・カサカサ肌Rough skin/Dry skin かさかさはだ
これからの季節、気温が低くなると毛細血管が収縮し血行が悪くなります。新陳代謝の低下が見られ、肌の代謝機能も低下してきます。また外気の湿度が低いことから肌の水分が奪われてしまいがちです。汗、皮脂は、肌を乾燥から守る働きがあるのですが、新陳代謝の低下によって、その分泌も低下しているようです。
老化・加齢で、脂腺や汗腺の働きが衰え皮脂・汗の分泌量が減少して皮脂膜ができにくく、皮膚が薄くなってきます。肌の水分保持に必要な細胞間脂質の産生が減少することなどで角質のターンオーバー(新陳代謝)が遅くなります。古い角質で水分保持がスムーズに保てなくなることにより、乾燥肌を引き起こしやすいようです。
特に外気が乾燥する冬の時期に、とくに高齢者では膝から下に症状が顕著にみられ、かゆみを伴うこともあります。加齢が進むと乾燥とかゆみなどと共に、しわやたるみなども引き起こします。これは肌表面の水分が減少し皮膚のハリや弾力がなくなることによります。
スネ(膝から踝【くるぶし】まで)は、皮脂の分泌が少なく乾燥しやすいといいます。膝下 (ひざした)は血行不良が起こりやすく、水分が十分行き渡らずに乾燥が起こりやすくなるというのです。
暖房による空気の乾燥・室内外の温度差・肌の洗い過ぎ・寝不足・喫煙・ストレス・更年期などでホルモンの調節がうまくいかないことなどにもよります。
気温が低くなる冬は飽和水蒸気量が少なくなり、空気中の水分は減少しますので冬季の最適湿度を60%から75%ととしています。
睡眠不足・喫煙・ストレス・更年期で成長ホルモンの分泌が不足しやすくなりターンオーバー(新陳代謝)が遅れ、角質が排出されにくく肌がざらざらしてきます。睡眠中に栄養を肌に補給し、老廃物を排出することにより新しい細胞がつくられます。
肌の表面は、外側の皮脂膜によって潤いを保ち、その下には角質層という細胞の層があります。皮脂膜が取り除かれたり角質層の水分が不足して厚くなり、皮脂の分泌が低下することにより粉を吹いたようなかさかさした、乾燥肌になるのです。
刺激物質、アレルゲンの侵入を招きやすく神経を刺激し痒み、痛みを伴ない炎症が起きやすい状態に陥(おちい)ります。
皮脂膜、角質層によって、バリア機能が働いてアレルゲンとなる物質、細菌、微生物の侵入を防いでいるのです。
皮膚の表面を清潔にして水分補給し、水分の保持、水分の蒸発を抑制することが必要です。お風呂上りに皮膚の保湿対策をおこないましょう。ワセリンVaselineは非結晶性の固体炭化水素・ パラフィンおよび脂環式炭化水素には保湿作用があります。
栄養バランスの悪い食生活が続くと、免疫力の低下などにより回復力の衰えがみられます。
タンパク質の代謝は、脱アミノ反応で遊離したアミノ基は、ふたたびアミノ酸を形成したり尿素として排泄しています。窒素(N原子部分)は、最終産物として尿素、尿酸、クレアチニン、アンモンニアなどとなって腎臓から尿中に排出します。
尿素は、水分を取りこみ痒みを抑制し保湿作用を有し皮膚の乾燥肌荒れを改善します。
角質層は、角質細胞と細胞の間を埋めている細胞間脂質から成り立って角質細胞はアミノ酸などの天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)で満たされ、細胞間脂質はコレステロール25%、セラミド50%や脂肪酸10~20%などとしています。
肌のバリア機能を守ることが何より大切で肌内部の水分・脂質などで、潤いのある肌を保つことができます。
スネ(膝下)も顔と同じように化粧水で保湿し、ボディクリームやワセリンを塗るとより乾燥を防げるでしょう。
カサカサ肌、乾燥肌に良いといわれている張りのある肌に主に必要な栄養素・食品は、
タンパク質(大豆、魚、卵、蓄鶏肉類)・コラーゲン・エラスチン(コラーゲンに似たアミノ酸だけからなるアルブミノイドAlbuminoid)・ヒアルロン酸(アミノ糖)、グルコサミン(アミノ糖)・ビタミンA(人参)・B群(B1【豆類・肉類】、B2【緑黄色野菜】、ビタミンE(抗酸化作用 )、パントテン酸【人での欠乏症はあまり知られていない】、ビオチン【青魚】)・C(ブロッコリー)・ニガリ(保湿作用)・コレステロール(保湿作用)などです。
ミネラルとして亜鉛[牡蠣]・セレン[動物性食品]の類が挙げられていますが、特定の食品に片寄るのではなく、第一に栄養バランスの取れた食事として免疫力を高めておくことを心がけることが大切で重要と言えるでしょう。
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