Uさんの腹水の話を前回のブログで書いていて、ふと、
ある苦い体験を思い出しました。・・昔の古い話ですが。。。
この話、以前に書いたことがあるので、それを転載します。
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ある日、七十を過ぎた女性が「心臓が苦しい」ということで、来室しました。
人口透析を、週3回受けているという女性でした。彼女は、
「最近、心臓に水が溜まって、胸が苦しいんです。透析の先生は、どうにも方法が無いと言って・・・」と訴えるのです。
当然、Miz はお断りしました。しかし彼女は、
「こんなに苦しいなら、死んだ方がましだ」と言い、
「触るだけでもいいから、お願いします」と言って帰ろうとしません。
Miz は心が揺れてしまい、つい、
「触るだけで、いいんですね」と念を押して、ベッドに招じ入れてしまいました。
Miz は女性の足元に座り、両足に触れました。冷たい足だったので、足を温めるほっとワークという施術で足を温めました。
・・触ったのは足首から下。足首より上は触りませんでした。
20~30分くらいすると、女性の口から、
「ああ、楽になった。・・呼吸が出来るようになった。よかった、うれしい」という言葉が漏れました。
~~ほっとワークで足の血流が改善し、胸郭内に停滞していた水分に良い変化が起きたのでしょうか。
女性は感謝の言葉を残して、帰って行きました。
Mizはほっとワークの不思議な作用に驚きながら、心うれしく見送ったのでした。
翌朝、女性から電話がありました。
「昨夜から下痢が始まって、何度も何度もトイレに行って、今朝になっても止まらない」という電話でした。
Miz は ハッと気づきました!!!
心臓を圧迫している腹水は、ふつうの場合、排泄されるとしたら小便となって体外へ出ていくはずです。
しかし、彼女は人工透析者で、腎臓機能に障害があり、正常な排尿ができない人でした。
だから、余分な水分は小便としてではなく、大便に混ざって、つまり水分の多い下痢便となって体外に排出される羽目になったのでしょう。
~~今さらそれに気づいても、時すでに遅し。
Miz は、「少しの間、我慢して下さい」と謝るしかありませんでした。
その後も、女性から電話がありました。
「まだ、下痢が止まらない。水のような下痢なので、お尻が腫れ上がってしまった。なんとか出来ないですか」と。
が、いったん始まった腹水の流れを止める術を、Miz は知らない。・・軟膏を塗るくらいの方策しか知らない。
Miz は一言「心臓の苦しさは軽減していますか」と尋ねましたが、
彼女は、心臓の苦しさなど、どこへやら、
「お尻がただれて、たいへんな辛さだ」と訴え、Miz はただ「すみません」と言うしかありませんでした。
彼女の下痢は、2日半続いて、やっと治まりました。
2日半続いた下痢は、溜まっていた腹水が、ほっとワークという施術で足を温めた結果として現れた事象だろう、とMiz は考えています。
感謝されるどころか、恨まれる羽目になったほっとワークの施術でしたが、そのメカニズムに驚き、人体の未知のシステムを目の当たりに見せられた思いがしました。
また、人の体に施術をほどこす整体という仕事は、多くの事態に配慮して行わなければならないことの教訓としても、強く印象に残った事例でした。
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有難いことに、Uさん(前のブログ記事)の場合は、下痢便にはならなかったようです。 ~~~~~~よかったぁ。
おそらくUさんの腎機能は正常に機能していたので、腹水は小便として体外に排出されたのでしょうね。
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