中国古代の科学は、立体的かつ全方位的なもので、地上の人々と天(次元の異なる世界、天界あるいは天意・天象)との密接な関係を明らかにして来ました。その科学観から、人々は天象の変化を観察し、人間界の大きな影響と今後起こるべき出来事を予測して来たのです(metamorworks / PIXTA)
五千年の歴史を有する中華文化は、先史文明から継承してきたことも含めて、物質と精神に対する理解が深く、科学的な知識にも富んでいます。
現代西洋の実証科学が、現象を一つ一つ分析して知識を統合してきたのに対して、中国古代の科学は、宇宙、生命、人体等の方面において、最初から全体を視野に入れての統合を、洞察・省察した結果生まれてきた全体の科学なのです。
しかしながら、現在ではその中国正統文化の正当性について理解するものはほとんどいなくなってしまいました。
人は生まれてすぐに、五官を通して周囲の人や物を認識することを学びます。自らの感覚から周囲の事物を観察し、己の存在とその他の生命や事物を認識し、それをもとに自らの命運を決定していくのです。
しかし、その認識は往々にして狭く、宇宙のその他の世界については無関係であるといえます。これは、ニュートン物理学に由来する限定された観察方法です。
この限定された観察方法は、人が後天的に獲得した「常識」であり、一方でその常識がその人の思考、推理、判断を導いていきます。
中国古代の科学は、立体的かつ全方位的なもので......
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