遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

星稜高等学校『神様の放送室』(春フェス2021年度)

2024-07-14 10:31:04 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

「2022上演6」星稜高等学校『神様の放送室』

2024/7/14

放送法の理想を掲げて一人校内放送を続ける放送部員のもとに、有能で訳ありの生徒が入部する話。

社会問題を学校生活に置き換える手法で、本作品は放送法の話。

コンセプトがはっきりしていて見やすい。

加えて、抽象表現も取り入れ、演劇として、うまく題材を表現しようとする意思を感じる。

高校生活のフィルターをひとつ挟むだけで、政治と放送の関係を直接的に風刺している。

普遍性のあるテーマなので、時代を問わず長く上演される可能性がある戯曲。

本作は友情を着地として気持ちよく終わるんだけど、本当に現実に対して誠実に作ろうと思ったら、映画の『新聞記者』みたいな薄気味悪いラストにしかなりえないのが悲しい。

現実に負けっぱなしの大人には作れない作品とも言える。

客席から頻繁に手拍子が起きているように聞こえたけど、現地はどんな状況だったんだろう。

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ナイロン100℃『ゴドーは待たれながら』

2024-06-17 22:42:33 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/6/17

・誰かに待たれているゴドーという男が、いつどこで誰と会えばいいのか思い出そうとするが、最後まで思い出せない話。

・ゴドーを待つ人々を描いたサミュエル・ベケットの古典的名作『ゴドーを待ちながら』。本作は待たれる存在であるゴドー目線で作られた話。一人芝居。

・アイディアだけなら誰でも思いつく範囲だけど、実際に104分の戯曲を書いて上演するところまで持っていけるのがすごい。

・初演は1992年で東京シティボーイズのきたろうさんが演じたらしい。

・本作は大倉孝二さん。

・一人芝居なので、ごく一部に「声」との会話はあるものの、ほとんど全て一人で喋り続ける。

・当然セリフの量は膨大になるんだけど、それ以上に、わかりやすいあらすじはなく延々と堂々巡りを続ける話なので、これほどセリフ覚えが大変な作品はないのではないか。

・解説に「KEARが10年以上にわたり大倉を口説き」とあったけど、演者にとっては相当な覚悟がいる作品なんだろうと思う。

・最初の1分。髪の毛をセットする動きだけで客席から笑いが起きていた。

・このくらいの小さな笑いが最初から最後までずっと続く。お客さんもよく反応している。

・内容は靴が上手く履けない、毒の実を食べるか迷う、舞台後部の箱に何が入っているのか見てみる、窓のそばで思考をめぐらす、訪ねてきた誰かと不条理な会話を繰り返す、こんな感じ。

・ようやく部屋の外に出たのかと思ったら、部屋の中で外出時のシュミレーションをしているだけ。

・人間は誰しも何かを待っているものだという原作の主題(多分)から転じて、次第に待たれているのか待っているのか混乱していくところ、人間が誰からも待たれなくなることへの恐怖心が描かれる。

・何度となく自身の妄想に飲み込まれては苦悩する。

・待たれていること自体、彼の妄想ではないのかと考えさせる仕組み。

・原作がそういう話だから軽々しく解釈しにくい話ではあるけど、小さな部屋で思考を堂々巡りさせるだけの話を、緊張感を途切れさせることなく描き切った作家と演じ切った役者、まとめ切った演出がすごいのは間違いない。

(U-NEXT)

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青森県立青森中央高等学校演劇部『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』

2024-06-06 01:46:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/6/4

・青森にある高校の弱小野球部が、中途入部した熱血女子マネージャーと、東日本大震災で被災した元野球部と、イタコのおばあちゃんとともに甲子園を目指す話。

・最初に出演者が舞台に集合してウォーミングアップするところから始まり、シームレスに本編に移行する。

・出演者はおそらく30人弱。

・完全素舞台、照明も最低限。小道具や舞台装置は肉体、音響効果は声ですべて表現する。

・時々なんでそこにいるのかよくわからないモチーフの人たちもいたりするが、それも含めて楽しい。

演劇博物館の説明によると、被災地など、どんな場所でも上演できるようにこの形態になったとのこと。

・実際、2011年~2020年5月時点で104ステージ上演されている。高校演劇史上、屈指の話題作であり、名作と言っていいと思う。

・戯曲は読んでいたけど、やはり映像は印象が変わる。

・野手がエラーするだけのシーンも、スローモーション演技で見せる。演出の手数が多い。

・夕方カラスが飛ぶシーン。最初は二羽、次が変な鳴き方のカラスを加えて三羽になるところも、細かい。

・被災地から来た転校生に、イタコが往年の名投手沢村栄治の霊をおろすことで地区大会を勝ち進む。

・ズルいと言えばズルいんだけど、イタコの修業自体がハードで誰にでもできるわけではないという条件でバランスをとっている。

・マネージャーが元野球部を勧誘するところ、表面的な説得ではなく、自身の経験を踏まえたお願いにしている。

・既視感ゆえの安定感がある話だからこそ、調整をしっかりきかせた脚本と演出に、技術の高さを感じる。

・結果、東日本大震災のサバイバーズギルドを扱った作品なのに、生々しさの少ない娯楽作に仕上がっている。

・戦争で野球人生を全うできなかった沢村栄治の気持ちまでフォローしているのもすごい。

・現実でこんなに簡単に立ち直るのは難しいのかもしれないけど、イタコが出てきて死者をおろすような有り得ない事象を通して回復していく話なので、当事者の方が見ても不快感は少なそう。

・逆に、そこまでしないと傷は癒えないのかもしれないという視点を、非当事者としては持っておきたい。

(早稲田演劇博物館JDTA)

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『酒と涙とジキルとハイド』(2014年)

2024-06-05 07:40:00 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/6/1

・真面目でつまらない博士が性格を反転(狂暴化?)させる薬の発明に失敗し、研究結果の発表前日になって、たまたま目に付いた舞台役者にサクラをお願いする話。

・博士が片岡愛之助、その助手が迫田孝也、博士の婚約者が優香、サクラの舞台役者が藤井隆の四人芝居。

・演者の存在感をしっかり感じることができて、それなりに複雑な話が作れるという、いいトコ取りの四人芝居。

・博士と助手の関係性が不穏。博士のほうが地位的には上なのに助手のほうが主導権を握っている。

・不穏な理由は特に明かされないはず。

・人間関係がすっきりしていて、何が起きているのか全部わかるお話の中で、謎めいた助手の存在がいいアクセントになっていた。

・藤井隆が登場から汗だく。顔がピカピカしている。何かの伏線のように見える。

・薬によって人格が反転してしまう演技は、役者としての見せ場だと思うけど、本作では本職の俳優ではない優香と藤井隆がその役を担っている。

・本職ではないと言っても、藤井隆の演技の手数の多さはさすがだし、意図的なのか何なのか、同じような豹変シーンがたくさんあるのに、少しずつ見せ方が違う。

・彼には、暴力性は高め、ただし性的な方向はNG、そして目の前には性的に積極的な女性がいるという理不尽な演技を求めらる。かわいそうなぶん、おもしろい。

・優香が出演する舞台は初めて見た。器用な人というイメージはなかったけど、思い切りのよさと意外性のある演技で、実質本作の主人公と言ってもいい活躍だった。

・恥ずかしくて死にたいという演技で、右の壁、左の壁に思いっきり体当たりしている。斬新。

・最初のモノローグもとてもよくわかる。

・志村けんイズムみたいなものはあるのかな。ないはずはないか。

・彼女が突飛な行動をするたびに、藤井隆が演技を超えた芸人特有の条件反射で都度ツッコミを入れていた。

・終盤に人間ドラマとは別のシチュエーションコメディとしてのクライマックスがある。こういうのがあるのとないのとでは大違い。プロローグの回収にもなっている。

・「あいつが一番悪い」というセリフ。見ている人全員がそう思ったはず。

(早稲田演劇博物館JDTA)

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大阪御ゑん祭『夫人マクベス』

2024-05-08 22:01:31 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/5/7

・近藤芳正演じるマクベス夫人が、「マクベス」をモチーフにした4本の短編を渡り歩いていく話。

・各話はそれぞれ起・承・転・結と銘打たれていて、それぞれ別々の団体が担当している。マクベス夫人だけ通しで登場する。

・各話なんとなくマクベスの最低限の骨組みを拾いつつ作られている。

・オープニング。各チームが狭い舞台上に密集しているなかマクベス夫人が前説を行う。期待感が煽られる。

・最初は大阪万博のデザイナーの話。大型受注を受けたデザイン事務所のCEOをダンカン王になぞらえて、マクベス夫人がデザイナーの夫に彼を殺させる話。

・時事ネタではあるけど特に批評性はなさそう。

・LGBTのしつこいイジリは何の意味があるんだろ。

・次の話はカラオケボックスみたいなところで王様ゲームしている若者たち。

・マザコン息子マクベスが恋敵バンクオーを刺す。

・正気を失った本人はともかく、人を刺されたのに王様ゲームを続けようとする人たちが不思議。

・幕間でなぜかプロレスラーの船木誠勝選手がゲスト出てきてマクベス夫人とトークする。トークなのになぜかリングコスチューム。小劇場に船木。違和感がものすごい。

・三番目は中年女性たちのお茶会みたいな話。

・作品単位でも公演単位でも思いついた順にエピソードを並べているような感じで混沌としている。

・全体の構成はどうしているんだろう。

・著名な俳優を中心に据えられているわりに、しょうもないギャグも遠慮なく入れているし、全体的にのびのびと作られている。遠慮というか、躊躇がない。

・四番目は、マクベス夫人が監禁されるが、夫からの愛に疑問を持ち、レジスタンスとともに反旗を翻す話。

・女の股から生まれていない何に殺されるかの話、見た感じ落雷っぽかったけど、結局、マクベスの死因は何だったんだろう。

・結果的にマクベス夫人のマルチバースみたいになっていた。考えてみれば、マクベス夫人という役名も変な感じではある。役名が役割であって人の名前ではない。

・シェイクスピアで最初と最後を結べば、ここまで奔放にやっても大体なんかまとまった感じになる。強かった。

(U-NEXT)

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ままごと『わが星』

2024-04-18 00:30:06 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

 

 

 

2024/4/16

・地球と月とその家族の在り様を、時報のリズムに乗せて言葉とダンスで表現していく話。話なのかな。

・作中で、幼い女の子であるちいちゃん(地球)とその幼馴染の月の関係性を人の一生分一気に見せる。

・最初は『わが町』と関係ないのかなと思ったけど、この部分だけ取り出すとやっぱり発想元と思われる。

・最初の時報のリズムにあわせて群唱するところは躍動感があってかっこいいんだけど、なかなか話に入っていかないので少し不安になる。

・抽象表現が多いと、全体の尺の中でどのくらい進んでいるのかわかりにくいので長く感じやすい。

・本作では、ちいちゃんと月の二人の物語が組み込まれていて、そういうストレスは少なかった。

・それだけなら良くも悪くも単なる「いい話」だけど、宇宙の概念をねじ込むことで、ものすごく遠くから突き放したような視点を獲得している。

・繰り返される誕生日とテレビと冷蔵庫の話は日常の象徴ということでいいのかな。

・振り返って考えていくと、やっぱり『わが町』がベースになっているような感じがしてくる。

・単になぞったり置き換えたりするのではなく、分解して組み直して、繰り返しで強調ポイントを作って、いろいろ装飾して、この形になっているように見える。

・本作は2011年の公演だけど、今の感覚だと、親と同居していて、夫が働き、妻が家事をする(夫婦それぞれが選択している言葉がそれっぽい)ような家庭って、日常の記号になりえるのかなと思ったりはする。

・必ずしも現代を描く必要はないんだろうけど。

・中盤から後半にかけては、演劇というより長いラップの曲を聴いている感じになってくる。

・セリフと動きと演出効果のタイミングがものすごくシビアで、一つ間違えると大混乱を招きそう。とてもハラハラする。

・どうして重なって寝たんだろう。月食?

・さらに終盤になると曲ですらなく祭りになっていく。

・囲み舞台なので客席も映っているんだけど、ニコニコで首を振りながらリズムをとっているお客さんがいてとても共感した。

・言葉レベルでも構成レベルでも、星の一生と、人の一生が上手いこと重なっていて、ほんとよくできた作品だった。

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劇団あはひ『流れる —能“隅田川”より』(2022年)

2024-04-11 00:12:31 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/4/8

・松尾芭蕉と弟子の曾良が川の渡し守のところで、訳あり気な女と舟守と子供に出会う話。

・「奥の細道」ではなく、能の「隅田川」がベース。

・能という伝統芸能の敷居の高さはいったん脇に置いて素直に会話が楽しい。

・ライターの貸し借りだけでひと笑いある。

・舟守のところに自分が行くか弟子に行かせるか二人でいくかという、どうでもいいやり取りがおもしろい。

・物腰のやわらかな芭蕉になごむ。

・曾良は無自覚に失礼な人だと見ていたけど、女性と話す時はちゃんとしている。

・アレンジは現代劇風。服装や小道具、言葉遣いや会話も現代人どうしのやり取りに聞こえる。曾良が黒のダウンジャケットを着ている。

・「ご当地俳句読み倒れツアー」。

・時代感があるのは、川の船着き場みたいな場所だけ。

・舞台はモノクロ。きわめてシンプル。

・映像でも奥の黒い壁と床の白いパネルが地平線のように画面を二分している。美しい。

・登場人物の動きもシンプル。各人の動きよりも配置のほうが重要に見える。様式的で引き算の表現。

・二組に分かれてそれぞれで会話するところ、一組が会話を始めると、もう一組はストップモーションになる。

・時空が多層的になっている表現なのかな。どういうルールなんだろう。

・シンプルでも、立ち方歩き方がきれいで、かなり身体表現の訓練をされた人のそれに見える。

・登場人物の服装は黒い人が三人、白い人が一人、半分が一人。何か意味があるのかな。

・そのシンプルさが能っぽいと感じたけど、本当にそれが能に基づくものなのかはよくわからない。

・アトムが出てくると時間軸が良くわからなくなる。能と比べればはるかに現代なのに古めに感じる。

・境遇は似ていたとしても、なんでわざわざアトムと天馬博士にしたんだろう。

・能の隅田川と同じく、伊勢物語の「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふひとはありやなしやと」が引用されている。漱石の話も出てくる。

・既存の作品の組み合わせる効果がうまく読み取れず、どういう意図だったのかしばらく考えてしまいそう。

(U-NEXT)

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松井周の標本室『標本(複写)』(2021年)

2024-04-08 16:20:02 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/4/8

光合成できる特殊体質だと気づいた俳優が、その後の生き方に悩む話。

ほぼ一人語りの進行。演者は金子岳憲さん。

客席に向かって劇場やコロナ禍について語り掛けつつ、少しずつフィクションの割合を増やしていく。

完全に話に入った後は、複数の登場人物を一人で演じながら進行する。

座っていないだけで、落語のテンポ感に近い。

主人公を脇に置いて、女性二人がつかみ合い、たたき合いをするシーンも、動作の単純化、取捨選択が巧みで、全くテンポを損なわずに一人二役を演じていた。

終盤の、プログラムをミスったMMDキャラみたいな機械的かつ非人間な動きもおもしろかった。

「余らせたもの」というキーワードは、あまり理解できなかったけど、突然変異と自然淘汰による進化論的なことなのかなと考えたりした。

なので、光合成ができたからって、生き残れるかどうかは別の話だった。

(U-NEXT)

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「5 Guys Shakespeare Act1:[HAMLET]」

2024-03-30 00:04:10 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

2024/3/29

・デンマークの王子ハムレットが、前王である父親の幽霊からの命令を受け、新しい国王となった叔父に復讐しようとする話。ミュージカル。

・役者は男性5人のみ。ハムレットは一人が演じ、他の四人で残りすべての登場人物を演じる。

・ハムレットの母親ガートルードや恋人オフィーリアも男性が演じる。恋人同士のやり取りもギャグに逃げず、真正面から演じている。すごく真面目。

・登場人物の紹介、関係性、展開、うまく編集されていて2時間弱。わかりやすいのでシェイクスピア作品の入門編としてもおすすめできそう。

・ハムレット以外の演者は、一つの役でも異なる演者が担当したりする。なので、衣装が重要。

・演じているほうは混乱しないのかなと思ったけど、楠美津香さんみたいな人もいるから今さらか。

・着替えは舞台上で見せる方針で、仕草や照明などにきちんと演出がついていて緊張感が途切れない。

・単に好みということもあるけど、演劇という虚構で真実を暴こうとするアイディアはやっぱりおもしろい。

・虚構と真実を行ったり来たりする仕掛けは、演劇の得意分野だと思う。

・ここでは「生きるべきか死ぬべきか」「成すべきか成さぬべきか」というフレーズが出てくる。

・復讐を実行するか思いとどまるかの逡巡なので、生きるべき死ぬべきと微妙にズレている感じがするんだけど、どういうニュアンスになるんだろう。

・「尼寺へ行け!」は何度聞いても酷いし、唐突な感じもするけど、決めフレーズとしてパワーがある。

・このあたりのセリフは、前後の文脈以前にハムレットを上演する以上、避けては通れない感じもする。

・レアティーズとオフィーリアの兄妹はあいかわらずかわいそう。復讐に必要な犠牲には見えない。ほんとハムレットが悪い。

・終盤、サシの決闘がかなりかっこいい。最初の礼から始まって、高速の殺陣、光を反射する刀身。

・公演名的に今後も男性5人でシェイクスピアを続けるんだろうけど、次は何をどんな形式でやるんだろう。

・四大悲劇が優先かなと思うけど、『じゃじゃ馬ならし』を男だけでやったらどんな感じになるのか気になる。

(U-NEXT)

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NODAMAP『赤鬼』

2024-03-26 00:17:10 | 動画で演劇を見た(観劇三昧以外)

 

2024/3/25

村の嫌われ者の女が、海から漂着してきた「赤鬼」と出会う話。

小さめの演技スペースを客席が囲む会場。

四人の俳優が、それぞれの基本の役と、シーンに合わせて様々な村人の役を演じる。

切り替えが早く、時々ギャグも入るので、見ているほうも忙しい。

演者たちの瞬発力はさすがだし、最前列のお客さんに話しかけたり、バッグをお借りして攻撃したりする。楽しそう。

嵐の表現や、ボールとポールで船に見立てるのもちゃんとそのように見える。

赤鬼は外国人のことなのかなと思ったけどそういう感じでもなさそうで、人間として考えていいのかどうなのか、よくわからなかった。

話の筋自体はとてもシンプルなので、何の話かわからなくなるということはないけど、そのぶん飛躍しそうでしない感じがもどかしかった。

思ったより楽しみ方がむずかしかった。

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