玉子ふわふわ (ちくま文庫) | |
クリエーター情報なし | |
筑摩書房 |
2011/8/14
森茉莉、池波正太郎、東海林さだお、伊丹十三、北大路魯山人、向田邦子、田辺聖子…。
名だたる文章家たちが、よってたかって玉子のことを書いている本。
「たかが○○、されど○○」という言い回しがあるが、まさに玉子のためにあるような表現だ。
巨大オムレツを三人がかりで作る仏人の老婆(福島慶子)の話はよかったし、油断してると「卵が卵として正しくみそかつの上に着地するまでの時間をリスペクトしなければ」(細馬宏通)なんて無茶な表現にも出くわす。
神吉拓郎は、小さいころ見た鶏卵の山積みが虫の卵みたいで怖かったという話を、わざわざエジプトのマイナーな王様から始めて回りくどく書いている。
津田晴美の「湯豆腐卵」、東海林さだおの「目玉焼きかけご飯」は、ぜひ試してみたい。
全体的にあくの強い書き手たちに玉子という素材が負けていないのも素晴らしいと思う。
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