みーばぁ整体室より: 体の謎とバトルの日々

みーばぁ整体室の現場では、病気や痛みや体の謎を解きつつ施術が進みます。謎が解けると施術も上手くいく。それが楽しいの。

私が整体の仕事を辞めない理由

2011-09-13 | コラム

月に一度、私はU子さんの整体に出かけます。

U子さんは 86才。

自立心のあるシャキッとした方で、週に2度、デイサービスに通っています。

私はボランティアのつもりで、U子さんの体のケアをしていました。


先日、U子さんが、突然こんなことを言うのです。

「私ね、この家を売って、息子と東京で暮らすことにしたわ。

それが息子の希望なので、「いいわよ」って決めたの」と。


200坪余りの、広くて手入れの行き届いたこの家。

50年以上も住み慣れ、親しいご近所もいるこの家。

この家から出て、U子さんは東京に住むという。


「ええっ、私、さびしい!!!・・」

思わず私は、U子さんの手に自分の手を重ねていました。


そのとき、私は、気づいたのです。

U子さんは、いつも、私の訪問を喜び感謝してくれます。

感謝の笑顔と言葉で、私はゴキゲンになり、

U子さんの面倒を見て上げているんだ、と自惚れていました。


~~しかし、そうではなかった。

実は私が、U子さんから、喜びを頂いていたのだ、と。

喜びがあるために、U子さんを毎月お訪ねしていたんだ、と。


U子さんが東京に行ってしまったら、

その喜びを頂くことは出来なくなる。

それは、すっごく、さびしい!!!・・・


私はその時、もう一つ、気づきました。

私が整体という仕事を辞めない、その理由を・・。


私は、先月、古希を迎えました。

ふつうなら、引退の年齢です。

でも、整体の仕事は、まだ続けていきたいと思っている。

その理由は何か・・・、

お客様の痛みや辛さを治したときの、満足感・・。

自分の技術で難しい疾患を治した時の、達成感・・。

お客様から「ありがとう」と言われた時の、誇らしい気持ち。

~~それかなあ、と。


でもそれは、思い上がった自惚れだと悟ったのです。

お客様から「ありがとう」と言われたとき、

私は最高に幸せな思いを、お客様から頂いていたのでした。

それが生き甲斐となっていて、

私は整体の仕事を辞めたくないのだ、と悟りました。


「ありがとう」は、私がお客様に言うべき言葉だったのよ。

U子さん、「ありがとう」

・・・・でも、やっぱ、さびしいな~。

 



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