遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

『舞台美術 手塚俊一の仕事』

2015-10-17 13:23:59 | 読書感想文

 

舞台美術手塚俊一の仕事
クリエーター情報なし
未来社

2015/10/17

手塚俊一は1970~80年代に、鈴木忠志や竹内銃一郎らの作品で舞台美術を手がけている。

『新・邪宗門』や二度の『戸惑いの午后の惨事』の舞台は見るからにすごい。

しかも、それらの装置に動きがあるらしいので、劇場にいた人は、あきらかに勝ち組。

劇的な作品を作るために、協力ではなく反発を手段としている。

 自身で演出した『四谷怪談』で、終演のたびに装置を破壊して、また翌日の上演までに作り直すなんて、思いついても普通はやらない。

「並や大抵の壊し方ではない。布を裂き、紙を破り、材木をへし折り、稲村劇場のうそ寒い裸舞台が完全に露出するまで、破壊は執拗に、かつ徹底的に行われた。」(佐藤信)

39歳で逝去。

彼を惜しむ演劇人たちによる編集で、寄せられた文章から彼の人柄だけでなく、当時の現場の雰囲気がなんとなく見えてくる。

「手塚俊一は舞台美術の若き闘士であった。」(高田一郎)なんてなかなか書けない。


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