舞台美術手塚俊一の仕事 | |
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未来社 |
2015/10/17
手塚俊一は1970~80年代に、鈴木忠志や竹内銃一郎らの作品で舞台美術を手がけている。
『新・邪宗門』や二度の『戸惑いの午后の惨事』の舞台は見るからにすごい。
しかも、それらの装置に動きがあるらしいので、劇場にいた人は、あきらかに勝ち組。
劇的な作品を作るために、協力ではなく反発を手段としている。
自身で演出した『四谷怪談』で、終演のたびに装置を破壊して、また翌日の上演までに作り直すなんて、思いついても普通はやらない。
「並や大抵の壊し方ではない。布を裂き、紙を破り、材木をへし折り、稲村劇場のうそ寒い裸舞台が完全に露出するまで、破壊は執拗に、かつ徹底的に行われた。」(佐藤信)
39歳で逝去。
彼を惜しむ演劇人たちによる編集で、寄せられた文章から彼の人柄だけでなく、当時の現場の雰囲気がなんとなく見えてくる。
「手塚俊一は舞台美術の若き闘士であった。」(高田一郎)なんてなかなか書けない。
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