クラシカロイドの
ピアノ楽譜集が出ましたね。
そこですかさず自分語りをする 長いよ
私は幼稚園から中三で受験生になるまでピアノを習ってたんだけど途中ちょっと遠くに引っ越すことになり、
ピアノの先生が変わったんです
それまでの厳しい恐い先生とは打って変わって新しいピアノの先生は若くて綺麗でいい匂いがして、
ものすっごく優しいお姉さん。
ちっとも練習していかない私を全然叱らないというピアノ教師としてはどうかって人だったけど
そんなもんガキで野心もない私にとってはどうでもいいこと、
もうその先生のことが大好きで毎週楽しく先生の大きなお家に通ってたんですが、
何より楽しみなのは前の生徒さんが指導されてる間に通される続きの応接間にはすごくたくさんの本があって、
それらを好きに読んでいいことだったんです
私はそこでいろんな本を読ませていただいたんだけどその中に「ドカベン」という少年漫画がずらっと並んでたんですね
なんか絵もきれいじゃないと思ったし、最初は無視してたんだけど、ふと一巻を手にしたが最後面白くて面白くて
夢中になってむさぼり読んでしまいました。
それからはますます先生のお宅に通うのが楽しみになり、いつもちょっと早い目に行くようにして
待ち時間のドカベンを楽しみました。
けどなぜか私の綺麗な先生には、私がドカベンを好んで読んでることは知られたくなくて
前の生徒さんが終わりそうだなーと思ったらささっと本棚にコミックスを返して
別のリンドグレーンとかカニグスバーグとかの岩波子供の本などに取り替えてたんですよ
ところが、確かアレは不知火君がお父さんの角膜をもらって両目が見えるようになったところだったと思うんだけど
それがもう感動的で、うるうるして前の生徒さんが終わることに気付かなかったんですよ
そして生徒さんが先生と一緒にガチャッと音を立ててピアノ室から出てきました。
私はあっとなって、そして先生に見られてしまったことに気付き、もう恥ずかしくて身を縮めてたんだけど
先生は生徒さんを見送られたあと私のところへ来てにこにこ笑いながら
「ドカベン面白いでしょう」
っておっしゃったのです!
「私は殿馬君が好きなんよ。Kちゃんは誰が好き?」
忘れもしませんよ。
こんなに綺麗な先生が、殿馬のファンだなんて。
ああこの人は中身で男の人を選ぶ素敵な人なんだな、とそんなことをぼんやり思いました。
ますます好きになったわ
私はそのとき「里中ちゃんです」と答えた記憶があります。先生にっこり。
ほんとは土井垣が好きだったんですけどね。なんかそれも恥ずかしかったのは何故だ。中1謎の自意識。
殿馬はピアノ弾いてたんだよね。考えてみるとね。それに確かにかっこいいわ。
これは泉州のガーゼタオル。えみこが買ってくれました。
ピアノとあとバレエがありました。可愛い。それにやわらかいーー
私はピアノの才能のないどうしようもない生徒だったけど先生には可愛がっていただいて、いつも練習後はお菓子と紅茶を出してもらっていました。
私がいつも一番最後の生徒だったからですが2人でいろんなことをおしゃべりして楽しかったです。
私の受験でお稽古をやめるときは2人ですごく泣きました。
高校に合格したけどもうピアノには戻りませんでした。数年後先生は結婚されて写真つきのおはがきをいただきました。
先生の旦那さんはとっても美男子でした。
きっと中身も。
楽譜買います。もうちっとも弾けないけどね。クラシカのためにお金使いたいの。みんなそうよね。好きなんだよ。
つけたし
先生はショパンが好きって言ってました。だから私はチョッちゃんさん見るたび先生の王子様ね
って思ってしまう。
美人の弾くショパンはいい。すごくいい。