・🍅蕃茄Tomato とまと
ナス科、ペールー原産。メキシコでトマトゥル(tomatl)=膨らむ果実と呼ばれていたのが語源という。日本には、江戸時代に入ったといわれるが実際に知られるようになったのは明治時代に入ってからでそのころは赤ナスと呼ばれていた。
蕃茄(ばんか:ファンジェ)とは、「蕃」は、外国という意味で外国から来た茄子ということらしい。熊本県八代市で全国一の生産量を誇る。
6~8月を旬とし最近ではピンク、赤、黄色など幾種類もの品種が出回るが、ミニトマトは、おもにサラダ、付け合せに、輸入のツリートマト(タマリロ)は、卵大で実が硬めで半分に切りスプーンで食べるのが一般的で煮こみ料理(シチュー、スープ、ソース)、ジュースには真っ赤な完熟トマト、サラダには新鮮で少し硬めのほうが扱いやすい。
加工してジュース(水分94%、無塩可溶固形分4%以上)、ピューレ-(水分87%、無塩可溶固形分8%以上24%未満)、ペースト(水分71%、無塩可溶固形分24%以上)、ケチャップ(水分66%、無塩可溶固形分25%以上)、トマトソース(水分87%、無塩可溶固形分9%以上25%未満)、チリソース(トマト以外の野菜5%以上)などがある。
トマトは赤いほど完熟したものほど多くのリコピンを含んでいる。
果実・生100g中でエネルギー19kcal、水分94.0g、タンパク質0.7g、脂質0.1g、炭水化物4.7g、灰分0.5g、ビタミンA効力90μg(カロテン540μg)、ビタミンC15mg 食物繊維1.0gを含む。
20~25℃を至適温度とし、30℃以上、10℃以下では完熟しても赤くならない。トマトの10℃以下、30℃以上でリコピンの生成を阻害、カロテンは、安定しているが果実は、黄色になる。
トマトピューレ100g中に45mgのリコピンを含む。常温で熟成し又は加熱濃縮でリコピン(耐熱性:免疫力強化、骨粗鬆症、花粉症予防)が増加する。
青臭さ、苦味の素となっているアルカロイドのトマチンTomatineがトマトの花、葉、茎、未熟果実に含むが熟した赤トマトを2~3日収穫せずにそのまま枝に残しておくと、トマチンはほとんど失われる。ピラジン(窒素を含む芳香族化合物)の青臭い匂いの成分で、血栓を作りにくくし、肝機能を強化する。
ヨーロッパでは、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがある。暑い夏を乗り切る為の食材として多いに食べておきたい。
トマトは食害を受けると緑の香りの一種である(Z)-3-ヘキセノールcis-3-hexenol(青葉アルコール)を大気中に放出し未被害のトマトがその香りを細胞内に取り込み、配糖体の(Z)-3-ヘキセニルビシアノシド (Z)-3-hexenylvicianoside:HexVicに変換し毒性を持つ新たな物質を合成することが知られる。
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