2025/1/16
・王室に嫁いだダイアナの泥沼の結婚生活とその顛末を描いたミュージカル。
・積極的に気にしたことないけど、当時は「ダイアナ妃」としてテレビから勝手に情報が入ってきたので、作品を見ると素直に「似てる!」と思える。
・有名な話なんだろうけど、開始早々、プロポーズはするが、好きな人は別にいるという言動不一致な皇太子のねじれ方に戸惑う。
・当然、うまくいくはずもなく後に破局する。
・立場もあるのに、なんでそんなに軽率なのか理解しがたいけど、要するに彼はダイアナを大人しくコントロール可能な女だと勘違いしていたという話。
・本作には彼を取り巻く三人の女が出てくる。それぞれ立場は違っていても、自分の意思や主張ははっきりしていて見ごたえがある。
・「世が世なら断頭台送りだ」みたいなことを言うエリザベス女王が物騒。
・反面、嫌われるためだけに存在しているチャールズが不憫。まさか現実でもこんな感じなんだろうか。
・実在かつ存命かつ立場のある人をこんなに薄っぺらく書くことができるのはすごい。逆にこれが許されているのは懐が深い。日本の偉い人では無理。
・歌とダンスはさすがに迫力がある。王室のスタッフに扮するアンサンブルキャストが凛々しい。常人離れした姿勢と仕草の美しさが世界観によく合っている。
・トレンチコートに中折れ帽の集団パパラッチも、それはそれでかっこいい。
・バッハとクイーンのハイブリット。高尚とされているものと、広く親しまれているものの対立は、作品全体のテーマとも一致している。
・楽曲で話が停滞せず、関係性やその変化を描くのに活かされている。
・ダイアナの衣装が目まぐるしく変わるのも楽しい。
・基本的にダイアナは好意的に描かれているけど、一応不倫のようなマイナス面の描写もある。
・お飾り王族よりはちゃんと慈善事業やっているぶんえらいとは言えるくらいのバランス。夫の浮気相手であるカミラへの当たりがきついのは当たり前のこと。
・ほぼ現代の公職にある人物をここまで味付け濃く描けるのは、欧米ならではのノリで、これはこれで重要なことなんだろうなと思った。
(NETFLIX)