・蓖麻子油Castoroil ひましゆ
ひまCastor(とうごま:唐胡麻)の種子から取られた油。トウダイグサ科、インド、北アフリカ原産で熱帯では高さ2~3mで木質化する。
柔らかいとげのある果実に3個の種子をもっており有毒性を示し誤って口にするとショック死の危険がある。温帯では一年草の種子を圧搾して無色透明、不揮発性、蓖麻子油、油脂30~50%が得られる。
ひまし油は、不飽和脂肪酸のリシノレイン酸Ricinoleicacid(リシノール酸Ricinoleic acid 90%)を主成分とし食用にはならない。保湿性があり粘度が高く下剤、燃料、機械油(低温でも固まりにくい)、石鹸、印刷インク、塗料、香料、化粧品原料にしている。
1800年代後半にStillmarkによってアルカロイドのricin(リシン)がひまの実に含む毒性のあるたんぱく質であることを発見した。加熱(ph7.8で80℃で10分50℃で1時間)によりリシンという一種のタンパク質で有毒成分は分解してなくなるとしているが食用とはならない。
リシンが付着した時は、石鹸をつけてよく洗い流す、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に漬けることで不活性化する。1951年ひまし油の採油で生ずる油粕の5%ほどのリシンがガンの成長を阻害することが示され抗がん剤としての研究が進んでいる。
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