・ビタミンK:Vitamin K びたみんけー
1929年ダム(デンマーク)によって、ヒナの人工飼育に皮下出血がみられレモン汁などのビタミンCを与えても回復しない事から未知のビタミンの存在を考えその予防因子にビタミンKと名づけている。ドイツ語の凝固(koagulation)が名前の由来とされる。1939年にカラーによって動物飼料のアルファルファより結晶として取り出された。食物からの摂取と腸内細菌によって合成され殆ど欠乏することはなく緑黄色野菜に多く含まれる。植物の葉緑体でビタミンKが生産される。 血液凝固に関与し骨に含まれ、オステオカルシンOsteocalcin(骨タンパク質)の生成に関与する。 K1(フェロキノン Phylloquinone)、K2(メナキノンMenaquinone)は天然に存在、納豆に多いビタミンK2は、特に骨量、疼痛(とうつう)改善し、関節症、骨粗鬆症予防によい。天然に存在しないK3(メナジオンMenadion)は防腐作用があり防腐剤にも利用され人体では使われていない。脂溶性、熱には安定性を示し、光・アルカリで分解しやすい。血液凝固に必要なプロトロンビンProthrombin を肝臓でつくるときにビタミンKが必要とされる。タンパク質からのグルタミン酸をγーカルボキシグルタミン酸に変換する時の補酵素として血液凝固因子がカルシウムと結合できるようになり血液凝固作用とし働いている。
緑黄色野菜に特に多く大豆類、海藻類、油脂類に多く含む。肉・魚介類、果物、きのこにはほとんど含まない。一般に不足することは少ないが、抗生物質の服用により腸内細菌の減少、脂肪の吸収障害、肝疾患により不足することがある。不足すると出血、骨粗鬆症、腎炎、妊娠性乳腫、新生児の出血性疾患になりやすい。
過剰症として肝臓障害、吐き気、おう吐、呼吸困難、胸、背中の痛み、貧血、血圧低下がある。ビタミンK1及びK2は、大量に与えられた時でも毒性がないことが報告されているが、合成品であるK3を幼児に5㎎/日以上の量で与えると、溶血性貧血、高ビリルビン血症、核黄疸、肝機能障害を生じる。成人の目安量 60~75μg、上限量は定まっていないがおおむね許容上限摂取量30,000μg(30mg)ともいわれる。 100g中で納豆870μg、ほうれん草270μg、春菊250μg、生ワカメ140μg、大豆油210μg含む。
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