・塩 Salt しお
最近では、店頭に世界中の塩が集まり、食材によっていろいろと使い分けている人もいるようです。日本で作られている塩の大半は化学合成されていますが、自然塩の人気があり、再び海水より作られる塩が登場しています。
海外からは、岩塩、塩湖水または塩井塩(しおいえん・えんいえん)を原料として生産した塩が輸入され海水と違い、原水の成分は採取地により大きく異なります。
地中に天然に存在する塩で岩塩、土塩があります。土塩は土が混じっているので、再生しているようです。一般に塩化ナトリウムの純度は高いとしています。
種類として海塩・岩塩・湖塩(こえん)「オーストラリア、デボラ湖」「ボリビア、ウユニ湖」「イスラエル、死海」・土塩「中国山西省北部」・泉塩(せんえん:温泉で湧き出た塩湯、塩水から作られた塩)・井塩(塩濃度の高い地層水[井戸水]から製塩)があります。
*食塩Common salt しょくえん
多くが岩塩、海水(3%)より産出している。日本では、農耕の始まった弥生式時代より海水より結晶塩を取るようになったとされている。現在では食塩の85%近くを輸入に頼っている。また国内では、1972年ごろよりイオン交換膜法によりコスト削減が図られ製造している。
海水では、塩が先に結晶、苦汁(にがり)がまだ液中にあることを利用してにがりの少ない食塩ができる。最近では旨みがあるとして、Mgが多く、Caのすくない方がよく原塩に近いものが出回っている。苦味の元塩化マグネシュウムは、焼き塩にすることにより水に不溶の酸化マグネシュウムに変化し苦味とし感じなくなる。
10%程度の食塩濃度で食品の長期保存することができ防腐作用がある。寒剤としてNaCl:氷=1:3で-21℃付近まで温度を下げることができる。
ヌメリや汚れ落としに、貝の砂出し、青菜を茹でるとき色を出す、ゆで卵を作るとき、沸騰した湯に塩を入れると、たん白質を固める作用があり卵にひびが入っても流れ出ない。じゃが芋、りんごなどの変色を防ぐのに薄い食塩水に浸しておくと褐変が防げる。
塩の味として 鹹味(かんみ:塩味)・ 苦味塩・甘味塩・酸味塩・美味塩があり 主に調味、食卓用、漬物、醤油、味噌、水産・肉類の加工などに使われている。
食卓塩では、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシュウムを1%混合、コーティングして防湿とさらさらした感じを与えている。ナトリウム量が問題視されているところから食品に含まれる量を食塩に換算(ナトリウム×2.54=食塩)して目標値の10g以下の摂取を進め、これを食塩相当量として表す。
*岩塩Rock salt がんえん
太古に海であったところが地殻変動により埋没し鉱脈となって存在したもので、世界の塩の2/3は、岩塩といわれる。100%近いNaCl(塩化ナトリウム)の岩塩もあり東ドイツで掘り出される。日本では産出されていない。
ドイツ、アメリカ、フランス、ソ連、中国に多く採掘され岩塩は、一般に活発な火山の近くの海底が噴火し噴出してくる重金属の異物を含み乾式採鉱法、溶解採鉱法によって採取され一旦(いったん)水で溶解させ有害な重金属を取り除く為に溶解、再結晶化が繰り返して製造する。
岩塩は、ドイツで肉料理、加工に、日本では溶けにくく旨みを引き出すとしてにぎり寿司、刺身に用いられたりしている。美容、消臭、疲労回復、皮膚疾患に有効ともいわれ、足浴に利用される。
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