2024/3/29
・デンマークの王子ハムレットが、前王である父親の幽霊からの命令を受け、新しい国王となった叔父に復讐しようとする話。ミュージカル。
・役者は男性5人のみ。ハムレットは一人が演じ、他の四人で残りすべての登場人物を演じる。
・ハムレットの母親ガートルードや恋人オフィーリアも男性が演じる。恋人同士のやり取りもギャグに逃げず、真正面から演じている。すごく真面目。
・登場人物の紹介、関係性、展開、うまく編集されていて2時間弱。わかりやすいのでシェイクスピア作品の入門編としてもおすすめできそう。
・ハムレット以外の演者は、一つの役でも異なる演者が担当したりする。なので、衣装が重要。
・演じているほうは混乱しないのかなと思ったけど、楠美津香さんみたいな人もいるから今さらか。
・着替えは舞台上で見せる方針で、仕草や照明などにきちんと演出がついていて緊張感が途切れない。
・単に好みということもあるけど、演劇という虚構で真実を暴こうとするアイディアはやっぱりおもしろい。
・虚構と真実を行ったり来たりする仕掛けは、演劇の得意分野だと思う。
・ここでは「生きるべきか死ぬべきか」「成すべきか成さぬべきか」というフレーズが出てくる。
・復讐を実行するか思いとどまるかの逡巡なので、生きるべき死ぬべきと微妙にズレている感じがするんだけど、どういうニュアンスになるんだろう。
・「尼寺へ行け!」は何度聞いても酷いし、唐突な感じもするけど、決めフレーズとしてパワーがある。
・このあたりのセリフは、前後の文脈以前にハムレットを上演する以上、避けては通れない感じもする。
・レアティーズとオフィーリアの兄妹はあいかわらずかわいそう。復讐に必要な犠牲には見えない。ほんとハムレットが悪い。
・終盤、サシの決闘がかなりかっこいい。最初の礼から始まって、高速の殺陣、光を反射する刀身。
・公演名的に今後も男性5人でシェイクスピアを続けるんだろうけど、次は何をどんな形式でやるんだろう。
・四大悲劇が優先かなと思うけど、『じゃじゃ馬ならし』を男だけでやったらどんな感じになるのか気になる。
(U-NEXT)