定期船当番日の朝
暖かく凪いでいる
梅に
水仙に 見ている此方はニコリとしてしまう
暖かさに誘われて裏山に出掛けた 水仙は満開だろうと。
あちこちから水仙が顔を出して仄かな香りが漂ってくる。
足を踏み出す先に水仙が顔を覗かせて着地に気を付けながらヨロケテイル。
まだ若いと言っていたが 見られたく無い姿に思わず苦笑いしている。
眺める海は穏やかで操船は目を瞑っていても大丈夫と言う夫は相変わらず炬燵の守をしている。
食べ頃の伊予柑が色付いて「取ろうよ」と言っても全くその気は無く
今年も又自然に任せてしまうのか。
伊予柑の木は義父母が植えていた。半世紀は経つだろう。
嫁いで数年後地中海ミバエという蜜柑に寄生する害虫が異常発生し瞬く間に広がっていった。
蜜柑の木1本残らず伐採するという蜜柑農家にとっては死活問題だっただろうが
自家消費用に植えていた蜜柑の木も全て伐採という憂き目に遭った。
しかし皮の厚い伊予柑や橙などには被害が観られなかったようだ。
以来海辺の町の人達は蜜柑を植えなくなった。
「矢っ張り蜜柑植えたいね~」と10数年前様々な品種を10数本植えた。
2~3年は収穫出来たが集落の一番上に植えたため手入れが行き届かず
イノシシやハクビシンの異常繁殖が追い打ちをかけてしまった。
水仙を一握り手折って自前の花器に活けている。