・蕪Turnip かぶ
アブラナ科、原産地を地中海沿岸説があるが中央アジアとする説が有力視される。我が国古来のアブラナ科の野菜で〈すずな鈴菜・菘〉、かぶらともいわれ春の七草のひとつでもあり漬物用として用いられることが多い。7、8月の生産は少なく春(3月)と秋・冬(11~2月)に多く市場に出まわる。漬け物(千枚漬け・糠味噌漬け・麹漬け・辛子漬け)、酢の物、煮物に使われる。
東洋系と、ヨーロッパ系があり温暖な関西で栽培されているのは、白色系統で聖護院(京都:蕪が最も大きく、すが入りにくく千枚漬けにする)、天王寺(白色)、近江(白色)、大野江(紅色)、日野菜(赤色)、野沢菜(赤紫色)などがある。
大根と違いは、丸い葉で柔らかく掘り上げると長い根がついてくる。アブラナ属で食用としているのは胚軸(はいじゅく:子葉[双葉]と根の間の茎の部分)で根ではないので細胞壁が薄く、そのためにカブは柔らかい。細胞壁が崩れるとペクチンが溶け出すので、カブは少しぬるぬるした感じがする。
ヨーロッパ系は、耐寒性で関東以北で栽培され肉質が柔らかく、葉付きのまま一夜漬け、味噌汁の実、煮物にしている。葉だけは、炒め煮にするとよい。大きいものは中をくりぬいて挽肉を詰めて煮込む料理もよく、おろして使う蕪蒸しもある。
ヨーロッパでは、ラデッシュ(小さい赤蕪)をサラダ、ピクルス(甘酢漬け)として赤のアクセントに欠かせない。利用の仕方、成分は、大根に似ているが赤蕪の色素はポリフェノールの一種でアントシアニン系のシアニン(抗酸化作用)という。ジアスターゼ(消化酵素)、イソチアシアネート(辛味成分:老化防止)を含む。
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