みーばぁ整体室より: 体の謎とバトルの日々

みーばぁ整体室の現場では、病気や痛みや体の謎を解きつつ施術が進みます。謎が解けると施術も上手くいく。それが楽しいの。

頚椎 前すべり症・・8月のカルテから(6)

2014-09-05 | 体は不思議

8月29日に、Miz整体でサプライズがあった話です。

サプライズと言うと「難しい症状が奇跡的に治った、という話かな」と皆さんは思うでしょうが、

Mizのサプライズは、「驚きの体の仕組みに出会った」ときの感動です。

~~例えば、こんな感じに・・、

「すごい!~~体には、こんな巧妙な仕組みが潜んでいたんだ」とか。


------------サプライズの話は、少し長くなりますよ----------------------

サプライズが現れたのは、Hさん(30歳、女性)です。

Hさんは、もともと頭部前方位(頚椎前すべり症)と言われる姿勢(骨格特性)の持ち主でした。

この姿勢は、首~頭が前に突き出て、顎が前方変位し、首の猫背とも言われています。

パソコン姿勢や運転姿勢でなりやすい姿勢ですが、赤ちゃんにもこの姿勢が見られることから、生まれつきの骨格特性である場合も多いと思われます。

この姿勢は、肩こり、頭痛、アゴの不具合などの症状以外に、様々な病気の起因となっていることが多く、歯科科学でも関心が持たれています。

頚椎前すべり症は、頭蓋骨と頚椎(特に環椎)の間の接続部(かみ合わせのズレ)に問題が生じますが、

これがどのような問題を内包しているかについて、皆さんにイメージしていただくために、Mizは下記のようなイラストを作りました。

下のイラストで、環椎と頭蓋骨の関係がイメージ出来るでしょうか?


    
______サプライズの話に入ります______________

整体前日の8月28日に、Hさんからメールが届きました。

「今月は大きな体調の変化があったのでメールをいたします。

ずっと続けていた”手合わせ体操”が、上手く出来なくなってしまいました。
また、後頭部から大量の汗をかくようになりました。
寝ていても寒くても、朝、枕がびしょぬれの状態が続いています。
 ------省略-------
詳細については、明日、お話いたします。
どうぞよろしくお願いいたします」
     ____________________________________________________
 
29日、Hさんが母親と来室しました。彼女の体調の変化を要約すると、
1後頭部と顔に、大量の汗をかく。
2食べ物やつばを呑み込みにくい。のどが動かない。
3甲状腺に異常がある」と先週、診断された。
4バスで酔うようになった。
ねこ背になってしまった。
「手合わせ運動」が、前のようにうまく出来ない。
 
皆さんの中で、上の症状が「頚椎と頚椎の接続(かみ合わせ)の異常と関係がありそうだ」と考える人はいらっしゃらないと思いますが、
Mizはこれまでの経験から、Hさんの頭蓋と環椎の接続(かみ合わせ)に問題がありそうだと感じました。
特に「後頭部に多量の汗をかく」症状には、頭蓋と頚椎間に問題(圧迫)があることを示唆する症状と思いました。

上のような問題への施術として、Miz整体では、上下顎の噛み合わせを是正する施術を行うのですが、
この日Mizは、Hさんのオトガイ筋の傾きと太さに異常を感じたので、
下顎の上下・左右・前後のバランスを、オトガイ筋がアゴの中心に位置する方向を目指して施術しました。
すると、どうでしょう。
オトガイ筋の角度が変わり、同時に細くなりました。この変化に気づいて、
Miz が「オオッ!」と感嘆の声を挙げた時、
Hさんも「アアッ!」と、同時に声を挙げました。~~何を感じたのか・・。

~~~その後に、劇的変化が起こっていました。・・Hさんいわく、
1つばが呑み込みやすくなった。
「ほら、のどが動くでしょう。・・のどが動かなかったんですよ。
 もしかして、甲状腺異常も良くなるかもしれませんね・・」
2ねこ背とあご出しの姿勢が改善。
(頭が首のところで前傾していた姿勢が、改善した)
3「手合わせ運動」がうまく出来るようになった。
 (・後頭部と顔に多量に汗をかく症状が改善したかは、不明です)

-------Mizが最もサプライズしたは、の項目です。----------------------

Hさんは、その日の来室早々に、
「手合わせ運動が出来なくなった」と言って、その運動をしてみせました。
「両手を合わせてから開く」という簡単な動作なのに、両手がダランとして気の抜けたような運動しか出来なくなっていたのです。
本人が言うには「やり方が分からなくなった、手に感覚がない」とのこと。

ところが、オトガイ筋の改善後、Hさんは、
即座にパーフェクトな手合わせ運動が出来るようになったのです。
「今までの感覚が戻ったわ」と言いながら・・。
~~同席していた彼女の母親も、その劇的変化に驚いていましたよ。

~~~~Miz が何にサプライズしたかと言うと~~~~~~~~

一つは、アゴの中央にあるオトガイ筋を再認識させられたことです。
Mizは「体の正中線」というものに深い関心をもっていますが、
体の前面の正中線として、”恥骨の中心、へそ、みぞおち、鼻の中心、頭頂” を重視していました。
この日のサプライズで、オトガイ筋もその重要な正中線上の指標だと認識させられたことです。
 (よろしければ、体の正中線に関する記事をどうぞ)

もう一つは、頭蓋と頚椎(環椎)間の接続に関するサプライズです。
Hさんが手合わせ運動の感覚を取り戻し、のどが改善したのは何故か?
Miz は、オトガイ筋が改善したことがその理由ではないと考えています。
傾いていたオトガイ筋がアゴの中心に位置したのは、
Hさんの顎関節の改善(上下顎の前後バランス、左右バランス、上下バランスの改善)による結果であって、
顎関節の改善と同時に、
首(環椎)と頭蓋の接続部(かみ合わせ)にも改善が見られ、
改善によって、首(環椎)と頭蓋の間を行き交う情報が滞りなく行き交うようになったのではないか・・・。
~~その結果が、Hさんの症状の劇的変化の理由であり、
~~その結果が、Hさんがそれまで思い出せなかった手合わせ運動の感覚がもどった理由ではないか、
そうMizは考えたのです。

念のため、MizはHさんの頚椎の状態を、後ろから触診しました。
そして、頚椎の角度の異常(出っ張り)が改善されていることを確認しました。
上下顎(顎関節)の改善が、頚椎の改善につながっていることを確認したこと。それは、Miz にとって大きなサプライズでした。

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脳は、頭蓋の中に存在します。
体の情報は、脊柱という骨に守られた通路を通って、脳に伝えられます。
もし、骨という容器が支障を来たせば、体と脳を行き交う情報にも支障が及ぶでしょう。
中でも、後頭骨と環椎を結ぶ通路は、支障を受けやすいところで、カイロプラクティクやその他の手技療法は、後頭骨と環椎への施術の研究を重ねています。
MizのHさんへの施術は、頭蓋と環椎《頚椎)の問題を、頚椎ではなく顎(下顎)からアプローチする方法で、かなりユニークなテクニックだと思っています。
脳の健康については、多くの分野からの研究や医療が行われていますが、
Miz は、整体という立場を通して、脳の健康を考えています。
 
では、環椎と頭蓋の関係をもう一度見てください。
 

 
・・・これで、「8月のカルテより」のブログを終わります。
   最後まで読んでいただき、恐縮かつ、ありがとうございます。



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