遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

最上怜香切り絵展「紙あわせ」

2019-10-09 00:00:43 | レポート

2019/10/8

最上怜香さんの切り絵展。

自分にとっては、札幌の劇団yhsのプレイヤーとしてお馴染み。

役者としての姿は何度も見ているけど、切り絵作家としての活動を見るのは初めて。

とりあえず会場に近づいていくと、まずものすごく話し慣れた感じの男女の会話が聞こえてくる。

最上さんと、今回の情宣写真を撮った写真家の菅野学さん。トークショーだった。

あまり個展っぽくない軽妙なやりとり。

というかほぼ菅野さんが語っている。道新文化センターなどで教えているだけあって、すごく聞きやすい。

期間中の他のゲストも期待感高いし、照明に凝っていたり、グッズ販売をしていたり、小規模な個展のわりにエンタメ度が高いのはさすが。

切り絵でも落款があるのが面白い。たしかにあるのとないのとじゃ全然違う。

作品ではいかにも切り絵という緻密な題材もいいけど、文字の切り絵が興味深かった。異種格闘技感がある。

 

※撮影OK。文字のかすれ具合まで表現。

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「テオ・ヤンセン展」

2019-08-28 22:19:38 | レポート

2019/8/28

風の力で生き物のように動く「ストランドビースト」の展示。

色味から勝手に竹か木材だと思っていたけど、主に塩ビ管と結束バンドで作られている。あと空気をためるペッドボトル。

今回はたまたま現地に行ったから勘違いに気付いたものの、こうやって気付かずに通り過ぎていることはたくさんあるような気がする。

一定の比率(ホーリーナンバーと名づけられている)で組まれた足の動きが人間っぽい。かっこいい。自分はゾイド世代なのでなおさら。

こういうものを作るんだから職人気質の構造フェチなのはわかるけど、もう一方で「過酷な砂浜という環境で生きる」とか「風を食べる」「進化を続ける」「作者がすべてを得られたと思った作品は死ぬ」といった設定は、生命を創造する神の立ち位置だったりする。

死んだら化石になって、その後また動かすことを「リ・アニメーション」と呼ぶとか、わりと都合よくて理不尽な感じも神っぽい。

ごく身近なものに極限まで工夫を重ねて、誰も到達したことのない表現になっているのがすごい。

動作しているところも見られたけど、やっぱり屋外でぐいぐい動くところも見たかった。

 

 

※リアニメーションでは彼(アニマリス・オムニア・セグンダ)が手前に迫り来るのでかなり迫力がある。 

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札幌西高校「風光る流るる時を眉走る」(第22回俳句甲子園 地方大会 札幌会場 第1試合)

2019-06-17 20:18:32 | レポート

俳句甲子園で作品に触れる文字数が足りなかった。

試合ではあまり評価されなかったなかで、個人的に好きな一句。

「る」の続く文字面がくるくるしててかわいいし、渦巻く風っぽくもある。

眉とくるくるからの連想で髪の毛もたぶん巻き毛。これだけくるくるしているのにストレートはない。

走っているから、汗ものっててキラキラしている。

ここまで季語「風光る」にかかっている。

「なぜ眉か?」という質問も出たけど、眉というのは人格を表すのに重要。

手塚治虫先生が、動物ですら眉を書くことで驚くほど人間的な表情が生まれるという意味のことを書いている。→

眉が前面に出ているので、たぶんこの人は前傾姿勢。若さを前面に押し出した高校生ならではの句だと思う。

後で確認しながらここまで書いたけど、あらかじめ出そうな質問を想定して準備するのも難易度高そう。

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「第22回俳句甲子園 地方大会 札幌会場」

2019-06-17 20:03:16 | レポート

2019/6/14

・前日にツイッターの告知を見て、あわてて見に行く。

・結構前だけど映画『恋は五・七・五!』で、ずっとライブで見てみたいと思っていた。

・全国大会進出をかけているのに、旭川東A、旭川東B、小樽潮陵、札幌西の3校4チーム。少ない。

・総当りのリーグ戦で全6試合。4試合だけ見ることができた。

・ルールが面白い。

・あらかじめ提示された「季語」に基づき、両チームがそれぞれ作ってきた俳句を1句ずつ発表する。

・発表したチームは、相手チームから次々と飛んで来る質問に回答を試みる。

・お互いのチームの作品発表と質疑が終わったら、審査員5人が判定。より多くの支持を得たチームが1セット奪取。3セット中2セット取ったチームの勝ち。

・審査員が評価する際は、作品点のほかに、鋭い質問をしたり、的確に答えたりするともらえる鑑賞点というボーナスポイントがある。

・鑑賞点の割合は低いものの、相手チームの作品に対して優れた解釈をしてももらえたりするので、必ずしも質疑がダメ出しばかりにならない。

・たまにいい解釈して、鑑賞点をもらいつつ、相手チームの作品の評価を上げてしまうこともある。

・質疑の制度は、作品づくりに大人が関わりにくくする目的もあるのかも。

・各チーム投句されてから、質問までの間がほとんどない。内容はともかくすごい速さで質疑が行われる。

・「景が見えない」みたいな俳句特有の言葉も面白いし、「この作品のオリジナリティは?」「この作品のオリジナリティは○○です」という掛け合いがあるのもすごい。

・結果、作品を作る人、攻撃する人、擁護する人が入り乱れてとても能動的な鑑賞会になっている。

・見ているほうは、どちらの句が優れているかを楽しむというよりも、質疑を聞きながら、各作品の解釈を深めて楽しむ。

・あくまで勝ち負けは結果であって、対立を利用して場を盛り上げていく面白さはプロレスに似ている。

・お客さんがいればもっと盛り上がるだろうし、現状全国への倍率は低いので、文化系部活の高校生はどんどん参加したらいいのにと思う。

俳句甲子園~高校生にしか語れない俳句がある~

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「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」

2019-04-26 00:25:40 | レポート

2019/4/24

毒と聞いてテンションあがって見に行く。

サンシャイン水族館プロデュースらしく、まずはドクウツボ、ミノカサゴが出迎えてくれる。

ミノカサゴ、実物ほんと美しい。

「毒」基準では選ばれているものの、毒で何かするところが見られるわけでないので、全体的に想像力が鍛えられる感じ。

よく耳にはするもののイモガイ(の仲間)やスベスベマンジュウガニを見たのは初めてかも。

スローロリスがずっとこちらに向かってお尻をくねらせているのも、なんのサービスだろうと考え込んでしまう。

水を飲んでいるアメリカドクトカゲが、ハ虫類としてかわいい。

いかにもな見た目の生き物たちの中で異彩を放っていたのがキョウチクトウの鉢植え。

一見、ただの雑草なのに、(このときは咲いてなかった)花、葉、枝、果実はもちろん、周辺の土壌まで毒がある。

wikiによると死亡例もある。一般人に擬態した殺人鬼感があってハラハラする。

※とにかくおしりをくねらせてくるスローロリス(毒自体はそんなに強くない)

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オレマカ『ギーコとデムゾー』

2019-04-25 00:15:31 | レポート

2019/4/23

札幌の三人組お笑い芸人「オレマカ」の単独ライブ。

ゾエちゃんとオーギリングで競演した縁で見に行ってみる。

ゲストネタの1本も含め、漫才9本を約90分かけてたっぷり。

敬称略で、ツッコミの「添」を中心に、下手側に「寺田」、上手側に「kta(けーた)」という立ち位置。

漫才は門外漢だけど、ネタがそれぞれ面白くて、3人で漫才をやることの意味をしっかり考えて作られているように見える。

3人というよりは、2+1人の配置で面白くなるような作り方。

特に「ファミレス」みたいなネタは、漫才という形式自体をイジる感じで、三人いないと成立しないところがいい。

三人漫才ならではの、添が両腕を開いて同時に二人に突っ込んでいるのが、ピクトグラムだった。

まだ若いし色んなことやりたいだろうに、漫才だけで8作も上演レベルまで仕上げた腹の据わり方のは素直にすごいと思う。

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北海道文化財団「赤堀雅秋 戯曲ワークショップ」

2019-02-25 01:43:59 | レポート

2019/2/17

・俳優、劇作家、映画監督でもある赤堀雅秋さんの戯曲ワークショップに参加してくる。

・一応、見られる範囲の映像を見て準備する。

・掛け値なしに表現の現場の最前線にいる人なので、何かを教えてもらうというより、実際に顔を見て話を聞くこと自体が大事なのかなと思って参加する。

・そのへん、最初の自己紹介でうまく説明できず、適当なことを言ってしまい、初っ端から落ち込む。

・2日間で合計6時間。参加者は15人。戯曲の勉強には短い。

・初日、何をするのかなと思っていたら、どちらかというと、俳優向けのゲームから。

・5~6人が輪になり、お互いの空気感だけで、順番に1名、2名、3名、…と同時に動く。動く人数を間違えるとやり直し。ゲーム中は言葉を発したり、目配せのような露骨な合図をしてはいけないというルール。

・戯曲の、台詞ではない部分が大切ということを体で理解しようとする。沈黙の中にも色んな展開が見えた。

・あとは統一テーマで短めの戯曲を書く。

・二日目に書いてきた戯曲を読み合わせて講評会。

・たまたま自分の書いたものが一番最初にあたり、たっぷり講評をいただく。

・自分なりに気をつけたつもりだけど、出ていた条件を諸々取りこぼしていた。ぼんやりしすぎ。

・自分含め序盤の数人に時間を使いすぎて、全く時間が足りなくなってしまう。

・序盤の人への指摘が後の人にも当てはまることはよくあるだろうから、後半になるにしたがって軽めになるのはわかるけど、全く読めないのは気の毒。あまり他で発表できるタイプのお題でもなかったし。

・勝手にいたたまれない気持ちになって、ワークショップ終了後、大急ぎで残りの本を全部読む。

・ホントは残れる人だけでも二次会的に読み合わせ会ができれば、多少プラスになることもあったのかな、提案したほうがよかったのかな、余計かな、どうだったのかなとモヤモヤする。

・今回のワークショップを通じて、本の書き方で、ひとつ考え方がつかめていなかった部分で腑に落ちたところがあった。

・たった6時間のWSで1つ発見があったのは、皮肉でもなんでもなく大収穫だったと思う。

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ウェイビジョンプレゼンツ『それでもクマはやらかしてない』

2019-02-22 00:15:46 | レポート

2019/2/17

・熊谷嶺くんのかつてのやらかしエピソードを裁判風に紹介してイジり倒す企画。

・遅刻が多い罪、相方が多すぎる罪、素顔の大喜利おもしろくない罪、熊谷メモが怖すぎる罪。

・間に彼のゆかりの人たちとほぼ一対一のトーク。

・もともとの想定時間はわからないけど、終わってみれば二時間を軽く超える長尺イベント。

・一人の役者を東京に送り出すためにここまでやるかという物量と密度。

・ウェイビジョンがここまで熊谷くんとともに積み重ねてきた企画力や進行力、人員をフルに活用して、中だるみなくやりきっていた。

・そんな恐ろしく手間のかかった企画で、主役には内容を全く知らせないというバランス感覚。

・途中何度も主役がポンコツ扱いされていたけど、そのポンコツぶりまでも完璧に心得たウェイビジョンの企画班はほんとすばらしい。愛しかない。

・不確定要素である主役の、完璧な誘導役としての横澤さんとウジツグくん。

・傍聴人システムがおもしろい。特に決まった役割がなくても、いるのといないのとじゃ大違い。

・ほんとの罪は最初の遅刻くらいで、あとはなんだかんだで熊谷くんの札幌での活躍ぶりを振り返る感じ。

・大喜利は自分も一緒に笑うの我慢する方向で見てたんだけど、結局、塚本さんと一緒のタイミングで笑ってしまった。落としどころは絶妙だけど、後で振り返ってみると納得がいかない。

・さんざんいじり倒されても、いきなり振られたコントや早口言葉については完全にこなしてみせる。

・ちゃんと名誉回復の機会があって、きちんとそのチャンスを活かしているのがえらい。

・能登くんと櫻井くんは、弁護人と検察官のエチュードとして見ていた。こういうノリはyhsでも珍しいか、なかったような気がする。ミーハー気分で楽しむ。

・混雑具合からお客さんは100人弱ぐらいだと思う。その全員が2,000円出して熊谷君を見送りに来たという事実がすごい。人望。

・熊谷君はすごいものを抱えて東京に進出するんだなとしみじみする。

※予定は80分だったってツイキャスで言ってた。

※個人的には「上田龍成に似てる」に期待。

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『せやろがいおじさんの全国ドサ回りトークライブin北海道』

2019-02-08 12:15:32 | レポート

2019/2/6

しっかり推敲を重ねた正論と、ドローン撮影の沖縄のきれいな海、唐突な赤ふんどしが印象的なユーチューバー「せやろがいおじさん」のトークライブ。

ユーチューバーになった経緯や撮影裏話を色々話してくれる。

ユーチューブは試行錯誤の結果が数字でわりと直接的に出る。

こうすると数字が伸びるとか伸びないとか、どれも最近の出来事なので臨場感あって楽しい。

iPhoneなくした話は、自分も似たようなやりとりを公的機関の警備員の人としたので強く共感しながら聞く。

ライブ中に北海道震災の復興支援動画を初公開。

メイキング動画で、地元スタッフがわりとフランクな感じで彼を池(湖?)に飛び込ませようとしているのがえげつない。

もともとお笑いコンビ「リップサービス」の人なのは知っていたけど、実際に話を聞いてみると現場叩き上げの手練れ感が強い。

2時間近くだと思うけど、停滞することなく語り切っていた。盛り上がった。

 

観始めたきっかけ。→りゅうちぇるのタトゥーについて思う事を沖縄の海に叫んだ【せやろがいおじさん】

※公式動画の共有機能使ってます。

皆さんにお願いしたいことを叫んでみた【せやろがいおじさん】

※実際には100人くらいはいたと思う。

※撮影OKだった。

※ユーチューブ始めたきっかけ。地元ではかなり活躍している様子なのに世知辛い。

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北海道大学総合博物館 夏季企画展示「視ることを通して」

2018-10-27 11:28:35 | レポート

2018/10/26

ビジュアルメディアが研究に果たした役割を考え直すというコンセプト。

ビジュアルメディアとは、絵や図、写真、映像など。範囲が広すぎるような気がするし、分類もかなり抽象的な感じがしないでもない。

入るといきなりノミの図が描かれた本の見開きに迎えられる。

大きさは広げてB3くらい。写真のような生々しさがなくてかっこいい。

本は『百科全書』。初版が1751年というものものしい本で展示物自体もかなり古そう。

ほかに目を引いたのは、横浜写真。

開国直後の明治の横浜で、外国人に売っていた写真。そのアルバムの展示。

展示物自体はさわれないけど、近くのモニターではその中身がスライドショーで見られる。

写真に着色したものとは言え、19世紀の風景が色つき。古い時代にも色はあるという当たり前のことを実感できる。

切腹の写真もあったけど、三人組コントみたいな記号的なビジュアルだったので、本当なのか何かの芝居なのかよくわからない。

※あわせて展示。いくつかケースがあるなか、一匹しか見れなかったけど、親指の先ほどしかなくてとてもかわいい。

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