遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

山田尚子監督『リズと青い鳥』(2018年)

2024-12-29 21:06:57 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

2024/12/26

・吹奏楽部ののぞみとみぞれとの関係が、ソロパートの掛け合いをきっかけに崩れそうになる話。

・「響け!ユーフォニアム」のほうは全く見ていない。本作を観たあとにスピンオフだと知った。

・みぞれ登場からタイトルまで。大した事件がなくても、音楽と人のちょっとした仕草だけでシーンが持つ。アニメ映画らしい堂々とした冒頭。

・オーボエのリードを削るところ、分解してケースにしまうところ、フルートの口元、大会が近くなると増える顧問、吹奏楽の知識はないけど、細かい情報がそれっぽくて楽しい。

・床に毛布のようなものを敷くところや、糸で作業しているところも、何なのかはよくわからなかったけど、そういうもんなんだろうなという感じがする。

・登場人物が可愛らしくて小奇麗な女子高生しか出てこないところは、作り手の好みが表に出過ぎていて、少しノイズになった。

・演奏シーンは指の動きが派手だけど、地味に肩が揺れやお腹の膨らみまで表現している。アニメの場合、再現度の高さがそのまま感動に繋がるのがおもしろい。

・上の立場、横の立場、下の立場、能力差、モチベーションの差、吹奏楽部独特の組織人の悲哀を感じる。

・作中、童話「リズと青い鳥」をモチーフにした楽曲を演奏することになる。

・童話の内容が結構雑に感じる。青い鳥が自由になりたがっているのかと思っていたら、リズが青い鳥に出ていけと言っているようにしか見えない。

・童話シーンの演技もちょっと棒読みっぽく感じるのは気のせいなんだろうか。

・特に作中内作品が名作である必要はないし、それでも刺さる人には刺さるという意味では現実っぽいのかも。

・二人の抱える壁が、先生との面談、友達との雑談で解消されていくのが、派手さに逃げず、地道にやるべきことをやることの尊さを教えてくれる。

・結局、みぞれ→のぞみへの執着は深まってしまったような気がするけど、そのへんどうなんだろう。

・ヒロインの作り物っぽいキャラを崩そうとしてくる後輩は好き。「あの先輩はそういう人だから」で逃げず、壁を壊しに行くのはとても勇気がいることだと思う。

(U-NEXT)

コメント
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