・調整粉乳Formulated milk powder ちょうせいふんにゅう
牛乳をベースとして人乳(ウシより成長の遅い、人に合わせたもの)に最も近いかたちで乳幼児に必要な栄養素である乳糖(β-乳糖、平衡乳糖にして割合を増やす)蛋白質(割合を少なくしソフト化)、脂肪、ミネラル(割合を少なくする)などを調整してつくられ濃縮、乾燥させ粉末としたもの。母乳の代替えとして使用できる粉乳をいう。
牛乳のカード(凝固物)は、人乳のカードに比べ硬い。人乳は、カゼイン(たん白質)の含む量が牛乳の1/3(たん白質人乳1.1g、牛乳3.3g/100g)と少なくカードは、軟らかくふわふわして吸収がよい。
母乳の代わりに牛乳を利用する場合、人乳に近いものにしなければならない。カードのソフト化が色々な方法でおこなわれ牛乳を加熱することにより可溶性カルシュウムを不溶化、イオン交換樹脂でカルシュウムの除去、たん白質組成の調整、均質化などによりソフトカード化する。
製造業者各社により多少の変動があるが一般に100g中でエネルギー500Kcal たんぱく質12g 脂肪25g 炭水化物55g ナトリウム150mg カリウム500mg カルシュウム350mg マグネシュウム40mg リン200mg 鉄6mg 亜鉛2.7mg 銅0.32mg マンガン0.05mg ビタミンA550μg ビタミンD9μg ビタミンE2.5mg ビタミンK20μg ビタミンB1:0.3mg ビタミンB2:0.5mg ナイアシン5mg ビタミンB6:0.3mg ビタミンB12:1.5μg 葉酸50μg パントテン酸2mg ビタミンC45mg程度含む。
最近の製品の中にはタウリン(エネルギー代謝に関与)、リン脂質、コリン、α-リノレン酸、DHA(神経伝達機能調節の合成に関与)、オリゴ糖(整腸作用)を加えたもの、さらにビオチンは、調整粉乳での乳児不足しがちな成分であり、アトピー性皮膚炎を起こすとされるヒスタミンを抑える働きがあることを解明し、ヨウ素(成長促進作用)などを加え強化する傾向にある。
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