中国が米国の政治に影響力を持ち込むことに成功した今、共産党が忌避していたであろう「デカップリング」という言葉が、西側の政治やビジネスで広く議論され、場合によっては実践されている(Getty Images)
最近、中国経済の深刻な問題に関する報道が相次いでいる(ウォール・ス トリート・ジャーナル、フォーチュン、フィナンシャル・タイムズ、日経 チャイナ、バロンズ、ロイターなど)。
積極的な対話や協力を重視する『フォーリン・アフェアーズ』誌が「中国経済の奇跡の終焉」というタイトルの記事を掲載したのであれば、状況は更に悪化しているに違いない。
これに対し、中国国営メディアは、中国経済を支えてきた海外からの直接投資の栓を維持するために、また自己欺瞞で現実を覆い隠している。「消費者物価指数(CPI)は低下したが、需要はまもなく回復する」(『中国日報』8月8日付)、「中国は回復と信頼を高める措置を導入」(『人民日報』8月5日付)、「外資系企業はさらなる優遇措置を受ける」(『中国日報』8月3日付)などの報道が中国に満ちている。
中国の「経済的奇跡」はそれ以外の何物でもない。その成長の基盤は、「改革開放」によって直接利益を得た欧米の政治家や実業家によって意図的に築かれたものだからだ。
習近平氏が率いる共産党は、当初の欧米が中共の好戦的な姿勢は関与政策によって抑制・軽減できるという想定が、いかに愚かなものであったかを明らかにしている。
そして、中国が米国の政治に影響力を持ち込むことに成功した今、共産党が忌避していたであろう「デカップリング」(そしてそのソフトバージョンである「デリスク(リスク回避)」)という言葉が、西側の政治やビジネスで広く議論され、場合によっては実践されている。
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