・魚醤Fish sauce ぎょしょう
魚醤油(うおしょうゆ)ともいう。特有の旨み、臭気があり魚介類に食塩を加え腐敗を防ぎ酵素を働かせ1年以上かけ発酵させてその上澄みを取り製造する。発酵を早めたり、旨みをよりよくするのに麹をいれることもある。
大昔縄文、弥生時代より肉醤(ししびしお)、魚醤(うおびしお)、穀醤(こくびしお)、草醤(くさびしお)の塩辛、漬物の類があったと思われ、その後中国、朝鮮半島を経て奈良時代8世紀には、穀類(大豆、小麦、米)より穀醤(こくびしお:醤油の原型といわれる)の生産が盛んに行われたという。
穀類の持ち運び、保存性に便利で、収量が多かったことから発展していったが、魚醤は生物で地域性の高いものとなっていったと思われる。
近年1990年代に入ってエスニックブームで、旨みの強い魚醤が人気を呼んで中国、東南アジアからの輸入が増加傾向にある。ペプチド、アミノ酸にまで分解しているので旨みがある。塩分が強いことから調味料とし主に魚料理の炒め物、隠し味、煮物、佃煮に利用する。
主な日本の魚醤は秋田のしょっつる、能登のいしる((いしり・ 魚汁:イカの内臓)、香川のいかなご醤油で日本三大魚醤と称する。最近では北海道で鮭、ホッケを使い原料にして最大の魚醤産地となる。
魚露(ゆいるぅ):中国で塩漬けの小魚を発酵、熟成、魚香(ゆーしゃん):中国(四川)魚を発酵させニンニク、辛子で調味してあり甘辛い。
ニョクマム:鯵・鰯・サバ・きびなご・しらすの小魚(ベトナム)、
ナンプラ:カタクチイワシの小魚とその内臓(タイ)、
パティス:フィリピン、シュリンプペースト:マレーシアでエビを原料とする。
タッタライ:カンポジアなどがあり、材料、製造方法は似かよっている。かき、はまぐり、あさり醤油などでも製造する。