DREAM-BALLOON

夢風船って
地球なのかな?って思ったりする...

ブログ開設から4000日!

46:自然観察パーク~建設~

2009-05-27 22:42:14 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 『そっかぁ。残念やね~。』
電話の向こうの真悟の反応は、予想外に普通だった。ウッチンの態度に度肝を抜いた僕は、帰宅後すぐに、真悟に電話をかけているのだ。真悟の反応に、僕は少し腹が立った。
「ゴリラ!?なんでそんな落ち着いちょん??」
『え?・・・おだちゃんとかと一緒かな。向いてないんなら無理して誘ってもしょうがない。』
そこなのだ。僕がわからなくなっているのは。“バードウォッチングは楽しければいい!”みたいな事を言ったのは、あんたじゃないか。それじゃぁ、鳥の名前を覚えられない人は、向いてないのだろうか・・・。頭の中で上手く整理が出来ない!ぼそっと呟く。
「僕も向いてないんかなぁ・・・。」

『そんな事無いと思うけど。』

 相変わらずそっけないが、真悟は自信のある否定をした気がした。ついつい受話器を見つめて問いかける。
「え?っちょ・・・それ、どういう・・・」
『そんな事よりさ!来週は、伊豆背自然観察パークに行かん?渡中さんが、ミヤコドリを発見したって新米君に会いたいらしいんよね。』
これほどまでにすんなりと話題を変えてくる所を見ると、ウッチンは残念。本気で、それ以上それ以下でもないらしい。次の話題が面白そうな事もあって、一先ず自分の悩みは忘れることにした。
「・・・うん。僕も行ってみたいよ。」
受話器の向こうで、真悟がガッツポーズをする。
『よっしゃ!それじゃまた詳しくは学校でね~。』
“ガチャ”
一方的に電話を切られた。今日はなんだか一日中、いろいろな人に振り回され続けている。

 ―1週間後、伊豆背自然観察パーク
観察パークの中心に設置されたビジターセンターの中で、お客さんの少なさに退屈している原口さんは、望遠鏡の手入れをしていた。ビジターセンターとは、来園者あ室内から鳥を観察出来る場所で、入り口の反対側の窓側には、多くの望遠鏡が並べられているのだ。
 この公園には、青服のレンジャーが、原口さんの他に3人いる。そのうちの1人は、ビジターセンターの事務室な中でコーヒーを飲んで一服していた。原口さんと同世代の女性。何度も時計を確認しては、2人の中学生がやって来るのを今か今かと待っている。そう。渡中さんだ。また1人の男性レンジャーは、窓から、干潟の杭の上で魚を食べるミサゴをじっと眺めている。歳は、原口さんたちよりかなり上のように見える。髪は白髪だ。
「今日はやけに念入りな手入れですね、原口さん。」
そう言って、最後の1人、まだ20代くらいの若い女性のレンジャーが、原口さんの方へ笑いかけながらやってきた。原口さんは、手を止め背筋を伸ばしながら答える。
「そりゃぁのぉ・・・。今日は、真悟君が友達を連れて来るって話じゃろうがや。やっと、バードウォッチングを気に入ってくれる人が見つかったらしいの。」
「いやぁ、本当に、よかったですね!そういえば!私が初めてここに来たときも、原口さんは望遠鏡の手入れをされてましたよね。まだ誰も使ってなくて新品だったのに。」
「もうここが出来てから4年かぁ。早いもんじゃのぉ。」
そう言うと原口さんは、また望遠鏡の手入れを始める。
「あっ!でも、原口さんはその結構前から、この施設の開園の為に奮闘されてたんですよね?」
「・・・まぁの。色々大変じゃった。」
“ふっ”
原口さんは、望遠鏡に被っているほこりを吹き飛ばす。

 ―5年前
開幕まで1年と迫り、完成に一歩一歩近づいていく伊豆背博の会場。その裏で影ながら、伊豆背自然観察パークの建設も始まった5年前。ある日、原口さんは伊背副知事に呼び出されていた。
「また、あのオヤジの憎たらしい嫌味を聞くハメになるのかのぉ。」
“コンコン”
そんな独り言を言いながら、副知事室のドアをノックする。
「入れ~。」
副知事のよく響く声。嫌々ながら、原口さんは扉を開く・・・。

45:疑問

2009-05-27 00:08:21 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 流石はバードウォッチング帰り!この日も、帰宅した僕のテンションは高かった。たくさんのカモを観察し、クサシギも見られた。そして、なんと言ってもミヤコドリ!!ついでにカワセミのおまけ付。メモ帳の鳥リストも、もうすぐ1ページ目がいっぱいになりそうだ。まだまだこれから冬本番。たくさんの冬鳥を観察するとしよう。
 父さんが久しぶりに早く帰ってきての、珍しく家族全員揃っての晩御飯は、その話題で持ちきりとなった。喋り続ける僕は、食事の時間がいつもの倍かかったほどだ。
「へぇ!そりゃ晃宏もしんちゃんも才能あるねぇ!へっへっひっひ。」
そう言って、なぜか父さんが得意気に笑う。名前は雅巳(まさみ)。ウッチンとは違うタイプだが、笑い方が面白い。息を吸いながら笑うのが特徴。最近は少しメタボ気味だ。褒めてくれるのは嬉しいが、真悟と僕を同じように褒めるとは、10年早い。
「お父さん!言っとくけど、ゴリラの知識は半端ないよ!僕なんか・・・まだまだやし。てか、鳥の名前もなかなか覚えられん。」
佳昭が口を挟む。
「ちゃんと覚えんと、しんちゃんに見捨てられるよ。」
佳昭の発言に、少しムッっとなる僕。仕返しだ。
「佳昭~。一番好きなキツツキは、何て名前やっけ?」
「え、えっとねぇ・・・。」
佳昭は苦笑いでごまかす。・・・勝ったな。
「晃宏!佳昭をいじめんのよ!それと、しんちゃんの事をゴリラって・・・ふふ、呼ぶのやめなさい。」
「お母さん・・・笑いながら言っても説得力ないよ。」
本当に、母さんは佳昭の味方ばかりで嫌になる。
 それはそうと、明日はウッチンとタツとオッキーにいい報告が出来るぞ。みんなが、おだちゃんのようにバードウォッチングに興味を無くしてなければだけど・・・。

 「・・・てな感じで、ミヤコドリっていうレア鳥見て、カワセミまでおったんよ!それと・・・おだちゃんも観察。」
次の日の部活終了後、僕はウッチン、タツ、オッキーの3人に得意気に語っていた。
「へ~!すげぇな!俺も見てぇわ、おだちゃんじゃなくてミヤコドリが。」
1番反応がよかったのはオッキーだった。僕は少し安心した。ソフトテニスだけにのめり込んで、バードウォッチングへの興味が消えた訳ではないようだからだ。タツもオッキーに続いて、感想を述べる。
「俺がおらんかった割には、上出来やな。」
タツも、いつものタツだ。・・・ウッチンは一人黙っている。
「ウッチンも、また今度一緒に行こうね。」
僕は明るく誘った。やっとウッチンが口を開く。

「俺は真悟やあっくんとは違う。向いてないんだよ、バードウォッチング。」

・・・え?
 タツがいつになく慌てて聞き返す。
「ど、どうしたんすか?確かに、昨日は俺とゲーセン行ったけどさっ・・・。また、バードウォッチングにも・・・」
遮って、ウッチンが怒鳴る。
「俺はさ!その・・・鳥の名前とか覚えられんし・・・。てか、タツもそっちの味方なんや。」
・・・ウッチン??僕は、何がなんだかわからない。オッキーも僕と顔を見合わせて、怖いくらい落ち着いて言う。
「おい・・・道打。言い過ぎじゃねぇか?」
その時、僕は真悟に言われた事を思い出した。
「そうそう!ゴリラが言いよったけど、バードウォッチングは楽しめればいいんよ。鳥の名前とか無理して覚えんでも・・・。てか、僕も覚えられん。」
しかし、ウッチンの態度は変わらなかった。
「・・・俺はゲーセン行く方が向いてんだよ。」
そう言って、ラケットとカバンを持ち、一人歩いて行く。誰も止められない。途中でウッチンが何か思ったように立ち止まって、振り返る。そして、僕に言った。

「楽しめればいいって言うけどさ、鳥の名前わからんかったら、結局は楽しくなくね?ギャハ。」

いつも通りのウッチンの笑い。でもそれは、いつもと違う、皮肉を込めた笑いだった。

 突然の嵐に、オッキーもポカンとしている。
「あいつ・・・どうしたんやろ?」
「ゲーセンがよっぽど好きなんやな。」
っとタツ。
「とにかく、俺と本井は暇ならバードウォッチング行くけ。どんどん誘って。」
「オッキー!?勝手に決め・・・」
慌てているタツを睨むオッキー。
「文句あるんか?」
「いや・・・行きます。行きたいです。・・・ゴリラにも伝えちょって。」
「・・・うん、わかった。」

 “鳥の名前わからんかったら、結局は楽しくなくね?”
ウッチンの言葉が頭をグルグル回る。確かに一理ある気がした。何が正しいのか、もはやよくわからない。1つの疑問が生まれた。

僕はバードウォッチングに向いてるのだろうか??

すくーる・ふぇすてぃばる♪

2009-05-23 23:28:57 | tama~HSV~

いま

文化祭に向けて

ものすごく頑張ってます

ベースの練習やったり

ダンスの練習やったり

試作を手伝ったり

めっちゃつかれるけど

めっちゃたのしい♪

 

文化祭

絶対成功させるぜ!

 

その前に

模試がんばんないと...

 

明日は

朝勉強して午後からは

久しぶりに7zip集合や!

ほんま楽しみ!

そんで練習終わったら

また勉強!

 

明日も充実した日になりますよーに。


X-JPN-W-T~無敵な夜~TOKYO GOLDEN

2009-05-11 20:25:17 | tama~HSV~

5/2

羽田に駐車場確保!

となりにポルポルくん(ポルシェね)

そんで

まず六本木行った

巨大蜘蛛

兄貴と♪

外国みてーだろ?

風と芝が気持ちいいぜ とかっこつけてみた

この2人マジかわいい! ってかここ日本?みたいな

虐待するシングルファザー  なーんてね

大自然を駆ける兄

宇宙メダカ

しゅーじと再会

ヒルズん中


後ろの絵 なんか好き

ヒルズからの景色 タワーが突き刺さってる


森美術館行ったんだけど
カメラ禁止だったから 六本木はこのへんで...

ここから

ドーム周辺と運命共同体との再会のようす♪

 

まずは原さん

攻撃続行中!

YOSHIKI様がデザインしたCAR+激細のレースクイーン ウエストやべぇ!


激カワのレースクイーン。 ちょいとエビちゃん似?でもないか... 


やべぇかわいいやろ? いっぱい撮っちまった

 

運命共同体!!! まだ少ないな 1時間後にはこの倍の数だ!

ちょいとしゃくれたコスプレさん 気合い入ってます

九州TEAM! みんな30代かなぁ... それでもこの気合い!

タイからのファン

気合い入ってます!

バックにつるの!

一番右の人 陸上部の糸○さんに似てるかも...

一緒に撮った♪ かっくいーぜ

気合い入ってるってより かわいい系のコスプレイヤー

Gacktさんから花束♪

石原社長(雅-miyavi-)からもごっつぁんです!


その他
ガゼット、アリス九號.、氣志團、東海林さんなどなどV系アーティストや
Xを愛する芸能人、TV局などからたくさんの花束が届いておりました♪

あ、
キティちゃんからもね

なんでキティちゃんから花がくるかというとね

YOSHIKI+kitty=yoshikittyでコラボしちゃったからなの

しかも このグッズ 即売り切れ。

グッズ売り場は6時間待ちだったので

あきらめました。

 

ほいで

ライヴ観て 大はしゃぎして 叫んで

まぁ

この辺の話は直接聞いて♪

 

で、

上野のカプセルホテルに泊まった

 

5/3

原宿行ってきたぁ

竹下通りヤバい! 修学旅行んときより10倍人おる

hide様のグッズが売ってある店「LEMONed SHOP」

一時間ぐらい待ってやっと入れた。

行ってないけど
最近オープンしたFOREVER21 行ってみたかったけど並びすぎで諦めた

並んだらきっと3~4時間待ちだろうな...

H&Mも行きたかったけど これまた並びすぎで断念

 

とにかく

人だらけだった

 

原宿駅なんか
修学旅行ん時は宇部新川駅の倍くらいの人しかおらんやったのに

電車降りてから駅出るまでに20~30分かかるそうです。

ちなみに俺達は隣の駅から歩いてきた。

 

まぁ

こんな感じで旅は終了!

詳しいことは

直接話すわぁ

 

つーことで

みんな忙しい時期だけど

がんばろうな!

 

あでゅ~♪


44:原点~再会~

2009-05-06 23:24:55 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 ―伊豆背博会場
夏休みの終わりも近づいたこの日、伊豆背博はついに最終日を迎えていた。パビリオンの並ぶ通りを、真っ青な服を着た、中年の夫婦にも見えなくはない二人組が歩いている。渡中さんと原口さんだ。もちろん夫婦ではない。
「いや~。暇な1ヶ月半じゃったのぉ。」
そう言いながら、向かってくるたくさんの人々を器用にかわす。
「最終日くらい、私たちも遊んでもいいじゃろ。」
渡中さんは上機嫌。原口さんは、俺はちょこちょこ遊びよったっと思ったが、そこは敢えて言わないでおくことにした。代わりに
「そりゃそうじゃ!しかし・・・タダで入場して遊べるんじゃから最高じゃのう!」
っと答える。
 真悟お気に入りの、環境問題のパビリオンの前に差し掛かった時だった。原口さんは、パビリオンの前に見覚えのある憎たらしい顔の男が立っているのに気付いた。足が止まる。
「・・・原口さん?」
「渡中さん・・・ちょっと先に行きよってくれんか。」
「はぁ・・・いいわよ。」
渡中さんが一人で歩いていくと同時に、原口さんはまっすぐその男の方へ向かう。そして、話しかけた。

「伊背副知事!」

いきなり話しかけられて少しびっくりしたのか、振り返るスピードが速い。
「おぉ・・・。君か。どうだったかね?少しはこの万博を利用して、客の数を増やせたかね?」
そう言って眼鏡を押し上げる伊背副知事。4年前とは違う眼鏡だ。少し爺臭くなった。副知事の挑発に、原口さんの言葉にも熱が入る。
「わしらは、そんな目的の為に広場の真ん中にいた訳ではありません!」
副知事が不気味に笑う。
「はっは。わかっとるよ。しかしだね、この埋立地の4分の1も、君たちに預けたんだ。それなりに客を集めて、伊豆背町に資金を入れてくれねば困るね。」
このままでは、またブチ切れそうな原口さんは、かまわず話題を変えた。
「今日はこんなとこで、何をなさっとるんですか?」
とたんに、強気だった副知事の顔が少し弱気になった。
「それなんだよ、原口君。君は、この伊豆背博の環境保護アピールの目玉がなんだったか覚えているかね?」
「はぁ・・・。確か、パビリオンの施設を公共の施設に再利用でしたね。個人的には納得いきませんが。」
続ける副知事。
「この施設だけがのぉ・・・まだ何になるか決まっとらんのじゃ。君に意見を求めるのはしゃくだが、何かいい案はないか?・・・今日はあの日と違って、植村君がおらんから無理かの。」
どうしてこの人は、これほど人を馬鹿にするのが上手いのだろう。次の選挙は絶対落ちる!そんな事を考えていた時、植村っという苗字を聞いて、植村真悟と、この間真悟が図鑑を借りにやってきた時言っていた言葉が頭に浮かんだ。

“図鑑ありがとうございます!・・・図書館とか近くにあったらいいのになぁ。”

「・・・図書館。・・・図書館なんてどうかの?」
「図書館?」
「そう。人と本との出合い・・・」

“なかなか、一緒にバードウオッチングするって友達がいないんです。”

「だけでなくて、人と人との出会いもあるような図書館が出来ると、伊豆背町はまた一段といい町になると思うんじゃが。」
副知事は、かなり悩んでいるようだ。大方、利益が出る施設ではないからだろう。やっと決心したらしい。
「よし!!君の意見でいこう!この、赤くて特徴的な形の屋根だ。町のシンボルになるぞ!!」
自分の意見が通った原口さん。渡中さんに負けず上機嫌になった。
「いよっ!流石副知事!それで・・・完成はいつ頃に・・・。」
「・・・4年後くらいかの。」
「ええんぇ~~っ!!それまでわしは図鑑なしか。」
ため息を吐く原口さん。藤村晃宏のバードウイオッチングとの出会いの本当の原点は、この日なのかもしれない・・・。

 ―不安田池
「あっくん!真悟!」
「・・・おぉ!」
「大丈夫?」
心配そうなおだちゃん。4年生の頃のことを思い出していたら、ついついボーっとしてしまった。・・・真悟もボーっとしていたようだ。なぜだろう。
「うん。なんでもない。」
「気にせんで。」
僕は(なぜか真悟もだが)明るく答える。
“ツィー ツィー”
鳥の鳴き声だ!!かなりか細い声で、今まで聞いたことがない・・・と思う。
“ツィー ツィー ツィィー”
飛びながら鳴いているのだろうか。鳴き声が少しずつ大きくなる!
「真悟!?」
「うん!この鳴き声は・・・来るよ!」
真悟が、左側の木と水面の境目あたりを指差す。次の瞬間!!オレンジ色の塊が、一直線に鳴きながら、3人の目の前を飛んでいく。羽ばたきが早く、羽が見えないほど。でも・・・かすかにわかる。コバルトブルーの羽だ!!頭や背も青い。“渓流の宝石”の名にふさわしく、とても美しい。

「・・・カワセミ?」

「そう!最近見てなかったけど、やっぱ綺麗やね!」
おだちゃんは、口を閉めるのも忘れて、蚊の鳴くような声で一言。
「・・・生きちょる。」
おだちゃんならではの反応に僕は笑う。
 思い返すと、生きてないカワセミを見た4年前とは、状況も考え方も随分と変わった。でもそれは、悪い変化だとは思わない。また少し大人(母さん!?)に近づいて、自然と触れ合うことの素晴らしさに気付いたのだから。

43:原点~別の道~

2009-05-06 00:54:15 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 ―植村家
夏休みに入ってしばらくたったある日、植村真悟家の電話が鳴り響いた。元・天ちゃんが、2階の真悟を大声で呼ぶ。
「しんちゃ~ん!渡中さんから電話。」
 何度か伊豆背自然観察パークへ遊びにいくうちに、真悟はレンジャーのみなさん、特に渡中さんと仲良くなり、たまに電話をするほどになっていた。レンジャー側にも、バードウオッチャーの卵を逃したくないという思いがある。
「はい・・・もしもし。」
『あら!?真悟君!?なんか元気ないよ~。大丈夫かね!?』
渡中さんの方は、相変わらず異常にテンションが高いが大丈夫だろうか。真悟は少し間をあけて答える。
「いや・・・言われた通り、友達にバードウオッチングしないかって誘ってみたんですけど・・・みんな興味ないみたいで。」
『あら・・・残念じゃねぇ。』
残念の真意の半分は、もちろん真悟への哀れみだが、もう半分は、そう都合よくバードウオッチャーが増えないないという、レンジャー目線の残念だ。
『だけど・・・』
渡中さんが続ける。
『あせって見つけんでもいいんじゃないかね?』
「え?」

『私はきっといつか、心からバードウオッチングが好きな友達が現れると思うよ。』

真悟の気持ちは、なんだか少し明るくなった。
「・・・そっかぁ。それまで待と!それと渡中さん、お願いがあるんですけど。」
『ん?何?』
「鳥の図鑑を貸してほしいです。」
『あっ!そうか。真悟くんまだ持ってなかったね。・・・ちょっと待って。』
何やら、渡中さんは電話の向こうで誰かと会話しているらしい。
『もしも~し。おまたせ。原口さんがねぇ、貸してくれるって。』
真悟が飛び上って喜ぶ。
「うわっ!やったぁ。今日借りに行ってもいいですか??」
『どうぞ。どうぞ。今日は珍しい鳥・・・私たちはレア鳥って呼ぶんだけど・・・出るかもしれんよ!』
「え?なんで?」

『ふふふ。昨日が大雨だったから。』

 ―藤村家
「たっだいまぁ!」
この頃の僕にしては珍しく、友達と遊んだ後なのに楽しく帰宅した。母さんが出迎える。少し慌てているようだ。
「お帰り。忘れちょったい~ね。昨日大雨やったのに、川に魚採りに行かせてしまった。水かさ増えちょったじゃろ?大丈夫じゃった?」
「うん!おだちゃんが滑って2回こけたくらい!」
母さんが呆れる。
「あんたねぇ・・・。おだちゃんは大丈夫なんじゃね?でも・・・魚は採れんかったじゃろ?」
今日はやけに質問が多い。確かに魚は採れる状況ではなかった。しかし、今日の2人にとってそんな事はもうどうでもよかったのだ。だってこの日は・・・

他でもない、カワセミの死体を見つけた日だったのだから。

 僕はテンションを上げて、母さんに今日の出来事を話した。結果はやっぱり同じ反応だ。
「え~!!こんな所にカワセミがおるの!?信じられんねぇ・・・。」
あんた、他の鳥なんじゃないの?っという鋭い眼光が僕に向けられる。間違ってないし・・・多分。っと思いながらも、慌てて話題をそらす。
「そういえばね。おだちゃんが言いよったけど、最近、学校にバードウオッチングしよる人がおるんて。誰かは忘れたらしいけど。」
母さんの鋭い疑いの目が、輝きに変わる。
「まぁ!なんて素敵な趣味!あんたも、ゲームがほしいとか言ってないで、そういう人と仲良くなりなさい。」
「・・・。」
この話題を出したのは失敗だったなっと僕は思った。確かに、バードウオッチングは面白いかもしれない。でも、そんな考えと同時に、僕の頭には、昼休みにデジモンごっこではしゃぐ、僕、タツ、ウッチンたちの姿があった。みんなと学校以外でも仲良くしたい。ゲームがあれば、みんなの遊びに追いつける!母さんの思い通りにはならない!!小学4年生の小さな頭で考えた結果の、結論はそこだった。

「・・・やだよ。バードウオッチングなんか。」

 僕と真悟の道が繋がるまでには、まだあと4年という長い月日が横たわっていたのだ。

強行突破!!!

2009-05-04 21:07:35 | tama~HSV~

5月2日

書ききれないくらい重い日になった。

ここでは言えないことたくさんあった。

だから

少しずつ 少しずつ

みんなに話して勇気をもらおうかな...。

 

生まれた意味、今を生きる意味を問いかけて

純粋に強行突破!

今の俺にはそれしかない!


やってみたYO

2009-05-03 23:29:11 | singon~HSV~

でもなんか

もともと自由人なのは知っちょったとか
会うたびに新しい手品みせるなとか
もうちょい空気読めたらなぁとか
机からブラジャーがでるとか

あんま合ってなかった~     くない?

んんあっくんのはわかる
すごいねぇなかなか
おもしろかったこれは

 

んで
今日は塩じいちゃんの補習にいってきた
2回目なんやけど、
やばい
わかりやすすぎる!!!!
っとおもってこないだクラスの人らに言ったら
Kねこが行こっかなーって言いよったけ
いっしょに申し込みに行った
あいつ去年見た限りでは特に意見もなく特にやる気もない
特に魅力もない って感じかとおもっちょったけど
どうも最近かなりおもしろいよ~
結構やる気あるし意見あるし個性あるわぁ
なんか申し訳ない
やっぱやる気ある人は魅力あるんやね
なんというか
本気がみえんってかいっしょにがんばれそうにない人はおってもつまらん
とはいっても受験は団体戦やから
みんな早くええ雰囲気になったらええな~
とりあえず今はがんばっちょる人とおりたいわ
勉強だけやなく まぁそろそろメイン勉強やけど

塩じいちゃんのはほんとおすすめ
ばりばりわかる
予備校的な方法ならえるよ
わかりやすいし
ちなみに今回もべつに塩Gのまわし者ではない(笑)

あ゛~
いけん勉強のことしかかいてない
まぁ珍しく夜遅くかいたけ頭も固くなったんやろ
おやすみなさいまし


42:原点~一人ぼっち~

2009-05-03 22:49:40 | ★DAILYLIFE★(acco小説)
 ―不安田池
「っとまぁ、こんな感じかな。」
真悟は、少し照れくさそうに話を終えた。
「ほへぇ~・・・。」
僕の相槌がぎこちないのは、それだけ真悟の話に聞き入っていたからだ。・・・うん?まてよ。
「ねぇゴリラ、この話とおだちゃんってなんの関係があったん?」
「あぁ、それはこの後・・・」
「昔の事はもうええっちゃ!!」
やけに焦って、おだちゃんが割って入る。釣竿の先が目を突きそうで危ないから、暴れるのはやめてほしい。おだちゃんをなだめながら、少し寂しそうな顔をする真悟。
「でもそうよね。もうあれも4年前かぁ・・・。」
4年前・・・。ふと、僕はさっき見た一羽ぼっちのミヤコドリを思い出す。正確には、“僕も”・・・なのだが。

 ―小4、夏休み前終業式
蒸し暑い体育館での、校長先生のつまらない話がやっと終わった。6年生のリコーダーや、ピアニカの合奏に合わせて1年生から退場する。僕たちの小学校は、伝統的に音楽に力を入れているのだ。今日の合奏も相変わらす素晴らしい。外は新鮮な空気が満ちていた。そして、やっと声が出せる!早速、クラスメイトの一人が声をかけて来た。その体型のせいか、彼の真っ赤な顔からは汗が流れている。そう。幼き日(?)の道打洋介だ。
「あっくんは、もう伊豆背博行ったん?」
そういえば!1週間前に開幕したんだっけ?少し興味を持った僕は、ウッチンと一緒に、教室に戻る生徒の列からはずれる。
「ううん。まだ行ってないよ。」
「ぎゃは!俺もまだなんよ。でも噂によるとね、パビ・・・なんとかってのがいっぱいあって、楽しいらしいよ。でも、広場の真ん中の奴はつまらんって。あと、俺みたいな体型の泥棒が出るとか!!ぎゃはは!!」
笑い方は、今と相変わらずだ。自虐ネタは得意分野らしい。
「へ~!なんかよくわからんけど楽しそう。」
 「お!ウッチンとあっくん発見!」
廊下の向こうから、生徒の流れに逆らって本井タツがやってきた。ジャンプで進みながら、両手を振り回している。正直キモいその動きに、男女問わずみんなが一歩引く。僕は結構、そのバカさが好きだ。タツはウッチンに用事があって来たらしい。
「今日さぁ!ウッチン午後、暇?もし暇なら一緒に遊ぼうや。」
「おう!暇よ。」
あっ!僕も午後は暇だ。
「僕も入れて~や。」
 その瞬間、空気が変わった。ウッチンとタツが顔を見合わせて黙り込む。最近、頻繁に起こる状況だった。二人が喋らないから、僕が小さな声で呟く。
「今日も・・・ゲームするん?」
タツが申し訳なさ気に答える。
「うん。・・・あっくん、天気のいい日は外で遊べって言われるんやろ?」
僕は慌てて反論する。
「あっ!でも、それは母さんに内緒にすれば・・・」
「あのさぁ!」
ウッチンが、大きな声で口を挟む。
「あっくんって、ゲーム下手じゃん。じゃけぇ、あっくん、楽しくないやろ?」
「家にゲームないからしょうがない。それに・・・」

「正直言うと!俺らも、あっくんと遊んだって楽しくないしね。」

タツは僕に向かって、きっぱりとそう言った。僕はもう何も言い返せない。
「・・・悪い。それじゃぁ。」
ただ、二人が楽しそうに教室の方に戻っていくのをじっっと見ていた。いつの間にか、周りには誰もいなかった。

 その頃、教室では真悟とおだちゃんが話をしていた。真悟は1週間前にバードウオッチングと出会って以来、すっかりその魅力に取り付かれていた。伊豆背自然観察パークも、レンジャーとの約束通り、休み前の短縮授業を利用して訪れたらしい。
「そうそう!俺最近、バードウオッチング始めたんじゃぁ!」
「・・・へぇ・・・。」
おだちゃんの反応は、いつもにも増して薄い。真悟も自然と元気がなくなる。
「・・・やっぱ、興味ないかぁ。」
 この1週間、真悟は一緒にバードウオッチングをしてくれる人を探していた。しかし、小4というこの時期だ。やはり、みんなゲームやカードに夢中。バードウオッチングなんていう訳のわからないことを、やってみよう!っという生徒を探し出すのは、そうとう難しいことだ。真悟は珍しいことに、僕と同じくゲームやカードに縁のない生活を送っていた。
「俺は・・・釣りだけで十分やけ。俺が言うのもあれやけどさ・・・」
あの(釣りテンションを除いて)決断力のないおだちゃんが、ズバッっと言いきる。

「バードウオッチングなんて、やるっていう人おらんと思うよ。」

 僕と真悟は、心に同じような小さな傷を負った。そして、別の場所で同じことを考えている。

“結局、自分は一人ぼっちだ”