ハルピン駅
安重根の撃った弾が伊藤博文の致命傷になったかどうか。つまり真の暗殺者は駅の2階の食堂の窓からフランス騎馬隊のカービン銃を用いた狙撃者だったのではないかという説があるようです。
ロシア側の証言では、安重根は最初の2発はしゃがんで撃ち、3発目は左手を右肘に添えて冷静に狙って撃ったとされていますが、伊藤と同行した室田義文貴族院議員の証言からは、伊藤の傷は右肩から左下に体内に残った弾が致命傷であったようで、そのような角度になるには、二階などの高い場所からの狙撃でなければ出来ない。それから、安重根本人は伊藤の顔を知らず、それ故に伊藤の後ろにいた人物も念のために撃っています。伊藤の随行者達は計10発もの流れ弾を受けており、安重根の拳銃以外の銃からもほぼ同時に弾が発射されたと考えられる。そして彼が所持していたブローニング拳銃の製造番号から製造元はベルギーのFN社、販売先はクンフト社、つまりロシア陸軍のものだった。その入手経路は不明。
ロシア側には日露戦争に至るまでの経緯から伊藤への恨みがあり、暗殺の動機もあった。安重根を逮捕したのがロシア官憲であったことから捜査記録は安重根以外の狙撃者(おそらくロシアの特務機関の人物)に言及するはずもありません。
高宗皇帝は当初「韓国の慈父」と伊藤を慕っていたそうで、また伊藤は実は親韓派の人物でした。何よりも皮肉なことに、安重根が願った東洋の発展にとって、伊藤博文という人物はまさに消されるべき人物では決してなく、歴史に「もし」は無意味なのですが、伊藤という東洋の偉人が暗殺で倒れていなければ日韓のこれまでのような歴史とは違った歴史があったのかもしれませんね。
コメント
まさにケネディ暗殺と同じように、裏の組織とでもいうべきところが主犯である雰囲気ですね。
2018/8/18(土) 午後 10:21 泉城
> 石田泉城さん
沢山のナイスをありがとうございます。
私はこの記事を書くためにハルピンの暗殺事件のことを調べているうちに、ようやく「歴史の裏側には表の歴史を操るような何らかの意志(陰謀)が潜んでいて、それに知らず知らずの内に一般大衆や社会などが翻弄されてしまう」ということがわかりました。現代社会にもあてはまることも多いようですね。
2018/8/18(土) 午後 10:52 kamakuraboy
kamakuraboyさんのブログの「歴史の真実①」へのコメントで安重根のことを書いたときはまだ「②」「③」「④」「⑤」の内容を見ていませんでしたので、その後こんなにも彼のことについての語られるようになるとは思ってもいませんでした。
また、わたし自身、安重根のことについてはほとんど知っていませんし、伊藤博文についてもまったく同様です。
ですから、kamakuraboyさんの最後の1行の
> 伊藤という東洋の偉人が暗殺で倒れていなければ日韓のこれまでのような歴史とは違った歴史があったのかもしれませんね。
ということも、そうだろうとは思いますが、それ以上のことについては想像もできません。
2018/11/2(金) 午後 11:15 [ weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼) ]
> weeping_reddish_ogre(泣いた赤鬼)さん
そうですね。歴史に「もし」は無意味ですね。でも、もし伊藤博文が暗殺されず、日本が韓国を併合せず保護国のままとしていたならば、不凍港が欲しくたまらないソ連が第二次大戦中に侵攻していただろうと思います。曲がりなりにも日ソ不可侵条約があったため45年の8月8日までは朝鮮半島はソ連から守られていたわけです。
日本が併合していなければ朝鮮半島に侵攻したソ連が自国に編入してソ連領になっていた可能性が高いと思います。実際北朝鮮という国家は元々ソ連の傀儡国家ですし。
南北で分断されずに半島全体がソ連領になっていただろうなと。例えば中国の一部に延辺朝鮮族自治州(えんぺんちょうせんぞくじちしゅう)と呼ばれる地域は「朝鮮族」と呼ばれる人々の住む地域だそうです。現在この地域の朝鮮族の人々の海外脱出が多くなってきたそうですが、どこに逃げているのでしょうか。
2018/11/3(土) 午前 0:21 kamakuraboy
2018年1月20日ヤフーブログに投稿した記事より