ってきてくれて
名前をマジックペンで書いて胸につけてくれた。

うれしい。こんなにしてもらって。
「元気だしてください」の気持ちがビンビン伝わってきて涙出る。

あ～～いそがしいくらいのほうがいいや～。
暇だと、ひとりだと、いろいろ考えちゃって泣き虫になっちゃうぜ。