神に帰る生き方

せっかく生まれてきたのだから、心平安に生きていきたい!と思う。

神様の世界史 美しい忍耐

2024-10-18 14:41:15 | 中近東
こんにちは、ファーティマ松本です。

先週は、預言者ヤーコーブさん(別名 イスラエル)が最愛の息子ユーセフさんを失くしてしまった話をしました。
そして何十年後に、違うもう一人の息子がいなくなったしまったのを機に、ずーっと溜め込んでいた悲しみが溢れだし、泣いて泣いて、結局視力まで失ってしまったという話もしました。

いやー、私は本当にヤーコーブさんのことを思うと辛いです。
もう何千年も前に起きたことではあるのですが、どんなに辛かったかと思ってしまうんですよね。
いきなり子供がいなくなってしまうっていうのは、親にとっては地獄そのものです。
ヤーコーブさんは何十年もずーっと、ずーっと、いなくなってしまったユーセフのことを思いながら、ある意味地獄の中を生きていました。
しかし、ヤーコーブさんは常に、こう言い続けたのでした。
「美しい忍耐をするのみ」と。

では皆さん、一体美しい忍耐ってなんなんでしょう?
忍耐と言うと、なんとなく、泣かないとか、騒がないとか、そういったことを思うかもしれませんが、、、、
ヤーコーブさん、かなり泣きましたよね。
目が白くなるまで泣いて、結局目が見えなくなってしまった位泣きました。
そんなヤーコーブさんの次のお言葉から、何が美しい忍耐であるのかが分かります。

「アッラーの慈悲に絶望してはならない。」(ユーセフ章87)

何十年も、何十年も耐えて耐えて、泣いて、泣いて、悲しくて、悲しくて、
ユーセフに会いたい、会いたいと思いながらも、ずーっと会えないでいたヤーコーブさんの
口から出た言葉がこれです。
「決して絶望してはならない。」
すごくないですか?

美しい忍耐とは、
悲しいという思いを抱いてもいい、泣いてもいい、泣きすぎて目が見えなくなってもいいのです。
人間ですからね、それが自然な感情です。

しかし、どんな状況であっても
必ず良い結果を神様が用意されているんだ、という強い希望を持ち続けることが大事である、という事です。
そして、どんなことが起きたとしても、それは神様の許可なくして起きなかったことであることを、しっかり理解し、神様のご計画を信じることでもあります。
自分には全く理解できないことであっても、神様には何か意図されるものがあるんだ、と神様に揺るぎない信頼を置くこと。
そして、必ず、必ず、良い結果が待っていると強く信じること、
こういった事すべてが、美しい忍耐である、と思います。

ついつい、私達イスラム教徒って、こんな風に考えてしまうことってあるんですよね。
<結果というのは神様の手元にある。
 だから、一生懸命やっても自分の望んでいた結果を得ることはできないかもしれない。
 でも神様はちゃんと頑張った過程を見ていてくれるんだから、努力は必ず来世で報われる。>

みたいな感覚です。
でも、このヤーコーブさんの人生から教わるのは、
いや、いや、来世で報われることだけ考えるのは、ちょっと違うぞ、という事です。
来世での報酬だけでなく、今、この世の中でもはっきりとした結果を得ることに諦めてはいけないのです。
なぜなら、神様は「この世では何にも良いものあげないよ」なんて言ってはいないのですから。
神様のお言葉はこうです。
「本当にアッラーは、正しい行いの者の報奨を無益にはされない。」(9−120)

このお言葉は、来世でだけ報奨を与えるとは言っていないわけです。
神様のお恵みが、そんな限定的なわけがありません。
この世においても、ちゃんとはっきりとした結果を報奨としてお与えになるお方です。

ヤーコーブさんは、こう言いました。
「誠に、不信仰者以外は、誰もアッラーの慈悲に絶望してはならない。」
(クルアーン 12:87)」

彼は
何十年経っても、ユーセフに会えることを諦めませんでした。
その証拠に、息子達にこう言うのでした。
「息子たちよ、あなた方は出かけユーセフとその弟の詳細を訪ねなさい。」

何十年もたった後でも、彼はユーセフがどこかで生きている、必ず会えるんだと信じているからこそ「探せ!」と命じたわけですよね。

私も、ユーチューブなんぞを始めてしまって、はっきり言って不安でありました。
大丈夫かなあ、ちゃんと結果出せるかなあ、と。
でも、(いつもの調子で)結果がでなくても、善行として記録されるからいいかあ、なんて思っていたのですが、このヤーコーブさんのお言葉にガツンときました。
それで、ショート動画まで作ってしまったので、よかったら見てみてください。
ただ素人感が半端ない仕上がりなので、削除しようかなと思ったぐらいですので、
あまりクオリティーは見ない様にお願いします。
https://youtube.com/shorts/vfPbUkEP0s0?si=qRvH8ARD3vxJBgk0
ちなみに
YouTubeチャンネルの方ですが、睡眠系はやめました。
ちょっと違う角度から、イスラム教について発信していきますので、チャンネル登録お願いいたします。
一応、毎週金曜日夜9時に配信予定であります。
https://www.youtube.com/channel/UCZqdOph3TWRuMVA_2jnrIcw

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
みなさまに神様からの祝福がたくさんありますように!

次回に続きます。

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生きる気力を失っていた樹里の前に現れたのは、
サウジアラビアからの研修生、アハメッド。
アハメッドと同じ職場で働くうちに、樹里は今までとは
全く違う考え方というのがあることを知る。
幸せとは、
成功とは、
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そして、イスラム教とは?
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神様の世界史 預言者ヤーコーブ (別名イスラエル)

2024-10-11 03:30:34 | 中近東
こんにちは、ファーティマ松本です。

前回は、
すべての預言者は、モスリムである。
なぜなら、彼らは一人残らず、神様の意に絶対服従する人達であったから。
モスリムとは、自分の欲求や好み等よりも、神様も意を一番にする人のこと。
これは人間に限らず、動物や昆虫、宇宙のものすべてにも言える、ということを書いてみました。

さて、今回はユダヤ系の預言者の始まりの始まりである、ヤーコーブさん(平安あれ)について書いてみたいと思います。

クルアーンの中に、ユーセフ章というのがあります。
この章のお陰で、ヤーコーブさんと息子であるユーセフさんに何が起き、どんな結果になったのか現代に生きる私達にも分かるようになっています。
個人的にこの方は、すごすぎるというか、悲しすぎるというか、彼のことを考えると
とても辛い気持ちになってしまうんですよね。
でも、
この方の人生から学べることは、本当に貴重です。
実際、ユーセフ章というのは、預言者モハンメドさんが非常に悲しみにくれていた年に送られた章なんです。
神様は、ヤーコーブさんの人生を通して、忍耐、そして神様に信頼を置くこと、そして、どんな酷な状況に見えても、必ず救済と勝利があることを預言者ムハンマドさんに教えられたのです。
もちろん、これらの教訓は、現代に生きる私達にも確実に伝えられているわけですから、本当に有り難いことであります。
改めて、何千年経っても変わらず、神様からのメッセージを読むことができるクルアーンですごいと思います。

では、簡単に何がおきたのかを軽く説明して行きましょう。
ユーセフさんのことについては、また後ほど書いて行く予定ですので、今回は軽く飛ばしてしまいます。

ヤーコーブさんにはたくさんの子どもがいましたが、彼らはユーセフだけがお父さんに好かれていると思い、ユーセフを殺す計画を立てます。
結局は殺さないで、井戸に放り込み、そのまま家に帰ってきました。
お父さんであるヤーコーブは泣き泣き、こう言います。
「あなた達は、自分達のために大変なことをしたものだ。私には耐え忍ぶのが美徳、
 アッラーにお願いをするのみ。」
耐え忍ぶのが美徳、とありますが、
アラビア語では、美しい忍耐と書かれてあります。
でも、なかなか良い日本語訳がないですよね。
これはクルアーンを訳された方も困ってしまったかもしれませんね。

お父さんであるヤーコーブさんは、子供たちの言う事を信じないで、すべてをアッラーにお任せし、自分は美しい忍耐をする、と決めました。

さて、さて、
その後何十年もたったあとに、今度は、ユーセフの弟ベンジャミンもいなくなってしまいました。
その事実を知って、ヤーコーブさんは泣き崩れます。
ここが、かなり泣けるシーンなのですが、、、 
泣きながら、
「ああ、ユーセフ。私はユーセフのことを思うと悲しくてたまらない。」
と言うんですね。
今現在、いなくなってしまったのは、弟のベンジャミンの方なのですが、
ヤーコーブさんにとっては、長年押し殺していた物が、このもう一つの事件によって
すべて崩れてしまったと思われます。
我慢に我慢を重ねて生きている人に、もう一つ何かが起こったことにより、もう耐えきれなくなり、感情が溢れ出してしまった感じでしょう。
しかし、
またヤーコーブさんは、こう言うのです。
美しい忍耐をするのみ、と。
そして彼は泣き続け、とうとう視力を失ってしまいました。

ヤーコーブさんは、神に選ばれた預言者さんの一人です。
それでも、子供がいなくなって悲しくて、悲しくて、泣いて、泣いて、泣いて、
目が白くなって見えなくなるまで泣いたのです。
さあ、ここで問題ですよね。
一体、美しい忍耐とは何なのでしょうか?

子どもが急にいなくなってしまうことほど、辛いことはないと思います。
いなくなって、生きているのか、死んでしまったのか、どこでどんな目になっているのか
そんなことを考えていたら、親はきっとなんにもできなくなってしまうことでしょう。

最近は、本当に誘拐やら、人身売買やらともう、本当に恐ろしいことが多発しています。
何年も前の事になりますが、娘さんが変な男に連れていかれて9年間も監禁されていた事件がありました。
そのお母様が9年間の間、一秒たりとも思わなかったことはないと発言されていたのを覚えています。
まさし、まさしく、そういったお気持ちだったんだろうと感じました。

ヤーコーブさんも、かわいい、かわいい自分の息子を、ナント!他の自分の子供たちによって失ってしまったのです。
どれだけ悲しいか、どれだけ辛いか、そしてその感情を周りの人達と分かち合えることもできず、一人でずっと抱えながら生きていたんですよね。
子供をもう一度失ったという事実に、今まで抱え込んでいた物がうわーっと爆発してしまったかのように泣き、結局彼は視力を失ってしまいました。

日本の社会ではあまりあり得ないことかもしれませんが、一定のイスラム社会において、身近な人の死に対し泣いたりしようものなら、
「忍耐だ、我慢しろ、神様から与えられた運命に文句でもあるのか。」
みたいな、まるで泣くことがいけないことであるかのような態度を取る所があると聞きます。
そんな人に言ってあげたいものです。
預言者ヤーコーブを見てみろ、と。
泣いて、泣いて、泣いて、視力がなくなるまで泣いたんですよ、と。

ここで分かるのは、泣く、悲しむ、といったことは人間に備わった感情なんです。
その感情というのは、他の誰でもない、神様が人間に与えられた物なんです。
ですから、
大事な人が亡くなったら、悲しんで泣くのは当たり前。
子供が急にいなくなったら、気が狂って泣き叫ぶのだって当たり前。
そんな時に、泣くなとか、そんなのは信仰心が足りないから、とか言う人。
それは、おかしいんです。
間違っているんです。

ヤーコーブさんがご自身の人生を通して、教えてくださった
美しい忍耐というのは、
次のお言葉から分かります。
そうです。
ヤーコーブさんは、さすが預言者だけあって、
そんな辛い状況においても、すごい言葉を発せられました。
それは、、、。

あっ、ちょっとすみません、ここで少し宣伝です。
私、ナント!ユーチューブ始めました!!!
悲しみをテーマに今回は書きましたが、
最初の動画は、まさしく<悲しみ>についてです。
イスラム的な瞑想動画になっています。
今の所、英語オンリーなのですが、そのうち日本語にも挑戦したいと思っています。
(できるかな?)
皆さん、どうぞ、どうぞ、チャンネル登録、高評価、シェアー、コメント、等々
お願いします。
もしも収益化された際には、ほとんどの利益を貧しい人達に送りたいと思っています。
この活動にどうぞ、ご協力くださいませませ。

<sleep with Faith >
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次回に続きます。

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全く違う考え方というのがあることを知る。
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そして、イスラム教とは?
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神様の世界史 みんなモスリム?

2024-10-04 04:35:07 | イスラム教
こんにちは、ファーティマ松本です。

前回は、ユダヤ系預言者の始まりとして、
ヤーコーブさん、ユーセフさんのお話をしました。
おさらいになりますが、

イブラヒームさん(平安あれ)の二人の息子さんが、
それぞれアラブの始祖、ユダヤの始祖であられます。
アラブの始祖であるのが、イスマイールさん(平安あれ)で、
ユダヤの始祖がイスハークさん(平安あれ)でございます。

イスハークさんの子供がヤーコーブさん(平安あれ)別名イスラエル。
そして、ヤーコーブさんの子供がユーセフさん(平安あれ)ということでした。

じゃあ、イブラヒームさんは何なのか?
覚えていらっしゃいますか?
イブラヒームさんは、神様のお友達と呼ばれるほどレベルの高い預言者でしたよね。
ユダヤ教でも、キリスト教にも高く認識されていらっしゃるお方です。

では、そのイブラヒームさん、、、、、
彼は、ユダヤ人なのか、キリスト教徒なのか?
こういった質問を昔っからする人がいたようで、
神様はクルアーンを通して教えてくださっています。

クルアーン3−67
「アブラハム(イブラヒーム)はユダヤ人でもキリスト教徒でもなかった。
 彼は純粋なムスリムであり、偶像崇拝者の一人ではなかった。」

モスリムであった、とあります。
モスリムというと、イスラム教徒とすぐに訳されますが、実際のところ
どういう意味かご存知でしょうか。
これは、
イスラムする人とか物、を指す言葉です。
イスラムするって、どういうことって思いますよね。
それは、一言で言うと

慈悲深い神様の意志、または決まりを、自分の良しとするものよりも上に置く。
つまり、神様の意志に、絶対服従するという意味です。
ですから、預言者イブラヒームさんはまさしくモスリムの中のモスリム。
どんな命令にも、ひたすら服従をした人でしたからね、素晴らしい!
神様も十分にそれを褒め称えてくれたのが、上記のクルアーンの一節で良く分かりますね。
*彼は純粋なモスリムであった*

人間以外にも、神に絶対服従するものってあるのですが、何だと思いますか。
それは、太陽とか、月とか、星とかです。
何しろ、全部が全部、神様の命令にしたがって動いていますからね。
ですから、あの太陽系にあるものって全部モスリムなんです。
動物だって、そうです。

クルアーンの中には、こんな風に書いてあります。
「あなたは見ないのか、天と地のすべてのものがアッラーを讃えているのを。
 大空を列をなして飛ぶ鳥達もである。
 それぞれは自分の祈りと賛美の言葉を心得ている。
 アッラーは彼らの行いを熟知なされる。」(24:41)

鳥だけでなく、すべての生き物(人間以外)は、それぞれの方法で、神様を讃えている様です。
我が家にも猫ちゃんが二匹いるのですが、
子供たちに「あの子達も、ちゃんと礼拝しているんだよ。」
と言うと、なぜか喜ばれます。
「かわいい! 見てみたい。」と。
ただ、猫ちゃん達は私達のように時間が来たらモスクに行って、、、ということはしませんからね。
猫ちゃん達の礼拝方法ってどんなものなんでしょう?

イブラヒームさんは、絶対服従の方でありましたから、モスリムの鏡の様な存在であります。
そしてもちろん、その後を次ぐ子孫達だって、負けないくらいの素晴らしい
絶対服従の人生を歩まれました。
つまり、預言者と呼ばれる様な人達は、
全員が全員、神様に絶対服従、つまり、全員がモスリムであったという事です。
ヤーコーブさんも、ユーセフさんも、そしてそのあとに次ぐたくさんの
ユダヤ系の預言者さん達全員が、<モスリム>であったわけです。

そんなことを言ったら、ユダヤ人達はきっと嫌がるでしょうねえ。
でも、それが事実なのだから、しょうがない。

また次回に続きます。

今日もお付き合いいただきましてありがとうございました。
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