恐怖体験などで情緒不安定になっている人は、
外傷以外にも体の不調があちこちに現れています。
前回のブログでは、Mさんの呼吸の不調について説明しました。
今回は、Mさんの目(視線の方向)に関する問題を説明します。
「目・・?」・・目にどんな問題があるか、想像がつきますか?
ここでの 目の問題は、「心の問題」として一般には考えらていますが、
Miz は「目の方向性」という視点で考え、整体に生かしています。
3視線の方向の改善 = 外界に向かう目・内界に向かう目
モノを見るとき、私たちは目を動かしますね。
近くを見たり、遠くを見たり、右や左を見たり・・。
--------この時、動眼筋=目を動かす筋肉=が働きます。
動眼筋が動くと、頭皮や側頭も微かに動くのですが、
その関連を皆さんはご存じでしょうか?
では、軽く実験をしてみましょう。
頭の上、または耳の前に手の平を当てて、目を動かして下さい。
右、左、右、左と、目をしっかり動かすと、
手の平の下で、何かが動いているのを感触することが出来ます。
-------頭皮や側頭が、動眼筋に連動して動いているのです。
(感知できない人でも、集中して試みると判別できるようになります)
次の実験は、もう少し高感度の感触が必要です。
頭の上、または耳の前に手の平を当てて、
前、後、前、後と、目を動かして下さい。
----頭皮や側頭が動くのが分かりますか?
そうしたら、次は、
前方を見てから、友人の顔や名前を思い出して下さい。
ほら、手の平に、微妙に異なる動きが感触されるでしょう。
・・・触感出来ない人でも、集中して繰り返せば分かるようになります。
(ロ)外界を見る目、内界を見る目
このように、外界を見る時と、内なる世界(記憶)をたどる時とでは、
頭皮や側頭に異なる動き(=方向性)が現れます。
頭皮の場合、その方向性は、おおよそ、
外界を見る時は、前向きに動きます。
内界(記憶・脳)に向かう時は、後ろ向きに動きます。
この触感上の現象から、Miz は、
「私たちの目は、二つの方向性を持っている」
「外界に向かう目と、内界に向かう目との、二つの方向性がある」
と、触感に基づいた考えを持つようになりました。
前を見る時は、外界に向かう目が働きます。
友人を思い出す時は、内界(記憶)に向かう目がよく働きます。
内界に向かう時、外界(前方)に向かう目の働きは弱まります。
恐怖体験をすると、
恐怖の記憶が強烈に脳にインプットされます。そのため、
目の方向性は、内界方向(強烈な記憶)に後ろ向きに強く働くので、
外界を見ていても、しっかりと外界を認識せず、うつろで、
~~~「心、ここに在らず」の目になってしまいます。
(ハ)情景記憶のトラウマの解消法
Mさんの目は、それほど”うつろ”ではありませんでしたが、
Mさんには、まず、前方(外界)をしっかり見ていただきます。
前方をシッカリ見ると、目の周りや頭皮が動眼運動とリンクして動きます。
Miz の手は、目が前方を見るときにリンクして働くこの動きを抑え、保持します。
Mさんの目の周りや頭皮には、
内界に向かう目の動き(=強盗事件の記憶)がまだ残っていて、
特に頭皮には、縦の筋(スジ)や斜めのスジが顕著にみられます。
Miz は、残留している縦や斜めのに働く筋(スジ)を遮断する整体作業をします。
この作業は、おおよそ、スジに対して垂直方向に軽く撫でる作業です。
内界に向かう筋(スジ)方向性は、動眼筋、頭皮・側頭・頬筋などにも残留しているので、Miz 整体ではそれも修整します。
この整体作業では、施術者の意識がしっかりと前方を向いていることが必須です。
恐怖体験後に、その情景がトラウマになっている人には、
内界に向かう目の方向性を遮断する整体作業は、効果がありますが、
この作業を的確に行うには、幾つかの重要なテクニックがあるので、一般の方が行うのは難しいでしょう。
効果はやや劣りますが、
一般の人でも出来る方法 をお教えします。
イラストで分かりやすく説明したいところですが、
年末多忙のため、箇条書きで説明します。
1頭の上に、両手の指を立て、軽く爪を当てるようにして乗せます。
2両手の指を、左右方向にやわらかく動かします。
3爪先に、微細な縦スジを感知したら、そのスジを左右に撫でます。
(この縦スジが強く働かないようブロックする意識で行う)
4次に、耳の前方に、両手の爪先を当てます。
5耳の前方は、上下に、軽くやや大きく爪先を動かしましょう。
6特に前頭部は、動眼筋の影響が現れる部位なので、念入りに撫でましょう。
この方法は、
目の疲れにも効果があります。
どうぞ、お試し下さい。
ただし・・やり過ぎないように、ね。
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