こんにちは、ファーティマ松本です。
前回は、ユダヤ人の当時のメンタリティーについてお話しました。
奴隷であった彼らは、支配者であるエジプト人達に憧れのような気持ちを持っていたということでした。
当時のエジプト人は、多神教プラス偶像崇拝者達でありましたから、唯一神教とはかなり相容れない人達でありました。
しかし、
そんな人達に憧れの念を持つ、、また、彼らと同じように偶像を崇拝したい、、、
というのは、ちょっと、、、
預言者ムーサさん(平安あれ)にとっては、受け入れ難い話であった事でしょう。
そんなユダヤ人達のために、神様は法律をお与えになりました。
法律というか、決まりというか、まあ、しっかり生きて行くためのガイドラインの様な物です。
これを「律法(タウラー)」と言います。
『そしてわれは、かれのために一切の事物に関する訓戒と、凡のことの解釈とを碑の上に記して(言った)。
「これをしっかり守れ。
またあなたの人びとにその中の最も優れた(道)を守るよう命じなさい。
われは主の掟に背く者の住まいをやがてあなたがたに示すであろう。』
(7−145)
神様は、この律法をムーサに直接渡すべく、彼をシナイ山まで来させました。
ただ、神様から直接そんな大事な物をいただくわけですから、
それ相応の<お清め>が必要になります。
そのため、神様はムーサさんに30日の断食をするように伝えられました。
ムーサさんは、しっかりと30日間の断食を終えられましたが、
神様は、あと10日間、断食をするように伝えたそうです。
結局、40日間の断食を経て、ようやくムーサさんは神様と言葉を交わされるようになりました。
この部分をクルアーンで見てみましょう。
「われはムーサと30夜の約束を交わし、さらに10夜を加えた。
それで彼の主との約束の期間は40夜になった。」
(クルアーン 7:142)
シナイ山でアッラーから直接啓示を受けたムーサさんは、アッラーを「直接見たい」と願いました。しかし、神様は彼に次のように言われました。
『ムーサーがわれの約束した時に来て、主がかれに語りかけられた時、かれは申し上げた。
「主よ、あなたに拝謁が出来るように、(親しく)わたしに姿を御現わし下さい。」
かれは仰せられた。「あなたは決してわれを見ることは出来ない。だがあの山を見よ。
もしそれが、相変わらずその所に安定しておれば、そこにあなたはわれを見るであろう。」
主がその山に(神の御光を)現わして山を粉みじんにすると、
ムーサーは(余りにも恐ろしいので)気絶して倒れた。
意識が回復した時、かれは言った。
「あなたの栄光を讃えます。わたしは悔悟してあなたに帰依し、わたしは信仰する者の先き駆け となります。」(クルアーン 7:143)
結局、ムーサさんは神様のお姿を見ることはできませんでした。
現世での私達の身体というのは、神様のお姿を見る事ができないようになっているそうです。
しかし、死後、来世において(もし天国へ入れた場合は)
神様のお姿を見ることができるようになるそうですよ。
と言うか、、、神様のお姿を見る事が、何よりの褒美だそうです。
生きている間に、良いことをたくさんしていた人達は、神様のお姿をより頻繁に見ることができるとの事。(いいですねえ。)
では、ムーサさんが神様から受け取った律法には、何と書いてあったのでしょうか?
残念ながら、律法の原本はこの世には存在していません。
しかし、
神様はユダヤの民にこんなことを伝えたのだろうと分かる箇所が、クルアーンの中にいくつかあります。
例えば、
『われがイスラエルの子孫と、約束を結んだ時のことを思い起せ。(その時われは言った。)
「あなたがたはアッラーの外に、何ものも崇めてはならない。
父母に孝養をつくし、近親、孤児、貧者を親切に扱い、人びとに善い言葉で話し、
礼拝の務めを守り、定めの喜捨をしなさい。」
だが、あなたがたの中少数の者を除き、背き去った。」 (2-83)
まずは、何と言っても
「唯一の神(アッラー)を崇拝すること」
偶像崇拝を禁じ、唯一の神に従うよう命じられましたねえ。(そりゃそうだ!)
続いて、 両親を敬うことの重要性ですよ!
まずは、神様を崇拝。そしてそのすぐ後が<両親>です。
親の立ち位置ってすごいですよね。
この順番は、イスラム教でも、もちろん同じです。
(こんな風に教えられています↓。)
『あなたの主は命じられる。かれの外何者をも崇拝してはならない。また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが、あなたと一緒にいて老齢に達しても、かれらに「ちえっ」とか荒い言葉を使わず、親切な言葉で話しなさい。』(17-23)
『そして敬愛の情を込め、両親に対し謙虚に翼を低く垂れ(優しくし)て、「主よ、幼少の頃、わたしを愛育してくれたように、2人の上に御慈悲を御授け下さい。」と(祈りを)言うがいい。』
(クルアーン 17:24)
親を大事にすることについては、以前にも書いた事があるので、今回はこの辺で、、、。
次に、律法に関し、こんな記述もあります。
『われはかれらのために律法の中で定めた。
「生命には生命、目には目、鼻には鼻、耳には耳、歯には歯、
凡ての傷害にも(同様の)報復を。」
しかしその報復を控えて許すならば、それは自分の罪の償いとなる。
アッラーが下されるものによって裁判しない者は、不義を行う者である。』(5-45)
目には目をって、良く日本語でも引用されますね。
しかし、後半部分は今まで聞いた事がないかもしれません。
そうです、許せるなら許したがほうがいい、という部分です。
人を許すことの大切さも、以前に書いたので、どんどん進んでいきましょう!
律法には、安息日を守るようにという決まりもあったようです。
そして、極めつけが預言者の到来の予告が含まれていました!!
『彼(預言者ムハンマドさん)は、彼ら(ユダヤ人)の持っている(啓典)律法と福音の中に、<記され>見い出される者である。』(クルアーン 7:157)
この点については、また後ほど触れていきます。
彼らの律法(タウラー)は、人類に与えられた最初の啓典ですから、量的にはそんなに多くはないです。
しかし、時間を書けて、どんどんと啓典は発展していきます。
その最終版が、クルアーンということです。
残念なことに、クルアーン以外の啓典は、人の手により書き加えられたり、書き損じられたりしたため、原型を留めていません。
つまり、最も純粋な啓示は、ムハンマドさん(平安あれ)を通して伝えられたクルアーンだけとなります。
『われは真理によって,あなたがたに啓典(クルアーン)を下した。
それは以前にある啓典を確証し,守るためである。』(クルアーン 5:48)
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!
=========================
アマゾンから電子書籍発売中!
『神様に一番近い人の頭の中身』
https://amzn.to/4hwrVUp
生きる意味を見失い、暗闇の中を彷徨っていた樹里。
同棲相手との暴力的な関係、妊娠、そして心に残る深い傷…。
そんな彼女の前に現れたのは、サウジアラビアから来た研修生、アハメッド。
彼の話すイスラム教の教えや価値観に触れた樹里は、
「幸せ」「成功」「愛」「お金」といった、当たり前だと思っていた価値観が揺さぶられていく。
アハメッドとの交流を通じて見えてきた、新しい人生の視点とは?
暗闇から抜け出し、心に光を灯すヒントはどこにあるのか?
この物語は、傷ついた心を抱えるすべての人に贈る再生の物語。
「本当の幸せ」を見つけたいと思っているあなたへ。
「イスラム的現世の歩き方」
https://amzn.to/3YGToKt
現世を穏やかに、そして来世で永遠の幸せを手に入れるために。
この本は、イスラムの教えに基づいた人生の処世術を探求します。
人生の目的とは何か?
この世で直面する困難に、どう立ち向かえばよいのか?
本当の幸せとは、どこにあるのか?
私たちは、ただ偶然に生まれたわけではありません。
全てに意味があり、あなたの人生にも明確な目的があります。
現世をどう歩むかは、来世の幸せと深くつながっています。
イスラム的な視点を知ることで、あなたの人生は新たな光に包まれるでしょう。
初めてイスラム教に触れる方にも、分かりやすくシンプルなガイド。
この本を通じて、神様に守られた平和な生き方と、天国への道筋を発見してください。
=======================
前回は、ユダヤ人の当時のメンタリティーについてお話しました。
奴隷であった彼らは、支配者であるエジプト人達に憧れのような気持ちを持っていたということでした。
当時のエジプト人は、多神教プラス偶像崇拝者達でありましたから、唯一神教とはかなり相容れない人達でありました。
しかし、
そんな人達に憧れの念を持つ、、また、彼らと同じように偶像を崇拝したい、、、
というのは、ちょっと、、、
預言者ムーサさん(平安あれ)にとっては、受け入れ難い話であった事でしょう。
そんなユダヤ人達のために、神様は法律をお与えになりました。
法律というか、決まりというか、まあ、しっかり生きて行くためのガイドラインの様な物です。
これを「律法(タウラー)」と言います。
『そしてわれは、かれのために一切の事物に関する訓戒と、凡のことの解釈とを碑の上に記して(言った)。
「これをしっかり守れ。
またあなたの人びとにその中の最も優れた(道)を守るよう命じなさい。
われは主の掟に背く者の住まいをやがてあなたがたに示すであろう。』
(7−145)
神様は、この律法をムーサに直接渡すべく、彼をシナイ山まで来させました。
ただ、神様から直接そんな大事な物をいただくわけですから、
それ相応の<お清め>が必要になります。
そのため、神様はムーサさんに30日の断食をするように伝えられました。
ムーサさんは、しっかりと30日間の断食を終えられましたが、
神様は、あと10日間、断食をするように伝えたそうです。
結局、40日間の断食を経て、ようやくムーサさんは神様と言葉を交わされるようになりました。
この部分をクルアーンで見てみましょう。
「われはムーサと30夜の約束を交わし、さらに10夜を加えた。
それで彼の主との約束の期間は40夜になった。」
(クルアーン 7:142)
シナイ山でアッラーから直接啓示を受けたムーサさんは、アッラーを「直接見たい」と願いました。しかし、神様は彼に次のように言われました。
『ムーサーがわれの約束した時に来て、主がかれに語りかけられた時、かれは申し上げた。
「主よ、あなたに拝謁が出来るように、(親しく)わたしに姿を御現わし下さい。」
かれは仰せられた。「あなたは決してわれを見ることは出来ない。だがあの山を見よ。
もしそれが、相変わらずその所に安定しておれば、そこにあなたはわれを見るであろう。」
主がその山に(神の御光を)現わして山を粉みじんにすると、
ムーサーは(余りにも恐ろしいので)気絶して倒れた。
意識が回復した時、かれは言った。
「あなたの栄光を讃えます。わたしは悔悟してあなたに帰依し、わたしは信仰する者の先き駆け となります。」(クルアーン 7:143)
結局、ムーサさんは神様のお姿を見ることはできませんでした。
現世での私達の身体というのは、神様のお姿を見る事ができないようになっているそうです。
しかし、死後、来世において(もし天国へ入れた場合は)
神様のお姿を見ることができるようになるそうですよ。
と言うか、、、神様のお姿を見る事が、何よりの褒美だそうです。
生きている間に、良いことをたくさんしていた人達は、神様のお姿をより頻繁に見ることができるとの事。(いいですねえ。)
では、ムーサさんが神様から受け取った律法には、何と書いてあったのでしょうか?
残念ながら、律法の原本はこの世には存在していません。
しかし、
神様はユダヤの民にこんなことを伝えたのだろうと分かる箇所が、クルアーンの中にいくつかあります。
例えば、
『われがイスラエルの子孫と、約束を結んだ時のことを思い起せ。(その時われは言った。)
「あなたがたはアッラーの外に、何ものも崇めてはならない。
父母に孝養をつくし、近親、孤児、貧者を親切に扱い、人びとに善い言葉で話し、
礼拝の務めを守り、定めの喜捨をしなさい。」
だが、あなたがたの中少数の者を除き、背き去った。」 (2-83)
まずは、何と言っても
「唯一の神(アッラー)を崇拝すること」
偶像崇拝を禁じ、唯一の神に従うよう命じられましたねえ。(そりゃそうだ!)
続いて、 両親を敬うことの重要性ですよ!
まずは、神様を崇拝。そしてそのすぐ後が<両親>です。
親の立ち位置ってすごいですよね。
この順番は、イスラム教でも、もちろん同じです。
(こんな風に教えられています↓。)
『あなたの主は命じられる。かれの外何者をも崇拝してはならない。また両親に孝行しなさい。もし両親かまたそのどちらかが、あなたと一緒にいて老齢に達しても、かれらに「ちえっ」とか荒い言葉を使わず、親切な言葉で話しなさい。』(17-23)
『そして敬愛の情を込め、両親に対し謙虚に翼を低く垂れ(優しくし)て、「主よ、幼少の頃、わたしを愛育してくれたように、2人の上に御慈悲を御授け下さい。」と(祈りを)言うがいい。』
(クルアーン 17:24)
親を大事にすることについては、以前にも書いた事があるので、今回はこの辺で、、、。
次に、律法に関し、こんな記述もあります。
『われはかれらのために律法の中で定めた。
「生命には生命、目には目、鼻には鼻、耳には耳、歯には歯、
凡ての傷害にも(同様の)報復を。」
しかしその報復を控えて許すならば、それは自分の罪の償いとなる。
アッラーが下されるものによって裁判しない者は、不義を行う者である。』(5-45)
目には目をって、良く日本語でも引用されますね。
しかし、後半部分は今まで聞いた事がないかもしれません。
そうです、許せるなら許したがほうがいい、という部分です。
人を許すことの大切さも、以前に書いたので、どんどん進んでいきましょう!
律法には、安息日を守るようにという決まりもあったようです。
そして、極めつけが預言者の到来の予告が含まれていました!!
『彼(預言者ムハンマドさん)は、彼ら(ユダヤ人)の持っている(啓典)律法と福音の中に、<記され>見い出される者である。』(クルアーン 7:157)
この点については、また後ほど触れていきます。
彼らの律法(タウラー)は、人類に与えられた最初の啓典ですから、量的にはそんなに多くはないです。
しかし、時間を書けて、どんどんと啓典は発展していきます。
その最終版が、クルアーンということです。
残念なことに、クルアーン以外の啓典は、人の手により書き加えられたり、書き損じられたりしたため、原型を留めていません。
つまり、最も純粋な啓示は、ムハンマドさん(平安あれ)を通して伝えられたクルアーンだけとなります。
『われは真理によって,あなたがたに啓典(クルアーン)を下した。
それは以前にある啓典を確証し,守るためである。』(クルアーン 5:48)
今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!
=========================
アマゾンから電子書籍発売中!
『神様に一番近い人の頭の中身』
https://amzn.to/4hwrVUp
生きる意味を見失い、暗闇の中を彷徨っていた樹里。
同棲相手との暴力的な関係、妊娠、そして心に残る深い傷…。
そんな彼女の前に現れたのは、サウジアラビアから来た研修生、アハメッド。
彼の話すイスラム教の教えや価値観に触れた樹里は、
「幸せ」「成功」「愛」「お金」といった、当たり前だと思っていた価値観が揺さぶられていく。
アハメッドとの交流を通じて見えてきた、新しい人生の視点とは?
暗闇から抜け出し、心に光を灯すヒントはどこにあるのか?
この物語は、傷ついた心を抱えるすべての人に贈る再生の物語。
「本当の幸せ」を見つけたいと思っているあなたへ。
「イスラム的現世の歩き方」
https://amzn.to/3YGToKt
現世を穏やかに、そして来世で永遠の幸せを手に入れるために。
この本は、イスラムの教えに基づいた人生の処世術を探求します。
人生の目的とは何か?
この世で直面する困難に、どう立ち向かえばよいのか?
本当の幸せとは、どこにあるのか?
私たちは、ただ偶然に生まれたわけではありません。
全てに意味があり、あなたの人生にも明確な目的があります。
現世をどう歩むかは、来世の幸せと深くつながっています。
イスラム的な視点を知ることで、あなたの人生は新たな光に包まれるでしょう。
初めてイスラム教に触れる方にも、分かりやすくシンプルなガイド。
この本を通じて、神様に守られた平和な生き方と、天国への道筋を発見してください。
=======================
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます