・大豆の種類Soybean type だいずのしゅるい
大豆の国内自給率は5%程度で、食品用に限ると、自給率は25%で大半を輸入により賄っています。輸入の8割近くがアメリカ(タンパク質33.0%,脂質21.7%)から、次いでブラジル、アルゼンチン、中国などです。
大豆は、世界的には、これら諸国を始め油を採るのが主とし、他飼料目的での生産で、世界の油糧種子生産量の内、大豆が過半数を占めています。国際連合食糧農業機関(FAO)の統計では油糧種子の分類で 順に、ひまわり、菜種、綿実、落花生、やし、サフラワー、ごま、からし、カカオ、アボガド等が続いています。
アメリカは世界の大豆総生産量の50%以上を栽培生産です。日本国内(タンパク質33.8%,脂質19.7%)でも需要の8割は製油用で、残りが煮豆、惣菜(そうざい)、納豆、豆腐、油揚げ、凍豆腐、味噌、醤油等の食品用です。輸入大豆の大部分、約99.5%が黄大豆です。国産大豆はほぼ全量が製油用・食品用の仕向です。
大豆は、現在、沖縄を除き全国的に栽培していますが、畑作が約5割の北海道、転作で東北、関東、北陸、九州地方が主な産地です。茨城県は納豆用の一般的なものは種皮が黄白色~黄色の「黄大豆きだいず」で、他に淡黄緑色~濃緑色の「青大豆」や黒色で一般に「黒豆」と呼ばれる「黒大豆」などが主です。
◇黄大豆
生産量が一番多く、最も身近な大豆です。ほとんどの加工品の豆腐、豆乳、高野豆腐、味噌、醤油などの加工食品は、この黄大豆から作られています。
◇黒大豆
おせち料理に黒豆として使われる大豆です。ノンカフェインのお茶・黒豆茶の原材料でもあります。
変わった種類として白、赤、緑、鞍掛豆(くらかけまめ)もあります。
早生種(夏ダイズ)から晩生種(秋ダイズ)まで品種が豊富で、種類によって高さや花期、花の色は異なります。
大きさでは大粒種(7.9mm以上)、中粒種(7.3mm~7.9mm)、小粒種(5.5mm~以上7.3mm)、極小粒種(4.9mm~5.5mm)に大別しています。
◇大粒種は煮豆に多く用い料理用に、主に黒豆用です。少ないながらも黒大豆納豆、黒大豆豆腐もあります。
◇中粒種は豆腐、豆乳、湯葉や味噌、しょうゆなどの加工品に、生産量、品種ともに最も多い大豆です。
◇小粒種の多くは納豆に使われていますが味噌、豆腐にも用いています。
◇極小粒種も主に納豆用です。
変わった種類の白、赤、緑、鞍掛豆(くらかけまめ)では
◇青(緑)大豆は種皮・胚乳が緑色で、主に、 きなこ(うぐいす粉・うぐいす餅、おはぎ)や煮豆に使われることが多く、近年では青大豆を使った豆腐、納豆も見られるようです。
◇鞍掛豆(くらかけまめ)というのもありました。長野県で知られる青大豆の一部が黒くなっている種類でまん丸ではなく、少し潰れた形をしています。香りや味が、海苔に似ていることから「海苔豆」とも呼ばれています。
塩ゆでや浸し豆など、シンプルな味付けでおいしくいただけるようです。
◇赤大豆は小豆に近いような、赤茶色(アントシアニン)をした暖地での栽培に適し大豆で生産量が少なく「幻の大豆」とも呼ばれます。主に煎り豆、煮豆で他に豆腐、豆乳に用いうっすらとピンク色をしているようです。
◇茶大豆もありました。希少な大豆のようです。表面の皮が柔らかく、豆臭くないという特徴を持っている大豆です。塩ゆでにしてそのままが、オススメの食べ方といいます。
◇白大豆は黄大豆より、もっと白に近い色をして、へその部分も白いのを特徴としています。ショ糖を多く含むとして煮豆だけでなく、豆腐、豆乳、味噌、ビーンズサラダやミネストローネにも合いそうです。
大豆にはさまざまな種類があり、日本だけでも300種類以上はあると言われています。
大豆は日本人には大昔より普段の生活に溶け込んで伝統行事とも深い関係があり、さまざまな行事でも食べられています。1月 の、おせちには「今年もまめに暮らせるように」と願いを込め、煮豆(黒大豆)が入っています。2月の節分には厄払いをします。10月13日は「豆の日」です。
大豆はアメリカや中国でも作られていますが、日本ほど生活に密着した国はないと言われています。私たちの生活や食事の中で、大豆が大きな存在を占めているようです。大豆に含むイソフラボンIsoflavone(フラボノイド、ポリフェノール化合物:胚芽、種皮部分に多い色素成分)が女性ホルモンと似た作用をして美肌効果、カルシュウムの流失を防ぎ(欧米よりCa摂取量が1/2であるが骨粗鬆症の発症率が少ない)、抗酸化作用があります。これからもアミノ酸スコア100の大豆は、普段の食事に活躍し続けることでしょう。
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