・体力の源Source of physical fitness たいりょくのみなもと
長距離を飛ぶ渡り鳥や回遊魚の体力の源となっているのはイミダペプチドImidapeptideといわれます。渡り鳥の胸の筋肉や、鰹、鮪等の回遊魚の筋肉などに多く含み、どちらも長時間動かし続ける筋肉に大量に含まれていることから、それらの「持久力」の源としての研究がおこなわれていました。 イミダペプチドにはおもにカルノシンCarnosineとアンセリンAnserineが、ほかにバレニンBalenineがあります。
イミダペプチドは別名でイミダゾールジペプチドImidazolepeptideとも呼ばれ、カルノシンではβ-アラニンと ヒスチジンβ-alany1-L-histindine、アンセリンではβ-アラニンとl-メチルヒスチジンβ-alany1-1-methy1-L-histindineという2つのアミノ酸が結合してできた成分です。バレニンは、ヒスチジンとβアラニンが結合した物質です。
生理作用としてはカルシウムの体内輸送をします。さらに疲労の予防をするだけでなく、疲労回復力を高めると考えられています。そして、そのイミダペプチドの分子の中にある「イミダゾール基」と呼ばれる部分が抗酸化作用を持つとしています。食肉においては鳥胸肉100g(1000mg=1gのイミダペプチド)が牛肉や豚肉に比べて2~3倍も含んでいることが知られます。鶏胸肉100gを1週間食べ続け疲労回復効果が得られるといいます。
イミダゾールジペプチドとしては「カルノシン」と「アンセリン」の2種類がよく知られます。ちなみにカルノシンは渡り鳥に多く含み、アンセリンは回遊魚(ビンナガ:カルノシン5㎎・アンセリン900㎎・バレニンー㎎/100g、メバチ:カルノシン5㎎・アンセリン1000㎎・バレニンー㎎/100g))に多く含む傾向です。
1962年の研究から「第3のイミダゾールジペプチドと」して「バレニンBalenine」という抗酸化成分を発見しています。これは長時間絶食状態で、しかも不眠不休の状態でも生体を維持できるクジラから発見した成分です。
イミダゾールジペプチドの中でも、アンセリンはマグロやカツオなどの高度回遊魚の筋肉に多く含みますが、バレニンはこれらの回遊魚、鳥にはほぼ含まれず、クジラ(カルノシン450㎎・アンセリン7㎎・バレニン1000~1900㎎/100g)特有の成分と考えられていました。2018年に赤マンボウ(カルノシン550㎎・アンセリン10㎎・バレニン2500㎎/100g)に多く含むことが分かっています。
ちなみにクジラ・赤マンボウにはバレニンに加え、カルノシンも多く含み、特にバレニンの含有量が特に多いことが、体力を支えているのではないかと推測しています。
アカマンボウはくじら類よりも安価でバレニンの入手が容易であり機能性研究に期待が高まります。通常1日摂取目安量は200~400mg程度です。アカマンボウの切り身1切れ(バレニン:2500mg /100g)ですでにそれを大幅にカバーでき、過剰摂取による副作用の報告も今のところないようです。
アカマンボウからバレニンを抽出しエキスより、清涼飲料水にも風味を損なうことがなく利用できようです。 さらにパウダー加工して打錠、ソフトカプセル、顆粒のサプリメントにすることも可能としています。
体力の源のイミダペプチドImidapeptideは、お手軽に鶏むね肉1000㎎/100g、赤マンボウ3000㎎/100g)が、運動・休養・栄養バランスを守ったうえで、お勧めのようです。
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