5回を投げ終えた楽天・岩隈は、再びマウンドに戻らなかった。ここまで和田のソロ本塁打による1安打に抑えていた。自身の3連敗を止め、チームに2度目の連勝をもたらすはずの登板は、突然暗転した。
一回、フェルナンデスの打席で右肩に「引っ掛かったような感じ」を覚えたという。5回を投げたが、本人が田尾監督に降板を直訴した。降板後は病院へは行かず、通常のアイシング処置だけで済ませた。
エースの突然の降板に、理由が分からない本拠地のファンがざわめいた。しかし、急きょリリーフした2番手の有銘以降、リリーフ陣が懸命の継投で、ざわめきを歓声に変えた。
三回以降は、ともに追加点が奪えないまま1対1で延長戦に入った。楽天にとっては、九回以降はチーム初のサヨナラ勝ちのチャンスだったが、打線が振るわなかった。
結局、延長十一回に山村がつかまり、3点を勝ち越された。連敗を止めた矢先のエースのアクシデントだった。舞台裏では、コーチ陣の入れ替え人事が行われるなど、チームにとっては出直しを誓った矢先の敗戦だ。
試合後の田尾監督は「(岩隈は)肩に違和感があるということでちょっと心配です。なんとかいいゲームじゃなくて勝ちゲームをファンに見せたかった」と悔しさをかみ殺した。
岩隈の次回登板は「予定通り」(兼崎コンディショニング担当)だという。しかし、今の岩隈に安心して試合を託せたかつてのオーラはない。
岩隈アクシデント 乗れぬ楽天
楽天の大エースのはずの岩隈の最近の調子が良くなかったが、やはり以前から肩に違和感があり、開幕当初の勢いがなかったのかもしれない。これで岩隈が先発ローテーションから外れるような事があると、楽天の今シーズンはますます厳しいペナントレースになりそうだ。