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米国民主党政権誕生ならば宇宙開発計画は再び停滞の恐れ~オバマ時代の8年間は宇宙への取り組みは失速していた

2020-11-18 07:20:52 | 科学
昨日、スペースX社のクルードラゴンという民間初の輸送船で、野口聡一飛行士など4名の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションISSとのドッキングに成功し、これから6カ月間のISSでのミッションについたというニュースがありました。


野口聡一宇宙飛行士にとっては10年振りのISSミッションなのだそうです。


彼の初飛行は2003年2月1日に起こったSTS-107コロンビア号の事故後のあと、NASA・スペースシャトル運航再開の最初の打ち上げとなった2005年7月26日のミッションで、STS-114にミッション・スペシャリストとして乗船した時だったそうです。


■宇宙開発は共和党のときに進み、民主党時代には停滞
コロンビア号の事故から1年後の2004年当時のブッシュ大統領はスペースシャトルの退役とともに、早くて2015年、遅くとも2020年までに有人月面ミッション「コンステレーション計画(Constellation program)」を実施する方針を示しました。


ところが、2009年から2016年までのオバマ政権で、月面への取り組みは失速。その間に中国の宇宙開発は目まぐるしい発展を遂げたとされます。


■オバマ政権時代の不毛ぶり
NASAの「宇宙開発年表」を見てみると、オバマ政権の2009年1月から2017年1月までの8年間は、NASAに関しては1977年に打ち上げられたボイジャー1号が2012年8月に「初の太陽圏からの脱出」を遂げ、2006年に打ち上げられた無人探査機ニュー・ホライズンズが2015年4月に「初の冥王星の近傍通過 」という記載しか見当たりません。


これはいずれもオバマ政権が行ったことではなく、過去に打ち上げられた探査衛星による記録に過ぎず、この間にはJAXAが打ち上げた「はやぶさ」によって「初の小惑星からの試料回収」成功が大変な話題になった以外に宇宙への取り組みはみられませんでした。おそらく、オバマ前大統領の頭のなかには「宇宙の『ウ』の字」もなかったようです。オバマ政権同様、バイデン氏には恐らく「宇宙開発」でのリーダーシップは期待できそうにないという印象です。


オバマ政権後、トランプ氏が大統領が就任し、再び宇宙分野でのリーダーシップ取らなければならないとして、2017年12月にトランプ大統領が宇宙政策指令第1号に署名し、有人月面探査と続く火星探査の実施が正式に決定し、のちに「アルテミス計画」(注)と名付けられました。


■「バイデン大統領誕生ならば辞任」表明した現在のNASA長官
NASA長官ジム・ブライデンスタイン氏は、米大統領選挙が米国の分断状況を生み出しつつある状況下でつい先日「NASAの長官」としての辞意を表明。


何故、この時期に辞意を表明なさったのか。彼は元々共和党議員で、トランプ大統領直々の指名でNASA長官に抜擢された人物であっただけに当然トランプ大統領を強く応援していたはずですし、「民主主義的プロセスではないバイデン政権が誕生する」というのは( 恐らくそのような心情を背景として)直接的な表現を避け、逆の言い方に変えて自らの意思を表しておられるのかもしれません。これは非常にノーブルなスタイルの抗議の形のように思います。


ブライデンスタイン氏は元パイロットで、共和党議員として職務に就いていた2017年に、トランプ大統領が直々に指名してNASA長官に就任


宇宙に関連する実務経験もなく、温暖化に関しても懐疑的な立場であったことからその資質を問われたこともあったそうです。


しかし就任以降は温暖化に対する考えを改め、月へ再び有人飛行を行い、さらには火星を目指すという大きな目標(のちに「アルテミス計画」と命名)を掲げてNASAを活性化させてきた人物でもありました。



NASA長官のジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine) 長官
もちろん手続き上は、まだ米国の次期大統領は完全にバイデン氏に決まったわけではありません。」


「またバイデン氏が大統領として政権についたとき、宇宙に関する政策がその重要かつ優先事項のリストに載っているかどうかもまだわかりません。」


「そのようなときにやはり大統領により近い人物がNASA長官である方が良い」と表明。

引用記事は以下のような内容です。

引用元:

NASA長官ジム・ブライデンスタイン氏は、米大統領選挙で民主党のバイデン氏が勝利したのを受け「NASAが政治的に最高の物を確保できるよう」現在の地位から退く考えを示しました。


これはNASAとして、また米国としての宇宙探査プログラムに最大の利益を引き出すため、米国大統領と親しい人物がNASA長官に当たるべきという考えから、と。


ブライデンスタイン氏は「行政管理予算局、国家宇宙会議、国家安全保障会議を含め、米国の新政権に対して私は適切な人物ではないと思います」と述べ「長官は大統領に近い人材を」というのが持論のようだ。


ブライデンスタイン氏は元パイロットで、共和党議員として職務に就いていた2017年に、トランプ大統領が直々に指名してNASA長官に就任。宇宙に関連する実務経験もなく、温暖化に関しても懐疑的な立場であったことからその資質を問われたこともあったが、就任以降は温暖化に対する考えを改め、月へ再び有人飛行を行い、さらには火星を目指すという大きな目標を掲げてNASAを活性化させてきた。


また、SpaceXなどにISSへの飛行士輸送や月着陸船の開発を委託するなど民間企業の手を借りることでスピード感ある技術開発を促し、スタートアップ企業に宇宙計画参画の門戸を開いた


こうした実績から、いまでは共和党/民主党隔てなくNASA長官としての支持を得ており、大統領選挙前には、もしトランプ氏が選挙に敗れたとしても長官の職務続行を望む声があがってると伝えられていた。


とはいえ、ブライデンスタイン氏は自らの立場よりもNASAの将来を第一との考えのようで「米国には宇宙探査で偉業を達成し、世界をリードしなければならないという政治的合意があります...そして議会とは今後も計画を持続可能なものとしていくのに良い関係にあると思います」と述べ「私は幻想は抱いていません。NASA長官として、素晴らしい仕事をこなせる人材が他にもたくさんいます」と。


もちろん手続き上は、まだ米国の次期大統領は完全にバイデン氏に決まったわけではありません。またバイデン氏が大統領として政権についたとき、宇宙に関する政策がその重要かつ優先事項のリストに載っているかどうかもまだわかりません。そのようなときに、やはり大統領により近い人物がNASA長官である方が良いという」というのが彼の意思のよう。

なお、ブライデンスタイン氏は退任後についてはまだ何も計画はないとのこと。


バイデン民主党政権の誕生、NASAの長官の交代などが起これば、現在NASAによって、日本・カナダ・ヨーロッパ、国際パートナーとの協力で推進されているている「アルテミス計画」(注)への影響が懸念されます。


「アルテミス計画」では、嘗てのアポロ計画のような単一的な月面着陸ではなく、人類が月面に滞在するのに必要な環境やシステムを整えることで、持続的な探査と火星へのアクセスのハードルを下げることが期待されていました。


トランプ大統領の共和党政権の2期目となることが、こうした人類の宇宙計にとってもベストのようなのですが・・


(注)アルテミス計画
3つのミッションに分類。

「アルテミスⅠ」
無人飛行試験。2021年11月に実施見込み。
大型ロケット「Space Launch System(SLSロケット)」と「オリオン宇宙船」を地球から月まで往来させる。ミッションは最大42日間の想定で、13のキューブサットを放出。


オリオン宇宙船(Orion Spacecraft):
宇宙飛行士たちと貨物を月軌道上またはゲートウェイまで送る宇宙船
4名の宇宙飛行士の搭乗が可能。





「アルテミスⅡ」
SLSロケットとオリオン宇宙船の有人飛行試験を実施。
打ち上げは2022年の予定。ミッションは10日間の想定。




「アルテミスⅢ」
2024年を目標に進められている有人月面着陸
月面着陸には月軌道ゲートウェイも活用されるようです。

月の周回軌道上に宇宙ステーション「月軌道ゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)」は宇宙探査や研究拠点となる。2026年の完成を目指し、将来的には100日程度の長期滞在も可能になる予定」なのだそうです。


最終的には2028年までに月面基地の建設を目指すという計画のようです。




参考:

引用元:




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